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 Vestax BV-Ⅴのオリジナルの内蔵プリアンプは1990年代製ということで、当時のアクティブ回路臭さが漂うとてもストレートでガチッとした印象の出音です。私の好みの出音はもっとナチュラルなものなので、以前のレッドのBV-ⅤにインストールしていたHUMPBACK engineeringのプリアンプ1×1をこちらに移植しました。

IMG_3975a.jpg 取り外したオリジナルプリアンプ(左)とこれから取り付ける1×1(右)です。オリジナルではポット別に計4枚あった基板は、1×1ではコンパクトな1枚となっていて、20年間の電子回路の進化を表しています。

 導電塗料が塗布されていないバッテリーキャビティーの底には、ボディートップ面のメイプル材のトラ杢の裏側が見えています。


IMG_3976a.jpg インストールした1×1を通過した出音をチェックしました。発音の立ち上がりが早く、雑味の無いナチュラルな出音です。Trebleを絞るとパッシブトーン的に高音が減衰するのが良い感じです。




IMG_3977.jpg 上の状態でしばらく使っていたのですが、そのナチュラルさに飽きたと言うか、Middleのコントロール(少しのブースト)が欲しいなと感じてきました。そんな折、ネットでこちらの中古パーツを見掛けたので入手しました。


IMG_3978a.jpg JBのコントロールプレートに3バンドEQコントロールのAguilarのOBP-3が組み込まれたものです。狭いスペースに、アクティブ・パッシブ切替えスイッチ付のマスターボリューム、PUバランサー、BassとTrebleの同軸2連トーンポット、Middle用トーンポット、そして400Hzと800HzのMiddleのコントロール周波数切替えスイッチがびっしりと組み込まれています。


IMG_3986.jpg これをバラしてBV-Ⅴのコントロールキャビティーに取り付けました。アクティブ回路ではキャビティー内が蜘蛛の巣状の配線になるケースが多いのですが、入手時の配線材が既に短かったので配線の引き回しを熟考し、OBP-3のブラックボックスの下に配線が隠れるように纏めています。


 又、Middleのポットを周波数切替えスイッチ付の50kΩに替えていて、4個のポット全てが複合機能タイプになっているのですが、上記の配線の工夫により、多機能のアクティブ回路とは思えない程にスッキリとした収まりになっています。

IMG_4341.jpg ボディートップでは、BassとTrebleを同軸でコントロールする為にスタックノブ(2段ツマミ)となっているのがこれまでとの変更点です。スタックノブをあまり目立たせたくなかったので、下段の黒の金属製ツマミは背が低くて直径が小さいWarwick用を流用し、上段の木製ツマミは下側をカットして全高を低くしています。その2つのツマミの長さと内径に合わせてスタックポットの軸も加工しています。


IMG_4342b.jpg ヴォリュームとMiddleツマミを引き上げると、それぞれがアクティブとパッシブ切替え、Middleのコントロール周波数が400Hzと800Hzの切替えとなります。ツマミの引き上げ時に頭が揃うようにスタックノブの高さ調整をしているので、引き上げたままでの使用でもルックスに違和感はありません。


 これまで所有してきたVestax BV-Ⅴでは常時アクティブ回路を経由した出音だったので、この度初めてパッシブでピックアップの素の出音を聞いたのですが、とてもストレートで癖の無いものと感じました。

 Aguilar OBP-3は回路内部でのゲイン調整機能はないのですが、アクティブ時でもパッシブ時と音量と音質はほぼ変わらずで、細かく言うとアクティブ時に低域~高域のレンジが少し広がるように感じました。アクティブ回路にバッテリー切れ等のトラブルが発生した際に、バックアップ用として十分に使えるパッシブ音です。

 私としてはアクティブ時にMiddleをほんの少しブーストした状態が好みの出音となるのですが、ここでMiddleのコントロール周波数を400Hzと800Hzとで選択できるのはとても有効です。BassとTrebleはフラットのままで、中低域をふくよかにしたければ400Hz、中高域で歯切れを出したければ800Hzに切り替えています。

 実はパッシブでのトーン調整も行ってみたくて、コントロールキャビティー内にパッシブトーン回路を簡易的に組み込みしたのですが、それだけで高域が減衰したのと、同様の調整はEQのTrebleツマミで行えるのが確認できたので、直ぐに取り外しています。



IMG_4193.jpg 最近のアクティブ回路付きベースには、ボディートップにこれでもかというくらいにノブやスイッチが数多く配置されているものがあるのですが、私は演奏中にノブを頻繁に弄るタイプではないので、このモディファイ後のVestax BV-Ⅴは多機能ではあるものの、ノブは一見4個で納まっているのがなかなかの好印象となっています。
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IMG_4211_202104141348507ba.jpg Vestax BV-Ⅴのピックアップはカバーレスでボビンが剥き出しとなっていて親指の安定した置き場が無いので、サムレストは必需です。そこでフロントとリアピックアップ間の5弦側に、ウォルナット材をカットして成形しオイルで仕上げたサムレストを両面テープで貼り付けしました。


IMG_4190_202104141348482b3.jpg アクリルクリアーの自作ピックガード(t3mm)をレッドのBV-Ⅴから移植しました。実は新規にt2mm も作製したのですが、スラップ時の指の差し込み具合から元のt3mm を選んでいます。ピックガードはサムレストと同様にあまり目立たせたくなかったので、取り付けはピックアップ用ビス2本と最小面積の両面テープで行っています。


 以上の2カ所のモディファイで指弾きでもスラップでも右手の演奏性が格段に向上しています。



 サムレストとピックガードの取り付けの際に気付いたのですが、ボディートップは完全な平面ではなくて、ボディーセンター部がボディー周囲に対してクレーター状に凹んでいます。

IMG_4593.jpg 画像はボディートップの前後方向にストレート定規をあてたもので、向こうの光が見えています。特にネックエンドからフロントPUにかけて大きく凹んでいるのが分かります。更に詳しく見ると、定規の中ほどではサムレストにより影になって分り辛いのですが、この部分は少し盛り上がっています。


 えっ?と思いボディーバックを調べました。下左はボディーの前後方向、下右はボディー横方向の状態のチェック画像ですが、こちらはボディートップとは逆でセンター部が凸になっているので定規の両サイドに光が見えます。

IMG_4590.jpg         IMG_4588.jpg


 何故?と考えたのですが、元々の加工でこの様になっているとは思えず、ネックポケットやピックアップキャビティーの彫り込みで木部の体積が減少している箇所に長年に亘り弦のテンションが加わった事や、ボディートップとバックの材の経年の伸縮の違い等が影響して変形したのでは?と推測します。実は別個体のレッドのBV-Ⅴも程度の差はあるものの同様の状態でした。



IMG_4597_20210419145600db1.jpg その“ボディー反り”もしくは“ブリッジ起き”の影響で、ブリッジの5個のサドル全てをかなり低めにセッティングする必要があり、更に1弦サドルは溝切りを深くして弦高を下げています。




 一見、程度が良さげなこのBV-Ⅴですが、経年によりメンテが必要な箇所が浮上しています。しかしそれも楽しみの一つとして今後も付き合っていこうと思います。
IMG_3661.jpg 重量が3.9kgと軽量なVestax BV-Ⅴですが、手持ちにGOTOHの計量ペグがあるので、更なる軽量化を図りました。


IMG_3718_202104141126474db.jpg デフォルトのペグもGOTOH製なのですが、ペグブッシュも含めての重量は315gです。


IMG_3722.jpg これまでレッドのBV-Ⅴに取り付けていたのを外したこちらのGOTOH GB350は196gで、交換すると119gの軽量化となります。


IMG_4212_2021041411265302f.jpg ペグを交換しました。ベースをストラップで下げると明らかにヘッドが軽くなっています。本体重量は3.8kgとなりプレイは更に楽になりました。一番目の画像で、デフォルトのペグがあちこち傾いて取り付けられていたのは、交換時に修正しています。


 Fender系のベースでは、計量ペグに交換すると出音の立ち上がりのコンプ感が減少するのが通例なのですが、このBV-Ⅴは元より軽量なので「若干オープンな鳴りになったかな?」程度で、出音に特筆するような変化は無く、演奏性の向上という良い部分だけが感じられたペグ交換となっています。

IMG_3724.jpg フレットは擦り合わせされておりフレット頂上にストレートは出ているのですが、前オーナーがビブラートを掛けた擦り傷が一部にあったので、軽く傷落しを行いました。


IMG_3723.jpg ネック裏には傷も無く、演奏性は良好です。ネック材はこれまでのアルダーバックのレッドのBV-Ⅴでは判別できなかったのですが、この度のBV-Ⅴではウォルナットバックの木目と見比べて同材だという事が分かりました。判り辛いのですが5ピースの貼り合わせとなっています。レッドのBV-Ⅴではこのネックの貼り合わせ部にピース毎の伸縮の違いで段差が発生していたのですが、こちらには無いのでストレスフリーでプレイできます。
IMG_3662.jpg 昨年入手したVestax BV-Ⅴの状態を説明します。この個体は1990年代の後期製と思われ、既に20年以上は経過している筈なのですが、本体周囲に幾らかの使用感はあるものの、それほど目立つ傷はありません。木目から判断して、この同一個体がネットショップで2回程販売されていたのを見掛けているので、少なくても2人以上のオーナーを経ているのですが、あまり手荒くは扱われていない様子です。


IMG_3659.jpg デフォルトからの変更点としては、4つのコントロールノブが金メッキの金属製からウッドに替わっています。ノブはボディーと同色ながらもゴージャスな木目が浮かんでいるのが気に入っています。


IMG_3671.jpg これまで所有していたレッドのBV-Ⅴのボディーはメイプルトップ+マホガニーセンター+アルダーバックの3層構造だったのですが、今回のBV-Ⅴはボディー厚の1/3のトップ材が細かいトラ杢のカーリーメイプルで、残り2/3のバック材はウォルナットという2層となっています。トップ、バック材共にセンター接ぎの2ピースです。今どきのベースでトップにこれだけの厚いエキゾチックウッドを使用する事は無いですね。


 レッドのBV-Ⅴは重量が4.8kgあり重たかったのですが、このBV-Ⅴは軽量な3.9kgで取り扱いがとても楽になっています。ボディーバック材のウォルナットはアルダーよりも比重が大きいイメージがあったのですが、今回は良い意味で裏切られています。

IMG_3700_202104141111090d3.jpg ボディーバックのアイキャッチャーとなる5弦ホーン部の“こぶ”から1弦ホーンへと連なる曲線は、AIでは描けないとても人間的なラインだと感じます。デフォルトの5弦ホーン裏のストラップピンはホーン先端に移設されていて埋め木が目立っていますが、演奏性はホーン先端が良いです。


 弦の鳴り方は赤とは大きく差が無く、セットネックという事でボディー鳴りは少な目で弦の振動がストレートにピックアップに拾われるって感じです。出音としてはウォルナットボディーの影響か、レッドよりも高域のキンキンとした立ち上がり感が抑えめで、低域側に振れた出音なのが好印象です。

IMG_3692_20210414111107f66.jpg 指板はエボニーっぽくも見えるのですが、導管の出具合から色が黒めのローズウッドと思われます。フレットはこれまで擦り合わせされているようですが、以前のオーナーがビブラートを強めに掛けた奏法をした為か一部のフレットに弦傷が見受けられます。


 ベース本体に大きく手直しする箇所は無さそうなのですが、今後私の好みとなるように手を加えていきます。
 昨年(2020年)はコロナ禍でライブ活動が出来ずに家ごもり状況だったので、『気に入った5弦ベースを入手する』と自分なりの年間目標を掲げて様々な5弦を試してみました。気に入ったベースが1本目で現れていたのならば昨年の早い時期でblogにアップしていて、そこで5弦選びは終了となっていたのですが、なかなか思うようには事が進まずに、結局は通年で5本のベースの買い→売りを繰り返す羽目になってしまいました。

 入手して試したものは、アメリカの“L”やカナダの“F”等の所謂ハイエンドと称されるベース、その他国産の工房系ベースだったのですが、取捨選択していく中、年を超えた(2021年)時点で残っていたのはこちらの1本です。

IMG_3648_20210414105944a08.jpg


 1990年代に生産されて現在は見る事が少なくなった(≒無くなった)Vestax BV-Ⅴですが、私はこれまでに3本所有していました。

 ■ 1本目 初期モデル ウォルナットボディー ブラウン 既に売却処分

 ■ 2本目 初期モデル フィガードメイプルボディートップ(ブログ未掲載) クリアー 既に売却処分

 ■ 3本目 後期モデル メイプルトップ+マホガニーセンター+アルダーバック レッド 現在も所有

IMG_3666.jpg 4本目となる新たな1本は後期モデルでカーリーメイプルトップ+ウォルナットバックの2層ボディーです。3本目のレッドの後期モデルは好みの出音で数年間使っているのですが、如何せん4.8kgの重量が最近はプレイする上でかなりの負担となっていました。


 そんな折、ネットで見つけたBV-Ⅴが目に留まり、詳細をチェックしてみると3.92kgという重量に驚きました。これまでのBV-Ⅴは全て4kg後半(というよりもほぼ5kg)だったので、「1kgも軽いのなら試しておくべき」との思いで入手したのでした。

IMG_3655.jpg ボディートップのカーリーメイプルの細かな木目が目を引くものの、ボデー・ネックの塗装がウォルナット色、かつ艶を押えたマット仕上げなので、派手さが控え目なところがルックスとして気に入ったところです。


 幾らかの小傷は散見されるのですが、プレイを損なうようなダメージは無くて、20年以上丁寧な扱いを受けていたと推測されます。ルックスはさておき、ベースとして肝心なプレイヤビリティーや出音に関しては今後のエントリーで説明していきます。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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