リペアに出していた72JBが戻ってきました。このJBはローポジションのフレットの減りが大きくて弦のビビリが気になったので、私のベースの掛かりつけ医の北九州市のクルースラットに入院させていたのでした。

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 私の依頼は「減りの目立つ1~8フレットまでの部分打ち替えで対応して欲しい」で、ショップとの協議の中で「その様にやってみましょう」との合意を得て、リペアを開始していたのでした。

 ところが、先日「仕上がりました」という電話を受けた際の説明によると、フレットを全て打ち換えて対処した(!?)との事でした。その説明とは・・・。

 8フレットまでの打ち替え後にチェックしてみたところ、ハイポジ起きが目立ってきた。
                    
 これをフレットの擦り合わせで対応したら、ハイポジのフレットがベタベタに低くなってしまう。
                    
 ネックヒーティングを何回か行なってみたけど、しばらく放置していたら再びハイ置きとなってしまう。
                    
 そして、その対処法はと言うと・・・。全フレットを抜いて、ハイポジ部はフレット溝を一旦埋めた後に細目のフレットの溝切を行なってフレットを打ち込んだ。
                    
 つまり、フレットの足(タング)をクサビの様に効かせてネックをハイボジ起きとは逆向きの反りにしたという事。

 ここクルースラットはネック周りの調整の際には、指板を削る事を極力避ける方法をいつも模索し提案してくれています。1週間や10日位でフレット交換を行なうショップでは指板矯正など行なわずに、いきなりベルトサンダーで“ジャー”と指板を削ってストレートにしてフレットを打つそうですが、それって嫌ですよね。一旦削ったら元には戻れないですし、それにネックが反ってきた要因に何らかの手立てを加えた事にはなっていませんから、再びその症状となる可能性があります。

 私も過去にその様に処理されたベースを2本入手した事が有ります・・・(汗)。その2本とも再びハイポジ起きになったのですが、クルースラットにて適切なネック調整を施した後には、現在まで問題なく使えています。やはりネック周りの不都合はその要因にまで踏み込んだ抜本的なリペアをすべきだと実感しています。

 そしてここで気になる工賃なのですが、「預かり期間が長くなってお待たせしたので(事前の説明を聞いて私は理解していますが・・・)、当初の8フレットの打ち換え分の見積内容で結構です」との事。うーん、有り難いです(笑)。

 そして、帰ってきた72JBのネック廻りをチェックしました。66年半ばにブロックポジションマークになった時点で、それまでの細目のフレットからミディアムジャンボに変更になっているので、今回のリフレットも同様のフレットにしています。

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 やはり全フレットが新品というのは気持ちが良いです。66年以降のネック外周にはバインディングが付いているので、フレット足はバインディングの内でカットする必要があり少々手の込んだ作業となるのですが、それも問題なく収まっています。

 そしてクルースラットの仕事振りの良さは指板サイドのフレット端の処理に現れています。ここに鋭利な切り小口があると指に当たって痛いですし、あまり丸みを付け過ぎるとビブラートの際に弦落ちしてしまいます。本当に絶妙な加工に、いつも感心させられます。

 肝心の弾き心地と出音ですが、特定の箇所のビリつきが無くなりどのポジションでも心地良い弦振動になったのが感じられます。60年代前期のベースと比べると、ミディアムジャンボになったフレットの要因もあると思いますが、ネックの木の音というよりもフレットの音を感じる歯切れの良い出音は、フレット打ち換えの前と変わっていません。

 一時はこの72JBの処分を考えて委託販売に出していた事もあるのですが、この度のフレット打ち換えを契機に再び使っていこうかなと考えています。なにぶん私の頭の中ではこの72~73年頃迄が“最後のFender”となっていますので・・・。
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コメント
No title
Yukkoさん

以前、カーボングラファイト製のネックを取り付けていた事があったのですが、左手が凄く疲れた覚えがあります。やはり弾き手が人間ですからベースも同じ有機物の方が、相性が良いようです(笑)。

ただ木は狂いというものが発生しがちなので、日頃のメンテは大切です。この時期は窓ガラス越しでも日光に当たらないようにしたり、汗をかいて弾いた後には拭き取ったりとお手入れしてあげてください。
お帰りなさい♪
退院おめでとうございます(^-^)
名医にかかると凄いですね! やっぱりベースは木製品だった(^-^;と再認識。うちの子はヴィンテージではありませんが、永くお付き合いしたいので今日は丁寧にお手入れしてあげたいと思います。
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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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