秘密って程の怪しいモノじゃないのですが・・・。

 先ずは、私の建国記念Thunderbirdの音ヌケが悪いのが気になっていました。先日、広島ベース会で同じく建国記念Thunderbirdを持込まれていた女性ベーシストのムタさんも「案外、音は大人しいのですよ」とおっしゃられていました。

IMG_9647.jpg


 最近、ベース内蔵のトーンコンデンサーを取替して音の変化を楽しんでいる私としては、このThunderbirdもコンデンサーをチェックしてやろうと考えたのは当然の流れです。

IMG_9652.jpg 裏蓋を外してコンデンサーの足を1本外したところです。このコンデンサーレスの状態で、アンプからの出音をチェックしてみました。するとアンプからは「なんじゃ、これは!?」と驚くほどのビンビンの音が飛び出してくるではありませんか!


 ローからハイまで、グ~ンとレンジの広がった出音で、かつ出力もアップしていて、正しくThunderbirdの“ハンバッキングPU”に私がイメージし、求めていた音です。FenderのシングルコイルPUでは出せない押出しの強さと高音弦の太さは、少しアンプを歪気味にすると更に心地好くなってきます。建国記念Thunderbirdをお持ちの方、即刻コンデンサーを外しましょう!(笑)

 この後に、手持ちの色んなコンデンサーを試してみたのですが、このコンデンサーレスの状態が一番良かったので、このまま裏蓋を取付けようとして内部回路を見ていると「あれっ?」と思う事が・・・。ここからが“秘密”です(笑)。

 フロントPUからはビニール被覆の2芯のシールド線が、そしてリアPUからは網線シールドの単芯線がポットに繋がっています。2本の仕様が異なっているので、どちらかの線が以前に交換されていたのかな?と思ってもみたのですが、よく見ると、ポットへの結線方法も異なっています。チェックしながら回路図を起してみたのですが、2vol+1toneとしてスタンダードな回路のJazz Bassとは明らかに異なるものとなりました。

76tbirdWiredInSeries.jpg そこで、ネット検索を行ってみると、米国のサイトにありました。私の建国記念Thunderbirdと同じ回路の画像で、“76Thunderbird serial”とデータ名があります。


gibsonWiringDiagrams1.jpg 回路図はこちらです。おー、なんと2つのPUが直列(serialに)接続してあります!それぞれのPUのボリューム調整が出来る直列接続の回路は初めて見ました。これで納得の部分があります。それは、このThunderbirdのPUを片方単体で使うととても音が小さいのですが、2つのPUをフルにミックスするとグッと音量が上がるのです。JBの様な並列接続では2つのPUがフルミックス時には少し音が引っ込んでしまいますから・・・。


 トーン回路の話しに戻りますが、トーンポットは100kΩで、Fenderの250 kΩと比べると小さな値です。トーンツマミがフルテン時でも抵抗値が小さければコンデンサーを通過する電流が多くなって、コンデンサーの影響を受け易く(ハイがカットされる)なっています。

76tbirdWiredInParallel.jpg 更に同じサイトにはこの画像もありました。“76Thunderbird parallel”とデータ名があります。


gibsonWiringDiagrams2.jpg 配線は見慣れたJBタイプの並列(parallel)接続です。


76tbirdWiredInParallel Pot これらの画像によると同じ76年でも2タイプの配線法があったという事になります。この並列接続の回路画像のポット部を拡大してみました。配線に一部隠れているのですが、他のポットもチェックすると137 76 15の数字となります。137は製造のCTS社、76は1976年、15はその年の第15週(4月初め)を表します。


 直列接続の回路画像からはポットの番号が判定出来ないのですが、同じ回路を持つ私のThunderbirdのポット番号は137 76 50で76年の第50週(12月終わり)です。

 以上から推測するのですが、76年に再生産が開始されたThunderbirdは年当初には60年代のオリジナル同様に2つのPUが並列に接続されていたのが、同年後半には直列接続に変更されたのではないでしょうか?

 何故、回路変更があったのかという事ですが、再生産のPUは、60年代のオリジナルPUとは構造が異なり、出力が弱かった為ではないでしょうか?以前チェックした64年のThunderbirdのPUはパワーがあって凄い暴れっぷりでした。

IMG_9646.jpg 再生産されたのは良かったものの、弱い出力のPUが並列接続では、それまでのオリジナルを知っているベーシストに受け入れられなかった為に、出力アップを目論んで年途中の回路変更が行われたのでは?と推測します。


 並列接続の回路画像をよく見るとフロントPUからのシールド線は、その後の直列への回路変更を見越しているかのように2芯です。ずっと並列接続のままならば、2芯は必要なくてどちらのPUも1芯でよい筈なので、回路変更の過渡期の仕様と言えるのではないでしょうか?

 以上、半分は私の推測でのエントリー内容ですが、この76Thunderbirdの回路についてこれまでに語られた記事などを見た事が無かったので、私にとってはこのエントリーが“秘密の暴露”となっています(笑)。
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コメント
No title
Bi-Shopさん

ほう、Bi-Shopさんところの鳥達はリアPU主体ですか!?
それをAmpegで歪ます・・・。アリですね(笑)。


べーさん

Fenderの仕様変更については色んな文献で語られているのですが、Gibsonとなると極端に少なくなりますね。
そんなマイナーなところがヲタク心にグッときます(笑)。


たけさん

Thunderbirdもペイズリーも先ずはルックスから入っていくベースですから(笑)。
Thunderbirdは出音は気に入ってきたのであとは弾き心地に慣れるだけです。
次の機会にはお試し下さい。
No title
おもしろいですねぇ。
うちの鳥さんたちはみんなトーンを外してあります。
あと、リアはジャックに直結。
フロントのみボリュームを通っている変則1 Vol仕様です。
このフロントの混ぜ具合でかなり出音に幅が出るんです

おすすめはできませんが……(爆)
No title
F-NIEさんの追求心・・素晴らしいです。
FENDERに限らず、ギブソンも仕様変更が色々あるのですね!!FENDERほどラフでないにしても、色々な変更がマニア心をくすぐりますよね(笑)
No title
サンダーバード弾いたことないですが、良さげですね!前回見せていただいたペイズリーも良かったですが、この手のは迫力ありますね!
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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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