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 Thunderbird ⅡをⅣ化するのに最も重要なパーツのリアピックアップについてです。その選定基準としては先にエントリーしたように“ピックアップケースがニッケルメッキ”、“フロントピックアップよりも高出力”の2点があります。

 手持ちではダンカン・カスタムショップのピックアップがあるのですが、これはフロントとリアのペアなのでバラして使うのは勿体無いのと、別のThunderbirdのコピーモデルに搭載してこれはこれで良い音だったので、そのままにしておく事にしました。

 新たに購入するとなると知る限りで4つのメーカーの候補があるのですが、どれもかなり高額なものなので「買って気に入らなかったらなぁ~」と即決とならない状態でした。メッキがクロームのみのメーカーもありました。そんな時にe-Bayで見つけたのがこちらのピックアップです。

e-Bay TB pu 1         e-Bay TB pu 2


 メーカー名は記載されていないのですが、フロントとリア用でコイルの巻き数に差がある2種類がラインアップされ、更にニッケルとクロームのメッキ違いも選択できるという事で、私の要望通りのピックアップです。その価格を見て驚きました。何と1個50.6ドル(約5,500円)です。お安いですね。商品説明を読むと中国製との事で納得しました。

Montreux TB pu ただし、このピックアップの画像を良くみると、これは日本国内で(もっと高額で)販売されているモントルー・ブランドのものと同じものでは?と思われました。裏面に貼られたRoHSのシール、配線の熱収縮チューブの被せ方、裏蓋の半田付け方法、そして抵抗値等々が同じなので、そう判断(あくまで私の判断です)しました。現在のモントルーのHPの画像ではシールが剥がされているので、左画像はヤフオクで拾ったものです。


 シールにあるRoHSというのは“電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令”をあらわしているので、このピックアップはヨーロッパのPUメーカーが設計して中国で作らせたものをモントロールブランドで販売しているのでは?、そしてe-Bayで販売されているのはこのピックアップの“横流し品”では?と想像が膨らみます。(繰り返しますが、あくまで私の想像です)

 となれば、安かろう悪かろうではないのでは?と考えて、e-Bayにてニッケルメッキカバーで抵抗値9.2kΩのノー・ブランドのピックアップを入手しました。

IMG_2477a_20160620191036225.jpg 画像左からⒶ64年オリジナル、Ⓑノー・ブランド、Ⓒケースのみ(クロームメッキ)です。Ⓑノー・ブランドには入手後に加工を施しています。


 これは私が推測している事なのですが、現在新品で入手できるThunderbird用のリプレースメント・ピックアップのケースは全て同じ金物メーカーが作っているのでは?と思うのです。オリジナルのピックアップケースよりも現行のケースは縦×横×厚みがほんの少しずつ大きく、取付けビス穴の径は小さいです。又、折り曲げ角のアールが大きくてピックアップ表面が膨らんでいるかのように見えます。

 Thunderbird用のリプレースメント・ピックアップのみを作っている米国の専門メーカーThunderbuker Ranchのサイトにはこう記されています。『Our pickups, are 3.65" x 1.59". Vintage Gibsons are approximately 3.63" x 1.56"』訳すと『私たちのピックアップは、3.65"×1.59"(9.27cm×4.29cm)です。ヴィンテージギブソンは、約3.63"×1.56"(9.22cm×3.96cm)』となります。

IMG_2478a_201606201912006e9.jpg 私が入手したⒷノー・ブランドもこのThunderbuker Ranchのものと同寸だったので、オリジナルのサイズに近付けるべく手を加えました。縦×横はどうしようもないので、厚みは底面を削り落して薄くして、ケーストップの取付けビス穴の径を拡げました。左画像は厚み調整後のもので、元はⒷとⒸは同じ厚みだったのですが、Ⓑの厚みを1mm削ってⒶと同寸にしています。


 外周が網線のシールド配線も60年代の網線に近いものに交換しています。メッキの擦り傷や曇りの加工はなかなか難しいので、ペーパーとスチールウールで傷付けた後はこれからの使用による痛みに期待するという事にしておきます・・・(汗)。

 テスターで測定すると、Ⓐオリジナルのフロントピックアップの内部抵抗値は8.4kΩ、Ⓑノー・ブランドはカタログでは9.2kΩだったのですが実測値9.65kΩでした。良好なピックアップバランスとなりそうな期待を抱かせてくれる数値です。

IMG_2466a_20160620191431144.jpg         IMG_2470a_201606201914318d2.jpg


 Ⓐピックアップをこのようにボディーから取り外ししているのには、回路変更を行う為とは別の要因がありました。私はThunderbirdを弾く際はピックを使用しているのですが、そのピックでⒶピックアップのカバーを叩くと“コン・コン”とアンプから結構な音量で打音が聞こえていたのです。これを防ぐ対策ができないものかと、ボディーからピックアップを取り外して検討してみたのでした。

 ピックアップ裏面のスチール底板を固定用のハンダを溶かして取り外しかけたのですが、ハムバッキングの2個のコイルはピックアップカバーに粘度の高いグリス状の充填剤で取付けられており、コイルの摘出は断念しました。ただし底板を再取り付けする際はCクランプでカバーと底板を締め付けてハンダ付けを行ったので、空隙が減少したのかピックでの打音が減少しています。この作業中は緊張の連続だったので、写真はありません(汗)。



10556a.jpg こちらは、最近e-Bayのオークションに出品された1964 Gibson Thunderbird IVで、極レアなカスタム色“Frost Blue”です。 即決価格は100,000ドル(約10,800,000円)です。「ふーん、百万円か」と思ったアナタ、桁が違います(笑)
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コメント
サイハテさん

ありがとうございます、なるほど...てっきり保管の仕方や使用環境などと思っていましたがヘッドトップだけ焼けが進行するのはおかしいので、そう推測するのが自然かもしれませんね。
サイハテさん

なるほど、それもあり得ますね。
私の考えるところは、ベースの色を塗ってから黒に塗り分けた際にマスキングテープの跡を目立たないようにする為のクリアーラッカーかと・・・?

ともあれヘッド周りだけでも、細かく手が込んだ仕事をしていますね。
これだから、原価が高くなり採算が取れなくなって、ノンリバに切り替わったのでしょうね。
バードオンワイヤーさん

横槍ですいません(汗)
ヘッド・トップのみ色焼けしているのは、恐らくヘッド・トップのみクリアーを吹いているからだと思います。
その当時のカスタム・カラーはクリアーと着色が混ざったものを吹いていて、ヘッドの黒い部分だけクリアーが混ざっていない為、着色後ヘッド・トップのみクリアーを吹いたんじゃないかと。
僕のホワイトのノンリバが全体的に判艶なので、多分そうじゃないかと。
あくまで憶測です(汗)
バードオンワイヤーさん

64ブルーは900万に下がってオークション取り下げになっていますね。
最初から売る気(売れる気)が無かったのでしょうか?(笑)
ピックアップとブリッジのカバーがクロームメッキなのか?空が映りこんで青白く光っているのが気になります(64年はニッケルメッキ)、同じく買えないですけど(汗)。

Thunderbirdの価格はⅣがⅡの倍、カラーは更にその倍になる感じですね。
Ⅱをなんとか入手して、Ⅳにしようとしている私の考えがお分かりかと思います。
カラーは変えませんけど・・・(笑)

もうしばらくは続きます。最終章までお楽しみください。
アっそれ!現在900万に値下がりしています、アメリカでもやはりカスタムカラーですと値段が倍になりますね。

それにしても白、ブルー共にヘッドトップ面が異様に焼けすぎなのが気になります、まぁ...買えないですけど(泣)

以前コメントした神レアのノンリバⅣは、どミントでカスタムカラーゴールドの鼻血モンな値段は確か諭吉様400人、8時だよ全員集合!位だったと思います、試奏の試の字もブッ飛んじまう正に黄金郷(エルドラド)でした(汗)

最終章まで楽しみにしています。
shinmei_tさん

ピックアップの音源がアップされているメーカーもあるのですが、オリジナルのフロントと音量バランスや音色がマッチングするか否かはやってみなければ分らないので、未だ道半ばではありますが、今回のノン・ブランドのピックアップはなかなかの好印象でした。

ピックアップのコンコン音は、ネックリペアに出したショップに相談してはいたのですが、無処理で帰ってきたので、別ショップにポッティング依頼しようと思っていました。
その前にコンコン音を良く聞いてみたらピックアップカバーと内蔵コイルとの間に隙間があるっぽかったので、バラしかけたのです。

実は先行でノン・ブランドのピックアップをバラしたのですが、そちらは問題無しでバラしが出来て、カバーとコイルの隙間にシリコンを充填してコンコン音を止めています。

これをオリジナル・ピックアップでやりかけたら大変だったという次第です。完璧にではないのですがコンコン音は減少していて、かつ私はリア・ピックアップ付近をピックで弾いているので実際の使用上での問題は無いという状態になっています。
サイハテさん

リア・ピックアップはいつの日かオリジナルの物を入手したいという思いがあるので、現時点ではお安く入手できるこのノン・ブランドの物を選びました。メッキと抵抗値が選べるのも良いですね。

e-Bayには最近までリヴァースの白のⅡが3百万円で出品されていたのですが、一気に1千万円ですからね(汗)
万人のプレーヤー向けとは言えませんが、希少価値としてはThunderbirdがJBを超えていく感があります。
ピックアップ選択、勉強になりました。
しかしオリジナルピックアップをバラそうとするたり、チャレンジャーっすね…w。コンコンいうのはコイルの巻きが緩いせいですかね。一般的にはポッティング処理で対応するでしょうのが、出来ませんもんね。改善はされたようで何よりです!
流石ですね!
PUの件、実は僕も全く同じ推測です。
以前から気にはなってましたが、まさかもう購入されてるとは(汗)
フロスト・ブルーのサンダーバード、憧れますがあの価格は…。
初めてエレキベースで1,000万越えるものを見ました(汗)
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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