訳あって、今回のエントリーは内容をあまり詳しく記述できないので(画像も無し)分り辛いと思いますが、ご勘弁を・・・。以下○○の中に適当な文字を入れながらお読みください(汗)

 先日、知り合いから「楽器屋に出物のベースがある」との連絡がありました。聞けば「ヴィンテージ○○○derベースで○○年製の○○モデル、スラブボード指板で、○○色のカスタムカラー」という事で、大いなる興味を持ってその楽器屋に試奏を行うべく出向きました。

 ハードケースから取り出された“ブツ”を先ずは目視点検しました。ヘッドのナット部に見える指板の接合部からスラブボード(平面)貼り指板が分りました。その指板やネック本体、フレット、ペグ等の状態は良くて合格点をあげられそうです。

 ネックをチェックする為にショップのスタッフさんにネックを取り外していただいたのですが、ネックエンドには鉛筆で○○-○○と製造月/年が書かれていました。ボディー側のネックポケットにも同様の記入があり、ボディーとネックはペアリングしていました。

 カスタムカラーに塗られたボディーにはウェザークラックが入り風格はあるのですが、大きな打痕は少なくて、これまで丁寧に扱われてきた事が伺えました。ボディーに取付いているブリッジやピックガード等のパーツもヴィンテージに間違いは無く、特にピックガードは50数年を経ているのに係わらず基材の収縮によるヒビ割れや欠け等の無い良い状態でした。

 ピックアップは表面から見る限りオリジナルに見えたのですが、ここは当然の事、ボビンを確認したくピックアップを外していただきました。ピックアップを裏から見るとブラックボビンで、オリジナルでした。ピックアップ下のウレタンフォームはオリジナルの上に追加でスポンジが貼ってありました。

 うーん、これまでのチェックでは全てのパーツがオリジナルで、しかも良い状態でした。「これはイクしかないかな・・・?」と考えていると、「あれれ?」と思われる箇所が目に入ってきました。ピックアップを外す際に、ピックガードが収縮していてピックアップが外し辛かったので、ピックガードも取り外したのですが、そこに隠れていた箇所が不自然だったのです。

 もったいぶらないで説明します。ピックアップキャビティーとコントロールキャビティーの2つのザグリを繋ぐ配線用のザグリがボディー表面にあったのです。「えっ・・・?、この年代ではザグリではなくてドリル穴を貫通させてリード材を通していたはず、という事は、ボディーは別年代の物?」

 そうなのです。ボディートップに配線用のザグリが掘られたのは74年頃からなのです。このボディーを疑い始めて細かくチェックすると以下の箇所が70年代の仕様である事が分りました。

■ ネックポケット1弦側の補強用コブが無い
■ 4弦側にサムレスト用ビス穴が開いている。
■ トップ&バックのコンターカットが少な目
■ ボディートップはウェザークラックが入り易いラッカー塗装だが、塗装が剥げた箇所から見える下地塗りが硬いポリ塗装

 ここまで要素が揃うと、もう断言できます。「このボディーは70年代中期製、それもアルダーなので74年に間違いない!」

 このベースを委託販売されていたショップはこれまでこのベースをメンテされてきたのですが、この事には気付いていなかったようです。そしてこの後に、販売委託されていた現オーナーにショップが問い合わせしたところ、現オーナー、そしてその前のオーナーも知らなかったとの事でした。

 ここからは推測ですが、70年代中期にこのベースが中古でアメリカから輸入されて、日本でのファーストオーナーが入手した時点で既にこの状態だったのでしょう。そして、そのファーストオーナーと譲り受けたセカンド(現)オーナーが所有していた40年間は、どなたも疑うことなくオリジナルのヴィンテージベースとして弾き続けられてきたのでしょうね。ネックポケットに鉛筆書きされた○○-○○の製造年を信じて・・・(汗)

 現オーナーが緊急で放出したいという事で相場よりもお安い価格設定ではあったものの、この状態で私が購入して後で嫌な思いをする事には至らなかったのですが、現オーナーにとっては価値を下げる判定をしたのが申し訳なかったとの思いもあります。

 かく言う私もこれまで、ヴィンテージベースを入手した後に、パーツがオリジナルでなかったのが分かったケースが多々あります。良いヴィンテージベースに出会うのは、“ご縁”と“見る目”が不可欠のようです。



 追記 今回のベースですが、試奏した際の出音、弾き心地は紛れも無くヴィンテージベースでした。出音の3大要素を重要な順に挙げると、ピックアップ→ネック→ボディーとなるのでは?と常々考えている私ですが、今回のベースはその上位2要素が揃っていたという事で出音の良さに繋がっていたものと思われます。(弾き心地の最大要素はネックと考えています)今回、計らずもボディー以外は全て60年代というベースを弾く事ができて、この考えが間違いない事が確認できたのは良い経験でした。
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コメント
すわべさん

現在、フルオリジナルというヴィンテージベースは希少で、楽器としては使えないですよね。(=購入もできない 汗)
弾き続ける為に消耗パーツが交換されているのは致し方ないですし、リフィニッシュも“あり”と思います。
すわべさんの65PBもオリジナルパーツがあれば、一定の評価となると思いますよ。

ただし、ネックやボディーの主要パーツのすげ替えは、私的にはいただけませんね(汗)
なぜこの様にボディーが替わっていたのか?を考えてみました。
① ベースを床に落としてボディーが割れたので交換した。
② 2本の盗品ベースを足が付かないようにパーツ交換した。
③ ボディーに銃弾が撃ち込まれたので(どこかで聞いたような話・・・笑)交換した。
等です。
輸入販売時にボディー交換歴がオープンの話になっていないようなので、なにか怪しい匂いがします(笑)
shinmei_tさん

このベース、期間限定の特価となっていて、複数のベーシストが金策に走っているとの事で、私も試奏しながら「あれとこれを処分して・・・」と頭の中で電卓がフル回転していました(笑)
こんな時は細かな事が目に入らずに、(特にこのベースはネックがすこぶる良かったので)99%イキかけていました(汗)
最後の最後にボディーの仕様に疑問を覚えてブレーキが掛かったのは幸いでした。

shinmei_tさんの最重要ポイントがネックというのも良く分ります。私も“弾き心地”を考慮したらネックが一番になります。
そして最近はリプレースメントPUもかなり良くなっているので、PUがダメなら交換も“あり”の話ですから。
私所有の'65PBは以前のオーナーによって塗装が剥がされて、ナット~フレット~ポット~ジャックなどの交換
(奏者的には、ありがたい内容なのですが)が有った為に格安でした。
これらは販売していたお店の方で検証済みで、当時の相場(フルオリなら私のバイクより高価い!)の半額程の値付けでした。

私が入手した後、ガタが来ていたペグをGOTOHに交換(ネジ位置が少しズレているのはF-nieさん検証の通りです)
著しい変形をして割れも発生していたピックガードをモントルーの物(ちょっと似せ方が甘いが)に交換しています。

もし私が手放した後にこの辺はマイナス評価になるんだろうなぁ・・・
なお、各種カバーと私が交換した部品は一応保管してあります。
怖いですよね、こういうの。とくに高額ヴィンテージの場合にはおっしゃるように目利きができないと、過失であれ故意であれ、高掴みさせられる可能性はあるわけで…。オーナーは気の毒ですが、やはり適正な価格にするしかないように
思います。ネック、ピックアップがオリジナルであれば、そこそこいいお値段は付けられるとは思いますので。
ちなみに私は最近、ネック→ピックアップ→ボディの順番かもw。
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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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