やっとのこと、Baby bassの“肝”の部分のピックアップです。入手した時点ではどんな構造か全く分からなかったので、ボディーからピックアップ部を取外してチェックしました。

IMG_5388.jpg おちょぼ口のロボットの顔に見えるピックアップ部は1枚の合金製のプレート上に組込まれています。プレートは厚みのあるしっかりとした造りです。2つの樹脂製の黒のツマミはそれぞれボリュームとトーン、メッキのツマミは内部のピックアップを上下させるものです。35mmφの丸い薄鉄板上にブリッジの足が乗っていました。


IMG_5389.jpg プレートの裏側です。ポット&ジャック類、アルミの平板に取付けられた2ケのコイルが見られます。


IMG_5391.jpg これからが本題です。ブリッジ足が乗っていた薄鉄板を取外しました。薄鉄板はプレートの開口部の縁に乗せてあるだけで、ピックアップのポールピースの磁力で引っ張られていました。


IMG_5392.jpg 横から見ると、薄鉄板(メーカーではダイアフラムと呼んでいます)とポールピースの間が極僅かな隙間となるように、ピックアップ高さ調整ネジでセッティングされていました。そうなのです。この鉄製のダイアフラムがエレキベースで言うところの“弦”に相当するのです。ダイアフラム上に乗ったブリッジの足が弦で振動する事により、鉄製のダイアフラムが上下に動き、ポールピースが磁束の変化を感知して、そこに巻かれたコイルに電流が発生するという仕組みです。


 このダイアフラムが極薄の鉄板である故にペコン・ペコンという振動から発生した信号がアンプからはポコン・ポコンと出てくるのです。ボディーのエントリーの際に「ボディーは全然鳴らない」と記したのですが、Baby bassの特徴的なポコン・ポコン音は、このピックアップというか、大元はこのダイアフラムで発生していたのです。

IMG_5395.jpg チェックするとポールピースは互いに逆磁性でした。コイルの巻き方向は外周がテーピングされていて分からなかったのですがおそらくは逆巻きで、2つのコイルは直列配線されていたので、ピックアップ全体でみるとFenderのPBのピックアップと同様のハンバッキング構造となっています。そしてポールピースとコイルが2ケずつしか無いので、“究極にシンプルな構造のハンバッキングピックアップ”とも言えます。このハンバッキング構造のおかげで、アンプのボリュームを上げても気になるノイズは聞こえません。


 さて、構造が判明したピックアップですが、調べてみるとコントロール回路の全てのパーツ、“ポット、コンデンサー、ジャック”はオリジナルではない事が分かりました。次回のエントリーでは、これを元に戻します。
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コメント
オアシス地球さん

このピックアップの構造は、見れば「なるほど」と思うものなのですが、エレクトリック・アップライトというものがそれまでは無く、初めて作られたものとしては、ハウリング防止の為に強化されたボディー構造からの“鳴り”に頼らずに、ピックアップのみで箱ベースの音を出す事に成功しているので、もっと評価されて良いと思います。
ただ、やはり需要が少なかったので“知る人ぞ知る”的な存在になったのでしょうね。
eBayでチェックすると、イギリスのメーカーが似たようなベースを作っています。ピックアップも似通っているので、ライセンス生産をしているのでしょうか?
pechokoriさん

エントリーアップしている本人が、「これ、いつ終わるのだろうか?」とか「次々と難題をぶつけてきて!」とか思っていますから・・・。
次のエントリーの“コンデンサーとポットの選択”には1か月間以上掛かりました。
これまで培ったベースリペアのノウハウが通用せず、このまま迷宮入りしそうで、ルパンに頼むところでした。
まだヤマ場(?)が3~4ヶ所ありますので、そんな私の苦労話を楽しんでください。
ピックアップにそんな秘密が!! これを思い付いた人も
スゴイですが、よく他のメーカーが真似しなかったもんですね。
やったところであんまり需要ないのかなあ??(ラテンには不可欠な
感じはしますが)

ぜひ安く再生産モノを出して欲しいです。
毎回、シャーロック・ホームズの謎解きか、エジプトのピラミッドの探検物語を読んでいるような錯覚に襲われながら楽しみに拝見しております。
次回はルパン登場でしょうか?(笑)
まんじくん

見るからにシンプルなサーキットですが、見た目によらずとても繊細な調整が必要でした。
まだまだ苦労したネタが続きます(汗)
楽しみにしてください(笑)
すわべさん

コントロール部をすかさずチェックされるって、さすがすわべさんです。
Baby bassはコントロール部のパーツもとても重要なところでした。
次回、説明します。
大胆なPU構造ですね!テンションの強いアップライトならでわの荒業的な!!♪
コメントを投稿するのは久しぶりですが、いつも拝見しております。

今回の記事は大変興味深く拝見させて頂きました。
BabyBassのPUがどのような構造になっているのか、伝え聞いてはいましたが実際にどうなっているかまでは知りませんでした。

写真を拝見して「あれ?ポットは日本製でジャックはスイッチクラフトかな?」と思ったのですが、非オリジナルでしたか。

次回も楽しみにさせて頂きます!
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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