IMG_2536.jpg ネックの修理の為に北九州市小倉のクルースラットに64Thunderbird Ⅱ→Ⅳを持ち込んで、その修理方法を社長さんと相談した際に「ネックの反りは指板とネックの剥離が原因」と瞬時に判断した社長さんが、その後で腕組みをしながら「うーん」と考え込んで見つめていたのは、こちらのブリッジ部でした。


IMG_2553.jpg オクターブピッチ調整ができないので、私がブリッジサドルをブリッジプレートの枠外に取り付けていたのが気になったようです。そして一言「これは何とかしたいですね」どうやら社長さんの“リペア魂”に火が付いてしまったようです(笑)。


 私としては、ネックの矯正についてもっと細かく打合せを行いたかったのですが、社長さんの頭の中では既にネックのリペアは完了していた様子でした・・・(汗)。こうなれば私も嫌いではないので(いやいや大好きなので 笑)、社長さんと私とでサドルの改良方法についてのやり取りが始まりました。

TB-BG.jpg このショップは“無いものは作る”というスタンスで、木材加工は元より他のショップは殆ど手を出さない金属加工も得意の範疇となっています。ショップでの私とのやり取りで新たなサドルの作製を考えてみるということとなり、後日メールで送られてきたサドルのイメージ図が左です。


 ヴィンテージのThunderbirdでは合わないオクターブピッチ調整の為に、現状のブリッジプレートはそのままで(これは私のリクエスト)、リアピックアップ側に跳ね出したLの形状をしたサドルで弦を支持するというアイデアで、端的に言うと“ツバ出しサドル”です。このイメージ図でゴーサインを出した私の追加のリクエストは「ヴィンテージベースに違和感無く馴染むルックス(形状)」でした。

IMG_7502.jpg もう一つの私のリクエストは、ヴィンテージのリバース(上2枚の画像)には無くてノンリバースのブリッジ(左画像)にはこうしてあるのですが、オクターブ調整ビスにスプリングが取り付いているので、このリバースのブリッジも同仕様にする事です。




IMG_7545.jpg そして出来上がりの画像がこちらです。うーん、なかなか違和感無くサドルが収まっているのではないでしょうか?サドルのトップがなだらかな曲線を描いているのは「ブリッジ後ろのテールピースの曲線をトレースした」という社長さんの説明で納得した私です。


IMG_7533.jpg アルミ材を削りだして作製されたサドルは一個一個が高さやビス穴位置が異なり、ワンオフのハンドメイド感がムンムンと漂っています。真上から見た状態でブリッジ前に装着されたミュート金具のピッチに合うサイズで、弦溝は現物合わせで19mmのピッチで掘られています。


 この弦溝切りのおかげでベース弦の大きな揺れがガッチリと受け止められるようになり、オリジナルのルーズな作りのサドルと比べるとブリッジ部での弦振動のロス感は明らかに減少しています。

IMG_7513a.jpg 又、これまでの私のセッティングでは、サドルがブリッジ枠外にビス1本で固定されており、何かの拍子にビスを中心にしてサドルが回転して傾く事があって、時々は傾きの修整を行っていたのですが、この度の改良サドルはブリッジの底部と立上り枠の2ヶ所で支持されるように形状が決められているので、これまでとは比較にならない程に安定感が増しています。


IMG_7546a.jpg そして、これが今回改良サドルをオーダーした一番の理由なのですが、オクターブピッチが完璧に合うように調整可能となり、その“調整代”も十分にあります。


 細かな事ですが、オリジナルではオクターブ調整用ビスには袋ナットが取り付いていたのですが、これを再び取り付けようとすると大き目のナットの外周がサドルのツバ出し部と干渉したので取り付けを中止しました。リクエストでビスに取り付けられたスプリングが効いているので、ナット無しでもビスが緩む気配はありません。ショップからも「スプリングを強めに効かせているのでナットは不要です」と聞かされていました。

 軽量のアルミのサドルとなった事でアンプからの出音が気になったのでチェックしたところ、弦が新品になっている要因で幾分か明るめの出音となっていると感じた程度で、フレットの打ち替えや改良サドルに因るマイナスの音質変化は感じられなかったです。そして上述したようにブリッジ部での弦振動の安定感が十分にあるので、ハムバッキングピックアップの太さはありつつも音像が崩れずに、指弾きでも埋もれない塩梅良い出音です。このベースで行う事は殆ど無いのですが、実はチョッパーもかなりイケています(笑)。

 以上、改良サドルが好結果となったとの報告を行ったのですが、オリジナルのサドルでも感じていた不満点が残っています。それはブリッジ全体の上げ下げしかできなくて、各弦毎の弦高調整ができない点です。サドルを前後させてオクターブピッチ調整を行うと各弦の弦高のバランスが狂うのも他のブリッジと同様です。しかしこの不満点を解消するには超精密な金属加工ができる設備が必要となり、作れたとしてもヴィンテージなルックスにはそぐわないメカニカルなサドルになるでしょうから、現実問題としてはこの度の改良サドルで満足して良いと思います。既に好みの弦高となるように自分でサドルの溝切りを行っていますので・・・(笑)。



 弾き易くなったネックと改良サドルとの複合効果で、これまで私が不満に感じていたヴィンテージのThunderbirdの難点が(上記を除いて)一気に解消されて、最高のコンディションとなっています。

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コメント
すわべさん

個人工房で加工できるとなったらアルミとかブラスになりますね。
この度のサドルはアルミ製なので、私もすわべさん同様に強度を心配したのですが、何ら問題無しです。
ただしサドルトップで弦が滑ると直ぐに擦り傷が付くので、取り扱いには気を使っています。(傷が付いてもペーパーとコンパウンドで消せるのですが・・・笑)

>オリジナルのルックスとは全く違ってしまったのは仕方ないと諦めております
やはり加工したものは見栄えが変わってしまいますね。
今回のサドルはそこをギリギリのところで対応していただいたと感じています。
アルミでこの形だと弦のテンションで変形してしまうんじゃ・・・と思ったら、ブリッジベースのフランジに乗っている形なので心配ないですね!

私所有のベースだと、ダンアームストロングのクリスタルベースがオクターブ調整が大まかにしか出来ず、弦高も調整出来ませんでした。
(再生産モデルなのでブリッジはオリジナルと違う形状なのですが)
フェンダータイプのブリッジを加工して調整出来るブリッジを製作しております。
オリジナルのルックスとは全く違ってしまったのは仕方ないと諦めております(苦笑)
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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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