先の休日に福岡県北九州市の小倉にあるショップCrew Slutに出掛けて来ました。目的は68TLB72JB77Thunderbirdの3本のリペアーです。ベースに関しては色々とイジる私ですが、ある一線以上はプロにお任せすべきだとの考えで持ち込みをしました。ここ【Crew Slut】は私のお気に入りというか、ここ以外のショップにはベースを持ち込んだ事はありません。

Player.jpg 最新2月号のPlayer誌をご覧になった方は、特集で掲載されている和田玄氏の素晴らしいギターコレクションを見て驚かれたと思いますが、そのギターの殆どがここで修理・メンテされているそうです。ベースコレクションでカール・レイドルのベースのコピーモデルが掲載されていましたが、これは持ち込まれたのはネックのみで、あとはボディから作製したそうで、参考写真を見ながらの作業は苦労が多かったと【Crew Slut】の社長さんに聞きました。今も和田氏からラージヘッドのストラトのネックが持ち込まれていたり、アコギの修理をしていたりとの事でした。

 時々ここ【Crew Slut】に出向く私の一番の楽しみは社長さんとの会話なのです。卓越した技術もさることながら、ビンテージに関しての造詣も深くて、話をしていても尽きることはありません。今回も作業していた手を止めていただいて、一時間近く色々なお話を聞きました。その沢山聞いた話の中から、おそらく皆さんはご存知でないと思われる調整方を一つご紹介します。

 私の72JBをチェックしていた社長さんはおもむろにプラスドライバーで、ネックジョイントのネジを緩めはじめました。弦をチューニングしたままだったので驚く私を横目に、「ボディの鳴り具合が気になったので・・・」との事。

DSCF5000.jpg 実はデタッチャブルネックの場合、ネックポケットの加工とジョイントビス穴の位置が適正でなくて、ネックエンドとボディの部分(画像黄線部分)が充分に接していないベース(ギターも)が多いとの事です。そこでチューニングはそのままでネックジョイントビスを“少し”緩めて、弦の張力でネックをボディ側に引っ張ってからビスを締め込んで固定するのです。

 ベースによっては、ビスを緩めたら“コンッ”と音がしてネックエンドがボディに当たるものもあるそうです。こうする事によって、ネックの振動がボディに伝わり易くなるそうです。うーむ、なるほど・・・、ネックポケット底面だけではなくて、側面も鳴りに活用するのですね。

 これを参考にして、実際にやってみようと思う方にアドバイスです。ベースはネックの重量が余分な方向に掛からないように垂直に抱えて、様子を見ながらネックジョイントビスを少しずつ緩めて下さい。全てのベースのネックがコンッと動くわけではありませんので、弦の張力によりネックをボディ側に引き寄せた感があったら、ネックジョイントビスを締め込みます。正確にチューニングしたベースをこの作業後にチェックしてチューニングが下がっていたら、ネックが引き寄せられたという事になります。勿論、その後にオクターブピッチの調整も必要となります。以上、あくまで自己責任においての作業をお願いします。

 「では、4弦ホーン側のネックとネックポケットの隙間は?」と質問する私に、「逆にここはあまりタイトに組み付けると4弦ホーンに振動が伝わって、デッドポイントが発生する要因になり易い」との答え。

 さらに「スタインバーガーがデッドポイントが無いと言われるのは四角いボディでホーンが無いから」、そして「セットネックでもダブルカッタウェイよりシングルカッタウェイの方(ギターで例えるとGibsonレスポールTVモデルJr.の違い)がデッドポイントが少ない」そうです。

 ふーむ、なるほど×2・・・。ホーンの形状が音叉に似ているので、余分な振動(共振)が発生し易いのですね。今まで、ベースを弾いて4弦ホーンから自分の腹に伝わる振動を“鳴っている”と感じていた私は目から鱗・・・でした。そんなこんなで話をしていたら一時間くらいはあっという間に過ぎてしまいました(笑)。

 おっと、今回リペアーをお願いしたベースに関してですが、私の想定外のプロならではのリペアー方法を提案していただいて、安心して預けてきました。一ヵ月半後のリペアー終了が今から楽しみです。仕上がったら、勿論こちらでご報告します。
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コメント
まらおさん

コメントをありがとうございます。
ニコイチの場合は組み付け加減で隙間が発生する事がありますから、この方法で密着出来たのなら良かったですね。
「気になるところを気にしないのがロック」と長年自分に言い聞かせるのは精神衛生上よろしくないと思いますので、どうか自分の相棒の状態をいつも気にしてあげてください(笑)
ありがとうございます!!
お気に入りのニコイチジャズベ(フェンジャパとナビゲーター)のネックポケットのわずかな隙間が長年気になりつつも、「そんなこと気にするのはロックじゃない!」と自分に言い聞かせてスルーしてきたのですが、ご紹介いただいている方法を試すと隙間はなくなりました!ありがとうございます!!
No title
ユウスケさん、いらっしゃい。

ネック調整、されましたか。
実はこのコメント以外に私に直接メールで調整結果を知らせてこられた方が何人もいらっしゃるのですが、皆さん良い鳴りを得たとの事です。(ギターも含む)
何も変化が無かった方は別に結果報告はされないでしょうけれど・・・(笑)。
どちらにしても、やってデメリットは無い調整方法と思います。

そしてユウスケさんもAmpeg使いですか!これは一度ハマるとなかなか抜け出せないですよね(笑)。

又のコメントをお待ちしています。
初めまして
初めまして、今回初めてコメントさせて頂きます。
陰ながらもとても参考にさせて頂いたり勉強させて頂いております。

今回ご紹介されていた調整方法にとても興味ありまして、早速行ってみました。
自分のベースは特定のリペアマンにちょくちょく見てもらっているので大幅なズレなどは無かったのですが、チューナーでの反応はしっかり出ました!
おっしゃってるようにほんの少しではありますがチューニングが下がりました。
改めてチューニングし直して弾いてみると確かに違う・・・。
こういう些細なものが実は大事だったりするんですね。

今後も楽しく拝見させて頂きます!

余談ですが、自分もampegのSVT-VRをメインに、RECではビンテージのB-15を使うampeg好きです。笑

失礼しました。
No title
スタックさん
効果ありでしたか!

私も先程、手持ちの61JBでやってみました。
この61JBは自分でネックポケットの塗装ダレをフラットにしたりして、組付け精度には自信があったのですが、ジョイントビスを緩めると共に、“ビキッ”という音がしてチューニングメータのポイントが2~3下がりました。
ビス締付後は生音が明らかに大きくなりました。

いやいや、(今さらですが・・・汗)これは良い調整法ですね(笑)。
No title
やってみました!
例によってコンという音は鳴りませんでしたがチューニングは下がっていましたv-218
感じの音の変化については一言で言うとふくよかになったといいますか、ボディ全体で鳴らしているような印象でとてもいい感じです!私もベースの調整は自分でやるのでネック調整後には必須ですね。
No title
スタックさん、いらっしゃい。

そうです。普通にチューニングした状態で各ネックジョイントビスを少しずつ均等に緩めてください。
4弦ベースの場合は弦の張力の計が60kg以上ありますので、大人1人の体重でネックを押し込むのと同じ事になるので、甘い組付けの場合はネックがボディ側に動きます。
全てのベースのネックが動く訳では無いですので、ジョイントビスが抜ける程に緩め過ぎると大変な事になりますから、注意して作業を行ってください。

余談ではありますが、お話を聞いたリペアショップによると、ネックポケットの底を平らにしたり、ネック取付アングルを調整したりする作業の流れの中での今回の“ビス緩め”ですので、“鳴り”を追及されるならプロに任せるのが賢い選択と思います。
ただ、アマチュアにとってはドライバー一本で簡単に出来るこの方法は試してみる価値はあると思います。
あまりネックが動いた感はしなくとも、「これでネックをしっかりと押込む事が出来た」と考えるだけでも、精神的に気持ち良い結果になります(笑)。
No title
こんにちは。いつも楽しく&とても勉強させて頂いています。
ネックジョイントの調整法とても参考になり是非やってみようと思うのですが、要は普段弾いているときの状態でビスを緩めればいいんですよね・・?すみません心配性なもので確認しておきたくて・・・。
No title
たけさん
いつもコメントをありがとうございます。
先程メールをさしあげました。
No title
どうもです!
今回もまたいい話を聞かせていただいて感謝です
~♪やってみますね!
ところでもしよろしければ九州の楽器屋さんのことでお伺いしたいのですが、公開で記載するのは憚られますので、お時間のある時にメール頂けると幸甚です。すみません。
No title
べーさん
遅まきながら、私も1本やってみました(笑)。
うーん、なんだか確かにボディ鳴りは豊かになりました。
他のベースもやってみようっと。

マチャさん
アンプにつないだまま・・・というのがマチャさんらしいですね。
そうですねマル秘にしましょうか?ってもう遅いですよね。
今夜は全国のあちこちでネックからコンッて音がしていそうです(笑)。

僕も、早速やってみました

変わるもんですね

コッとはいかなかったんですが、明らかに振動が変わってました

深いですよね
No title
早速、やってみました。アンプにつないだままですぐに音を確認できるようにして。
変わりました v-63
デッドポイントが凄く軽減されました。個体によって効果の度合いは違いますが全て良くなりましたよ。
これは目から鱗 v-416 です。
v-319 にしたいくらいですね。
イイ情報をありがとうございました。
No title
T’sさん
以前、T’sさんのブログで和田氏のバンドを紹介されていましたね。
クラプトン関連だったら、ギターにもベースにも凄い情熱を傾けている方なのですね。敬服します。
その和田氏のオーダーに答えるCrew Slutの技術&知識もなかなかなものでは?と考えます。


マチャさん
4弦ホーンが鳴ると全てが悪いというのではなくて、デッドポイントを引き起こす要因となる場合が有るという事なのですが、お腹に振動が伝わると確かに鳴っている感じがして気持ちは良いですよね(笑)。


お二人とも注意しながら、この調整方法を試してみて下さい。私もやってみます。(←って、実は未だ自分じゃやっていないのです・・・汗)
カール・レイドル 追伸
カール・レイドルの件ですが
実際は66PBのボディー(ネックも含め全体で)
66JBネック両方用意されたそうですが
66PBのもともとのコンディション。
楽器としての完成度が高いので
二個一にするのは止めたそうですよ。。
(一時は二個一で組まれてましたが。。。)
66JBのパドルペグにもこだわってましたね・・・笑
W田氏のビジュアルで拘るだけでなく
演奏や次代拝啓まで拘ったバンド活動は
いつも尊敬しております。
W田氏は。。。
W田氏は広島の東と西ですがバンド単位で
お世話になってております。
ギターのコレクションも凄いですが
本業でないベースも、、、えっ?これ
OLD? タイムマシンシリーズじゃないのって
程綺麗なベースコレクションをお持ちです。
ぶっ飛びますよ。。。(笑 
私も上のテンションかかった状態で
65PBやってみますね。。。多分奥まで
入ってると思うけどな。。。自分で数回
差し替えたので。。。(笑
No title
このネックジョイントの調整法は初めて聞きました。私も4弦ホーンから自分の腹に伝わる振動を「鳴っている!」と思ってたんですよ(笑)
近いうちにやってみます v-28
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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