これまでのBaby bassのエントリーで出音は“ポコン・ポコン”としか表現していなかったのですが、それ以上の細かな説明は避けていました。というのも、入手時のBaby bassの出音は“ポコン・ポコン”という独自の音色のニュアンスはあるものの、音色はとても硬質なもので、CD音源等で聴くBaby bassの出音とは全く異質なものでした。

 因みにYou-Tubeで見られるこれがBaby bassの音だと私が思うところの動画がこちらですが、このような(良い意味で)イナたくてお腹にボンボン伝わってくる低音は、入手したBaby bassでは得られなかったのです。



IMG_5389.jpg このような場合はピックアップサーキットを疑ってみる必要があるので、チェックしました。現状で取付いているパーツで、コイルは疑うべくもなく元からのものですが、コントロール回路のパーツをチェックすると、ポット類は日本製だったので、これが換わっていると考えてネットで調べたBaby bassのサーキットと比較すると以下の結果でした。《 》内がデフォルトのパーツの数値です。


 ヴォリュームポット 500kΩ《100kΩ》、トーンポット 500kΩ《17kΩ》、トーンコンデンサー 0.05μF《0.15μF》、ステレオジャック《モノラル》

 スイッチクラフト製のジャックはともかく、他のパーツは以前に行われたであろうメンテ(リペア?)の際に、一般的なエレキベース用の規格の物に(安易に?)替えられていて、Baby bass本来の音色をアウトプットするサーキットでは無いと思われました。特にデフォルトのトーンポット《17kΩ》、トーンコンデンサー 《0.15μF》という数値を見ると、かなりコンデンサーに依存した音作りがサーキットの設計意図として感じられたので、デフォルトの規格に近いパーツを探して入手しました。

IMG_5540.jpg トーンポットの17kΩが見つからなかったので20kΩで代替えした他は、ヴォリュームポット100kΩ、トーンコンデンサー 0.15μFとデフォルトと同じ規格が揃ったので、組込みしました。


 試奏の結果は、これまでは硬いというよりも腰高な出音でトーンツマミを絞りきっても低域が浮上する事が無かったものが、本来の“ポコン・ポコン”という、1音1音が膨らみを持った低音へと変っていました。

 通常のエレキベースでは、トーンをフルアップから絞り込みながら音を決めていくのですが、このAmpeg Baby bassは、ネット検索で得られた60年代の販売時の取扱い説明書を読むと「トーンを絞り込んだ状態からツマミを右に回して高域を加えてセッティングする」と記されていました。先ずはトーンの絞り込みありきなのですね。

 という事は、トーンポットとコンデンサーで音を決めていく事になるので、ベストなポットとコンデンサーの組み合せを見つけるべく、何種類かのポットとコンデンサーを入手して、出音を聞きながらの取付け・取外しを行いました。

IMG_5742.jpg          IMG_5743.jpg


IMG_5747.jpg 実はこの作業がこの度のBaby bassのセットアップで、もっとも時間を費やしたところです。自宅でパーツを取替え、スタジオでのバンド練習の際に大所帯バンドの音の洪水からベース音が抜け出てくるセッティングを1ヶ月以上の間探っていきました。


IMG_5795.jpg 入手時にブリッジに付けられていたFishmanのピエゾピックアップBP-100からの信号を加えての音作りを考えていたのですが、これが回り道にもなったようです。


 最終的に決めたパーツがこちらです。ヴォリュームポット 100kΩ、トーンポット 5kΩ、トーンコンデンサー 0.15μF《オレンジドロップ》となりました。デフォルトと変ったのはトーンポットが17kΩが5kΩになった事です。5kΩにしたら、トーンツマミの半分位のポジションで程好いトーン具合になり、使い勝手が良いと判断したからです。
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コメント
オアシス地球さん

スポンジミュートでモコらすのと、コンデンサーでモコらすのは、やはり違いますね。併用は“あり”と思うのですが。
それとおっしゃる通り、コンデンサーとポットではピンポイントの音質調整は出来ません。
それを何とか目標に近づけようと試みたのが今回のエントリーです。
後のエントリーで説明する事になりますが、最終的にはグラフィックイコライザーでピンポイント調整を行いましたけど・・・。
Baby bass、私と同じように泥沼にはまる覚悟でご検討ください(笑)
pechokoriさん

犯人はもう何人も捕まえているのですが、違う犯人がどんどん現れてくるって感じですね。
劇場型ベースリペアとでも呼びましょうか?(笑)
次回も新たな犯人が登場(?)します。To Be Continued.
すわべさん

またまたチェックが入りましたね(笑)

学生時代は大阪で過ごしたのですが、その当時はまだ楽器店でリペアパーツなど売っていなくて、日本橋の電気屋街(東京でいうところの秋葉原)に出掛けてパーツを調達していました。
ポットはその当時から通信機用として評価の高かったコスモスが良かったですね。
今回、入手したコスモスのポットの軸を回して、その重厚な手応えに当時を思い出したところでした。

このBaby bassはコンデンサーとポットで音を作っているので、選定に苦労しました。
自宅の12インチスピーカーで鳴らすと0.2μFのコンデンサーで程良い低音なのですが、スタジオの15インチスピーカーでは低音が出過ぎるので0.15μFに戻すなど、いろいろとやりました。
また0.15~0.2μFの間も別の小容量のコンデンサーを並列に加えて小刻みにチェックしてみました。

ポットを左に絞り込んだ状態が基本で、そこからポットを右に回して高音成分をプラスするというエレベとは逆のトーンコントロール方法に当初はとても違和感があったのですが、今ではそのやり方になれてきました。

今回の一連の作業時の出音の良し悪しは自分の耳で判断せざるを得ないので、苦労もしましたが楽しくもありました。弦を緩めてブリッジを外してコントロール回路に手を加える作業を数十回は繰り返しましたから・・・(汗)。こんな作業に楽器屋さんはとても付き合ってはくれませんからね(笑)
やはりスポンジなどで弦をミュートした音とは根本的に
違うということなんですね。

私もエレベではコンデンサーの交換はさんざんやりましたが、
値を大きくするとよりコモらせたり出来る代わりに
おいしいポイントに合わせにくくなるんですよね。
その点、年代によって違うものが付いてるフェンダーは
使いやすさも考慮してたんだなあと、最近感じてます。

それにしてもBaby bass、欲しくなりますねえ・・
ワタシは楽器の仕組みや電気のことなどサパーリわかりませんが、毎回、シャーロック・ホームズが謎解きをしながら犯人を追いつめているような感じがして楽しみにしておりまーす!
おお、東京コスモスのポットですか!
適度に重いトルクと、ガリが起きにくい構造で良いですね。

パッシヴ回路のVol/Toneポットの抵抗値が低いと高域がかなり減衰する方向になりますが、それが良い結果になったようですね。

CRフィルタの計算式は有っても、実際に鳴らさないと判らないのがなかなか悩ましいです。
もっとも、それがまた楽しいのですが(笑)
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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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