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 Tokai VSB60のメンテ記事は1回飛ばして・・・、



 先週末、出張で東京を訪れた際、ほんの1時間程の余裕があったので、大久保~新大久保の楽器店を駆け足で巡りました。

IMG_2266_201910291658049a0.jpg 先ずは大久保の《Guitar Shop Barchie’s》にて手持ち楽器の委託販売をしていただく相談をした後に、画像のキーをお借りしました。これを見ただけで分かる方もいらっしゃると思いますが、これはあるベースのペグの回転トルク調整用のキーです。


 手持ちのベースのペグの回転トルクがマチマチだったので調整したかったのですが、既にメーカーでも廃番となっていて入手不能だったので、これをオーナーの千葉さんに相談したところ、「お使いください」と快く貸していただきました。帰宅後に早速トルク調整を行い返却しています。



 そして新大久保の《Hyper Guitars》ではベース担当のKさんと情報交換しました。店内在庫の“ASK”扱いの50年代のヴィンテージベースの価格が気になり聞いたところ、予想の倍でした。昨今は70年代のベースも値上がりしていて、50~60年代のベースは既に手の届かない価格帯域となっています。

 駆け足だったので楽器屋さんネタはこれだけなのですが、JR新大久保駅改札口前は相変わらず待ち合わせの女子中高生でいっぱいでした。訪問した日(26日 土曜日)はハロウィン仮装した女子もいて、東京在住の娘と待ち合わせした私は周囲でただ一人のオジさんで、かなり浮いていました(汗)。
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 Tokai VSB60のボディーは傷の少ない綺麗な状態だったのですが、更に磨きをかけることにしました。



 磨きの為にボディーから全てのパーツを取り外した際にピックアップをチェックしました。淡いクリーム色のカバー以外は何の変哲もないPBタイプのピックアップです。裏にはブラス製のシールドプレートがあります。

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IMG_1351.jpg この際なので、ピックアップの直流抵抗値を測定すると12.5kΩでした。ダンカンのSPB-1と比べると1kΩ程大き目の数値なのですが、このVSB60の出力は手持ちのパッシブベースの中でも特に大きい出力となっています。ドライバーの先をポールピースに近付けると、グイッと強く引っ張られてカチッとくっつくので、ポールピースの磁力が他より上回っている事がその要因のようです。




IMG_1358.jpg ネックポケットを見てみました。センターで継がれた白いバスウッドの木目が見えます。ポケット底面はボッテリとした塗装の山も無く、フラットに仕上げられています。無塗装面を触った際のサクサクとした手触りから、導管が大き目で粗密な材と感じました。軽量なわけです。


IMG_1361.jpg ポケットの木口からボディトップに貼られたキルトメイプルをチェックしました。当初はボディー周辺に巻かれたバインディングの厚みくらいは、トップにメイプル材が貼られているのかな?と淡い期待を寄せていたのですが、実際はクリアーの塗装を含めても1mm程の薄い単板でした(汗)。こんなに薄くても、見る角度によってトップのキルト柄が変わります。木材って不思議かつ魅力的な素材ですね。




 ボディー磨きを開始しました。先ずは塗装表面のスリ傷を消すために極細目の耐水ペーパーで水研ぎを行いました。薄目の塗装なので、サクッと終わらせています。水研ぎの汁はクリアー塗料が削れた白色なので、これまで喫煙環境には置かれていなかったものと思われます。当然ですが嫌な臭いもありません。

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IMG_1391.jpg コンパウンドをスポンジに垂らして磨きあげました。入手時以上のツルツルボディーになっていきます。
 このTokai VSB60は入手時点でフルオリジナルパーツなので、パーツの交換は行いたくなかったのですが、気になるところがありました。

IMG_1258_2019091113545479c.jpg それはこちらのペグです。このVSB60が製造された1980年代に流行っていた密閉型のペグがとても重たくて、かなりのヘッド落ちを誘発していました。個人的にはボテッとして野暮ったい見た目も好みではありません。又、あちらこちらと微妙に傾いて取り付けられているのも気になります。


 という事で、ペグ交換を考えました。ただし短絡的にヴィンテージのクルーソンタイプに交換という事は避けました。

■ 何といっても軽量。
■ ペグツマミの形状はヴィンテージのクルーソンタイプに似ている。
■ 今後、元のペグに戻す際に取り付けビス穴跡が目立たない。

 等々をペグの選定条件として決定したのは、Hip ShotのHB6C-1/2 Clover Key Ultralite Chromeです、大定番ですね(笑)。

 ペグ入手後の計量です。下画像左の元ペグは99g、右の新たなHip Shotペグは58gです。1個あたりの重量差が41gなので4個では164gの軽量化となり、元ペグが1.6個ヘッドから無くなる事になります。

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IMG_1372.jpg ネック裏の8カ所の元ペグの取付け穴を埋めて、Hip Shotペグ用の取付け穴を新規に4カ所開けました。新たな穴は元の2つの穴の内側にあるので、元ペグに戻す時にはこの穴は隠れてしまいます。


IMG_1696.jpg 新たなペグ取付けの際には、ネックのペグポスト取付け穴とHip Shotのペグ取付けのスリーブナットとの間に少しの“遊び”があったので、スリーブナットに黄色の養生テープを1周巻いています。


IMG_1996_201909250751230e6.jpg ネックにHip Shotペグを取付けました。細心の注意を払って取付けたので、なかなかに良好な収まり具合です。元ペグの取付け穴が半分覗いているのは“ご愛敬”としておきます。


IMG_1983_20190925075124a0c.jpg ネック表側からはヴィンテージのクルーソンタイプのツマミが見えます。Hip Shotのペグツマミはクルーソンのヴィンテージペグよりも少し小振りなのも“ご愛敬”です(笑)。


 ペグ交換の最大の目的のヘッド落ちの解消ですが、やはり軽量化の効果は絶大で、ヘッド落ちを感じる事無くストレスフリーでベースプレイができるようになっています。ペグの操作性もいわずもがなですが良好で、元ペグよりもチューニングがスムースに行えます。

 余談ですが、今回入手したHip ShotペグはUSA製なのですが、ライセンス契約で製作されたペグもあります。Laklandの廉価版ベース等に使われていて以前触った事があるのですが、こちらの操作感は本家よりも明らかに劣っていました。
 トラスロッドが効くようになってネック調整が楽になったTokai VSB60ですが、これでネックはパーフェクトとはなってはいなかったです。フレットに問題が残っていました。

 あまり弾きこまれていなくて、これまで擦り合わせ等が施工されていないであろうオリジナルのフレットですが、精査すると13フレットが少し高く、またこれまでのローポジ起きの影響が少し残っていて1~3フレットも高く感じました。

 13フレットは浮きがあるのかと思いハンマーで叩いたのですが、状態に変化がなかったので、状態の悪いフレットをメインに、全体は傷やクスミを落とす程度に摺り合わせを行いました。

IMG_1332.jpg 画像は既にフレット擦り合わせ後なのですが、次の工程のフレット磨きの際に作業をやり易くするために、ボディーからネックを取り外しました。


 スチールウールとコンパウンドでフレットを磨いた後に養生テープを剥がしました。フレットもメイプル指板もピカピカの状態です。フレットの指板サイドは元からかなり斜めにカットされており、ここを球形に加工するのが難しかったので、手の当たりが和らぐ程度の面取りで加工を終えています。

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 これまでの作業で、ネック&フレットはOKとなっています。
 Tokai VSB60はヤフオク経由で入手したのですが、商品説明では「超美品!、ネックはストレート」となっていました。入手後にチェックしてみると、確かにボディーやネックに傷は少なくて綺麗だったのですが、ネックは「あれれ?」という状態でした。

IMG_1300.jpg 弦をチューニングすると、ネックのローポジがグイッと起きて弦高が高くなってしまいます。ネックエンドのトラスロッドナット部を見ると、ナットがネック内部に3mmほどめり込んでいました。


 そして、ナットを締め込もうとドライバーを当てると、ナットがユルユルで全く効いていません。「これならば、ナットを締めればネック起きは解消される」と思い、ナットを限界まで締め込むと、やっとの事でネックがストレートに近くなったのですが、まだローポジ起きは残ったままでした。

IMG_1301.jpg この様な状態の時は、トラスロッドナットがネック内部にめり込んだので締め込みが甘くなっている事が考えられるので、ナット・スペーサー(ワッシャー)を何枚か噛ましてみると、今度はナットがネック内部に仕込まれたトラスロッドのネジ切りに届かずに締め込みができない状態でした。ネジ切りへのナットの掛かりはほんの2~3mmのようです。


  と、言う事はロッドナットが経年変化で3mmほどめり込んでいるのではなくて、元からこのような仕様だったとなります。後日ネットにアップされている別のTokaiのベースの画像をチェックしたのですが、同年代でこの状態のナットをいくつか見かけました。

IMG_1322a.jpg ナット・スペーサーが使えないのが分かったので、次はトラスロッドナットを取り換えてみる事にしました。左は元のナットで長さが20mm・直径が8mmで、右は新たに購入したもので長さが25mm・直径が9.5mmで、共に5mmのネジ切穴が開いています。

 元のナットの十字の溝切り部やネックのナット穴周囲には傷があり、以前のオーナーが苦労してネック調整していた事がうかがえます。


IMG_1327.jpg 元のナットのめり込みは3mmで、新たなナットは5mm長いので、ネック内部の穴の底を2mmさらって(深くして)取り付けました。ネックエンドとナットトップが面一で収まって気持ち良い状態です。


 肝心のナットの効きですが、穴底をさらってネジ山の掛かりを多くしたのが有効となって(5mmほどのネジ掛かりと一回り大きいナットのお陰で締め付け力が増大して)、ネックがストレートは勿論の事、逆反りにもなり、ネック調整の範囲が大きくなりました。

 又、ナットには蝋燭のロウを擦り付けてロッドに締め付けたので、ナットの回し具合がスムースになっています。ここにグリスやオイルを付けるのはお勧めできません。木部に油分が染み込むので・・・。私は今回のロウか、石鹸かを付けています。

 以上のメンテで、入手した時点ではトラスロッドが折れるか否かの限界まで、ビクビクしながらロッドナットを締め込んでいたのが、ウソのように楽に順反りにも逆反りにもネック調整が可能となっています。ただし極々のストレートかと言うと、少しのローポジ起きが残っていたので、次に行うフレット擦り合わせで対応する事にします。
 ここしばらくは新たなベースを求める事は無かったのですが(いや何本か入手はしていたのですがblogの記事にするまでもなく手放していました・・・汗)、何かイジるものが欲しくてこちらを入手しました。

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 これは1980年代初期に限定生産されたTokaiのLimited Products VSB60いうモデルです。まず目を引くのはフラットなボディートップに貼られたキルトメイプルの木目です。木目自体は派手なものではないのですが、見る角度や光の当たり方が変わると、色合いや木目が変わっていきます。

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IMG_1248.jpg ボディートップ外周にはバインディングが回されています。入手前には右手が当たる箇所が角ばっているので痛いのでは?と想像していたのですが、実際にプレイするとエルボ―カットされているものよりは右手の固定がやり易くて、ピックアップへの右手のアクセスが楽にも感じます。


IMG_1249.jpg ボディートップに配置されたパーツはシンプルで、ディマジオ風のクリーム色のカバーのPBタイプピックアップ、ヴィンテージFender風のスパイラルサドルのブリッジ、2つのノブはGibsonバレル(樽)ノブ風と、当時の各メーカーのパーツの美味しいところ取りの感がします。そう考えると、ボディートップの木目がレスポールのバーストに見えてきました(笑)。


IMG_1264.jpg ボディー裏側は通常のPBと同様にコンターカットが施され、コントロールキャビティーのカバーはGibsonのようなデザインです。


IMG_1265a.jpg ボディー材は、入手前のリサーチではマホガニーという資料もあったのですが、木目をよく見たらセンター接ぎのバスウッドと分かりました。この材はとても軽量で、ベース全体の重量は3.7kgとなっています。入手して持ち上げた際には「もしかしてチェンバード(肉抜き中空)ボディー?」と感じたほどです。塗装はポリウレタンと思われますが、塗膜はとても薄くて、木目に沿って塗装の引きが見えます。


IMG_1271a_2019091211340146d.jpg スカンクストライプのメイプル1ピースネックは一般的なビス4本でボディーに固定されています。ネックエンドの“60”シールはVSB60の製品名と販売時の定価の60,000円を表しています。(このシールは紙製なので触らないようにせねば・・・)ネックプレートに刻まれたシリアルナンバー(画像編集で消しています)から1981年製と推測しています。


IMG_1256.jpg ネックヘッドのトップには、遠目にFenderのスパロゴに見えるTokaiのブランドロゴシールが貼られています。ロゴまで似せたら、そりゃFenderに訴えられる訳ですね。(Wikipediaによると、Tokaiは1984年Fender社から自社の偽造品製造をしているとして訴訟を起こされ、敗訴。裁判所命令により楽器が販売停止となり会社更生法申請。)このロゴシールには、ヴィンテージFenderと同じく保護のラッカーが吹かれていないので、先のネックエンドのシールと同様に不用意に触るのはご法度です。


IMG_1258.jpg クローズドタイプのペグは資料不足でブランド不明なのですが、軽量ボディーにマッチするとは思えない程に重たくて、ヘッド落ちの要因となっています。


 さて肝心の出音のインプレッションといきたいところなのですが、イジるというよりも想定外で治療を施すべき箇所があったので、今後の治療後のインプレ・アップとします。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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