Category : アンプ
 ポットとジャックを洗浄してガリ音はなくなったのですが、スタンバイスイッチをプレイモードにしたらブーンというハムノイズが発生する原因を探る為に真空管をチェックしました。

IMG_6906.jpg 2個のトランス間にあるパンチングメタルのカバーを取り外すと、そのスペースに全ての真空管が収まっています。上右の2本の12AX7がプリの2chインプットの初段の増幅、上左の12DW7が次段の増幅管でここまでがプリ部です。中の12AU7はブースト管、そして下の2本の7027Aがパワー管となります。


 見た目には全ての管のヒーターが灯り、問題は無さそうですが、一応全ての真空管をアンプシャーシから抜き取ってチェック&クリーニングを行いました。

IMG_7397b.jpg クリーニング後に左→右へと入力→出力順に真空管を並べて、画像には印字から読み取った品番を記しています。


 その内で共にPhilips社製の12AX7WAと7027Aには、それぞれ8739と8713の製造年と週の印字があり1987年に製造された真空管と分かりました。

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 先の記事のシャーシ内のポットの刻印でこのB-15Sは1978年製造と分かっているので、製造から9年後の1987年におそらくは初めてとなる真空管交換が行なわれたものと思います。徐々にこのB-15Sが歩んできた“歴史”が分かってきました。

 このB-15Sを譲っていただいた方にお聞きしたところ、その方のお父様がかなり以前に中古で入手されて、しばらく使われた後に現在まで長期間保管されていたとの事ですから、私が3オーナー目となります。外観がそれほど傷んでいないのはこれまでのオーナーの少なさを示しています。



 真空管をクリーニングしてシャーシに戻してもブーンと言うハム音は変わりなかったので、私がこれ以上できる対応は真空管の交換となります。合計6本の真空管で回路が構成されているのですが、内3本は同規格・同品番のものをストックしているので、新規購入したのは3本となります。

IMG_7308.jpg 箱で説明すると、左が電圧増幅管のECC832(12DW7と同仕様)が1本、そして右のパワー管が2本の7027Aで、共にJJ Electronic社製のものをチョイスしました。12DW7は1本の内部で12AX7と12AU7の二つの特性をもった複3極管という特殊な管なので選択肢が少なくて、このJJ製にしています。又、JJの管は出音が明るめというイメージを私が持っており、そこを狙った理由もあります。


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 全ての真空管を交換後の出音のチェックでは、これまでの音質から少し明るめのものに変化しているのが分かりました。1本ずつ差し替えてのチェックは行っていないので、どの真空管が影響しているのかは分からないのですが、旧い真空管の“ヘタリ”が解消され、そしてJJの管に因り、明るめの出音となったと感じています。元の真空管はまだまだ使用可能なのですが、30年前のものなので大切にストックしておきます。

 そして気になる真空管交換後のハムノイズですが・・・、まだ残っていました(汗)。予想はしていたのですが、かくなる上は電源部の整流用の電解コンデンサーの不良と思われるので、ここからはアンプ専門ショップで対応していただく事になります。
 さて、これからは入手したB-15Sを“使える一台”に仕上げていきます。先ず出音を云々いう前に全てのツマミ(=ポット)とジャックに発生していたガリ(接触不良)を解消する必要がありました。

IMG_6914.jpg ポットの取り付け位置にアクセスする為には、アンプのカバー類を取り外す必要があります。先ずは2個のトランス間にあるパンチングメタルのカバーを取り外すと、そこのスペースに全ての真空管が収まっていました。


IMG_6917.jpg そのスペースの底のプレートを外すと、「うわっ、汚い!」プリント基板にはホコリが溜まり、抵抗の足はなんだか錆っぽいです。右のトランスの足元には黒い粒があり「まさか○○ブリの○ン?」と思いきや、よく見れば右側の出力トランスのメタルカバーに塗布された結晶塗装が劣化して落ちていたのでした。


IMG_6919.jpg シャーシ裏側の画像です。特にコンデンサーの液漏れや、焼け焦げたような跡は見受けられません。


 でも何か不自然な箇所に黒いコンデンサーらしきものがあるなと思い、触ったらポロッと取れました。これは紛れもなく“○○ブリの卵”でした(汗)。チェック後にはブラシとエアスプレーでホコリを除去しておきました。

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 シャーシの底板には回路図のプリントが貼ってあり、そこには74年の作図との記載がありました。

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 ネットで拾った71年の回路図(左)には電源スイッチ部(回路図の右下辺り赤丸)にポラリティースイッチが付いているのですが、入手したB-15Sの回路図(右)にはスイッチがありません。この事から70年初期に製造開始されたB-15Sが74年にマイナーチェンジを受けた事が分かりました。この時にスイッチ自体もメタルのトグルスイッチから白樹脂のロッカースイッチに変わっています。

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IMG_6943.jpg ガリの解消の為にシャーシから6個のポットを半田を溶かして取り外しました。ツマミは7個あるのですが、1個はレスポンス選択ツマミで内部は回路切り替え用のロータリースイッチなので、これは取り外していません。上右の回路図下にも『ロータリースイッチの油を除去してはならない』との特記がありましたので。


IMG_6946.jpg 取り外した全てのポットを分解して内部の洗浄を行いました。この際もポットハウジングに付着したグリスは、ツマミの回転トルクが変わるので除去していません。


IMG_6949a.jpg ポットハウジングの刻印を確認しました。全てが1MΩの直流抵抗値で、137-7811からはCTS社1978年第11週目製造と読み取れます。よって、このB-15Sアンプは1978年製(満40才)と分かりました。上記の回路図から推測した1974年のマイナーチェンジとも整合性があります。


 インプットジャックのクリーニングを行い、接触不良を無くしました。ワッシャーに発生していた錆も落としています。少しの事なのですが、全体の仕上がりがグッと綺麗になります。

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 ポット、そして入力ジャックの洗浄後のチェックでは、これまでの醜かったガリ音が無くなったのが確認できました。ただし、ガリが無くなり出音がはっきりと聞き取れるようになった結果、出音自体は好みのものだったのですが、電源スイッチを投入後にスタンバイスイッチをプレイモードにしたら、ブーンというハムノイズがスピーカーから聞こえてきました。これも解消する必要があります。
 スピーカーキャビネットの外観は70年代の製品という歴史を感じるものですが、ボロボロではないので、クリーンアップすればそこそこの見栄えにはもっていけそうです。

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IMG_6841.jpg 金属パーツには錆があります。壊れやすい天板固定のラッチ金物は4ヶ所共にスムースに動作しています。このラッチ金物は60年代のB-15Nから90年代のB-15Tまで同じパーツで、現在も新品をe-Bayで入手可能です。

 四隅のコーナー金物は釘打ち、ラッチ金物は釘・ビス併用で、どちらも取り外しが出来ないために、錆落としには苦労しそうです(汗)。


IMG_6858.jpg アンプ出力からのインプットプレートには“B-15S”の品名、“8 OHMS”の直流抵抗値、シリアルナンバー等の記載があります。アンプからのスピーカーケーブル先端のプラグは樹脂のモールドで、この時代(70年代)を感じさせてくれます。


IMG_6863.jpg キャビネット裏の底部に外皮ビニールシートの大きな剝がれがあります。目立つダメージはこの箇所くらいです。台車は手持ちのものでオリジナルではありません。


IMG_6835.jpg 15インチ一発のスピーカーにはコーン紙の破れやエッジの劣化も無くてまだまだ使えそうです。スピーカー取り付けビスが1本欠品しています。


 バスレフポート出口はトップを曲面加工した木材にアルミシートが貼ってあります。台所の油汚れ防止シートのようですが、これでオリジナルです。この部分は上向きでホコリが蓄積し易く、かつグリルネットの裏側になるので掃除が行き届いていなくて、かなり汚い状態です。

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IMG_6884.jpg キャビネット内部には吸音の為の黄色のグラスウールと白のウレタンスポンジが混在していますが、グラスウールのみがオリジナルです。それにしても内部の補強材が凄いですね。たかだか60W出力のアンプ用のキャビネットなのですが、ここまでの補強材が入ったものは初めてみました。どおりで重たい筈です。これよりも古い60年代のB-15Nの内部はもっとシンプルな構造です。

 アンプヘッドを取り外した状態でのキャビネットの移動は、この斜めに入れられた補強材を掴んで行っています。その意味では便利ですね(笑)。


IMG_6890.jpg スピーカーの入力端子部にはスピーカーケーブルの導線が捩って結線されていますが、これは当然ですが後加工です。現況のスピーカーについては後の記事で詳細を説明しますが、おそらくはオリジナルなので端子接続されていた筈ですが、一時期別のスピーカーが配線の直接続で取り付けられていて、それを元に戻す際にこのような結線になったものと推測します。上記のスピーカー取り付けビスの欠品もその際と思われます。


 以上、先の記事のアンプヘッドも含めて、入手時の状態からすると、今後色々と手を加える必要がありそうで、なかなか楽しめせてくれそうな予感でいっぱいのこのAmpeg B-15Sです(笑)。
 Ampeg B-15Sのヘッドの入手時の状態です。お馴染みのフリップトップスタイルで、運搬時にはヘッドをひっくり返してスピーカーキャビネットに収納できます。しかし収納の際には、天板は平板で、キャビネット側も側面がフラットなので天板を持ち上げる際の“手掛かり”が無くてとても苦労します。60年代のB-15Nや90年代のB-15Tにはキャビネット側の側面に“手掛かり”があるのですが・・・。私は天板を左右どちらかにずらして“手掛かり”を確保しています。

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IMG_6814.jpg 60年代のB-15Nよりはシャーシ両サイドにある2つのトランスの背が押さえられていて、ぺったんこに見えるのですが、やはりトランスは鉄の塊なので、アンプ単体の重量は22kgもあります。


IMG_6815.jpg 前面パネル左から、2chの入力で上側がハイの立ったブライト入力です。ジャックのワッシャーが錆び付いています。Channel Oneはボリューム・トレブル・ベースのコントロールに加えてBass・Flat・Guitarの音色を切り替えるResponseツマミがあります。


ampeg-b-15s-revind-d-schematic.jpg ネットで拾った回路図を見ると、Bassはモコモコ、Guitarはカチカチの音色となるようにコンデンサーと抵抗の回路が介してあります。普通にベースを鳴らすには何も介さないFlatが良いです。


IMG_6816.jpg Channel Twoは上記回路が無いボリューム・トレブル・ベースのコントロールで、2つのチャンネルに2本のベースを繫いで持ち替えての使用も、二人でギターとベースを同時に鳴らしての使用も可能です。

 パネル右端にはPowerとStandbyの2個のロッカースイッチがあります。専門サイトで調べると、このロッカースイッチは白の樹脂製なので、1976年から1979年の間の製造と分かります。これよりも以前のB-15SはトグルスイッチでPolarityが加わった3スイッチとなっています。(上の回路図がその3スイッチのもので、図に71年3月の製図年月の記載があります。)


 リアパネルには左からフューズ、電源ケーブル、出音のハム音をコントロールするHum Balance、Ext.Amp(Line Out)、スピーカーアウトが2つ、スピーカーのインピーダンスを8・4・2Ωへと切り替えるスイッチ等が並びます。電源ケーブルとスピーカーアウトケーブルがシャーシから直に出ている仕様はこの時代を感じさせてくれます。又この電源ケーブルとスピーカーアウトケーブルのシャーシからの取り出し位置から、正面から見て右が電源トランス、左が出力トランスだと分かります。

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IMG_6820.jpg 輸入代理店のシールは見当たらないのですが、100VAC 50/60Hzと記載されたシールが貼ってあるので日本仕様のようで、昇圧トランスが不要なのはありがたいです。シリアルナンバーからは情報が不足していて製造年が特定できなかったです。


 さて、このヘッドアンプからの出音なのですが、その音色を云々する前に、入力ジャックと全てのポットの接触不良・ガリ音が醜くて、とても冷静なインプレができない状態でしたので、今後のメンテナンス後のインプレとします。
 自他共に認めるAmpeg好きの私ですが、ここに来て長年求めてきたアンプを入手しました。それはこちら、Ampeg B-15Sです!

IMG_6807.jpg モータウンのジェームス・ジェマーソンの音と言えばフラットワウンドを張ったFenderのPBがまず頭に浮かぶのですが、氏が使っていたアンプは1960年代のAmpeg B-15Nです。私がこの度入手したのは出力がB-15Nの30Wから60Wへとパワーアップされた70年代のB-15Sです。


 下の動画で分かるように、モコモコとした出音のB-15N(右側)と比べると、B-15S(左側)は少し歯切れが加わりポコポコとなっています。私としてはこちらの出音が好みなので、入手するとなるとB-15Sだなと思っていたのですが、この度縁有って入手できました。



IMG_6808.jpg 可搬性を考慮してのアンプヘッドをひっくり返してキャビネットに収納できるフリップトップ・スタイルなのですが、入手した際の第一印象は「でかっ!重たっ!」当時のカタログをネット検索して重量記載を見ると、一式50kgとなっています。とても簡単に運搬できる代物ではありませんね。上の動画を見ても、60年代のB-15N(右側)に比べてB-15S(左)が一回りも二回りも大きいのが分かります。


 このB-15Sは個人から購入したのですが、配達時にはお二人で来られて、尚且つアンプヘッドとキャビネットは分離して車に積み込まれていました。分離して運搬する為のフリップトップ・スタイルではないのですが、そうせざるを得ないようです・・・(汗)。

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 前述のようにこれはショップでメンテナンスされたものではなく、個人から譲っていただいたブツなのでツッコミ所満載の状態なのですが、blogネタとしては最高の逸材です(笑)。今後、たっぷりと時間を掛けて使える状態に持っていきます。
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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