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IMG_2489.jpg 組み終ったサーキットを厚紙から外し、Thunderbird Ⅱのコントロールキャビティー内に取付けて、2つのピックアップからのシールド線とブリッジアンカーからのアース線を繋ぎました。Thunderbird Ⅱのコントロールキャビティーのザグリ形状はⅣと同様なので、増設したポット軸の穴開けとリアピックアップからの配線用穴開けの2箇所以外は無加工で、全てのサーキットが収まっています。


 コントロールキャビティー内のシルバーの塗装はテスターで調べると導電塗料でした。ただしあまり厚い塗装ではないので、箇所によっては導通不良もありました。新設のリアヴォリュームポットの端子下には、他のポットと同様に黒のビニールテープを絶縁の為に貼り付けています。

IMG_2494.jpg 今一度、サーキットのパーツを確認します。フロントヴォリュームポットの刻印は137 64??(137=CTS社 64年第??週製造)。抵抗値500kΩ。


IMG_2500.jpg 増設のリアヴォリュームポットは137 6428(CTS社 64年第28週製造)。抵抗値500kΩ。


IMG_2502.jpg トーンポットは??4 6426(??4≒304=スタックポール社 64年第26週製造)でリアヴォリュームポットと2週の製造週違い。抵抗値250kΩ。


 となり、3つのポットの製造時期は見事にマッチングしています。このサーキットを一瞥しただけでⅣのものではないと判断できる人はいないと断言します!(笑)

 ハンダはポットに残ったものを極力そのまま使用して、足らずをKester44で補っています。今回のハンダ付け用に120W(板金用)のハンダ鏝を新たに購入して使用しました。これまでの手持ちの40Wや60Wの鏝だとポットハウジングのハンダ付けの際に、熱量がハウジングに吸収されてハンダが冷えてベタッとしたハンダ盛りにしかならなかったので、高熱量のハンダ鏝で一気にハンダ付けを行ってヴィンテージ風のモコっとした山盛りハンダとしたかったのです。

 ただし端子へのハンダ付けにはこれまでの40Wの鏝を使い、熱による配線材の劣化を防止しています。ハンダ付け後にはハンダと新品のスズメッキ線にワイヤーブラシを掛けてキラキラの艶を抑えています。

IMG_2503.jpg コンデンサーはⅡのオリジナルのセラミックをそのまま使用しています。0.02μFが2個並列に取付いています。他のThunderbirdでは0.047μFが1個の使用が多いようです。表記通りの0.02μFが2個の並列では容量計が計算値で0.04μFになるのですが、テスターで測定するとコンデンサーの個体差により、容量計が0.048μFでした。結果オーライというやつです(笑)。


IMG_2560.jpg ボディートップの画像です。増設したリアヴォリュームツマミはその⑤で述べたように、フロントヴォリュームとトーンツマミのセンターから少しトーンツマミ寄りに位置しています。そのリアヴォリュームツマミはこれもe-Bayで入手した60年代前期のものです。増設した64年製のポットにはツマミの位置を示すポインターが付属していたので、ツマミ廻りもすべて“当時の物”です。


 フロントと増設したリアヴォリュームのポットは同じCTS社製で製造年も同年という事でツマミを回した際のザラッとした抵抗感は同じです。これと比べるとメーカー違い(スタックポール社)のトーンポットのツマミはもっとツルッと回る感じです。ブラインドテストで各ツマミを触ってもⅣだと言えますね(笑)
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IMG_2456.jpg サーキットについてです。ボディーから取り外したThunderbird Ⅱのサーキットを本体と同位置にポットとジャックの穴を開けた厚紙に固定しました。増設予定のリアピックアップ・ボリュームポット用の穴も開けています。この厚紙上でⅣのサーキットを組んでいきます。


IMG_2445.jpg e-Bayで先行入手していたリアピックアップ・ボリュームポットです。トーン用コンデンサーが付いているので、トーンポットとして使われていたものです。


IMG_2447.jpg コンデンサーを取り外してチェックしました。ポットハウジングに137 6428の刻印が見えます。CTS社 1964年第28週目の生産を表しており、取付ける64Thunderbirdに適合しています。


IMG_2453a_201606222214198d3.jpg 3つある接続端子の内、左端に見える3番端子の足がカットされています。これはGibsonのギターで使われていた証です。トーン回路で使用しない3番端子への不要な接触障害を避ける対策と思われるのですが、これをヴォリュームポットとして使うには3番端子も必要となるので、本エントリーの最終項で工夫しています。


IMG_2459.jpg 厚紙上のサーキットに上のヴォリュームポットを取付けました。


199113_13.jpg これから配線なのですが、ネットで拾ったこちらの64Thunderbird Ⅳのサーキットの画像を参考にする事にしました。


IMG_2486.jpg ジャックへの配線以外は全て配線換えとなる為に一旦取り外しをした後に、オリジナルの配線材を再使用して配線しました。Gibsonでは配線材の芯線が“より線”ではなくて、“単線”の使用が多いのですが、このThunderbirdも例外ではなく全て単線が使用してありました。その単線を端子に接続する際は、ハンダ付けの前に単線を端子に絡める“Gibsonの流儀”を守っています。


 上の画像の中でヴォリュームポット以外に新規購入したものが2点あります。

IMG_2463_2016060521121632c.jpg コンデンサーの足を絶縁する黄色のチューブはゴールデン・ウィークに上京した際に楽器屋で購入したもので、ヴィンテージギターのリビルトパーツメーカーのLuxeの製品です。10cm×2本入りで1,800円もしました。使ったのは3cmのみで1cm当たり600円となるのですが(汗)、色々と探してこれしか見つからなかったのと、このような細かなところまでしっかりと拘りたかったので仕方ありませんね。


 そしてもう1点、3つのポットを繋ぐすずメッキのアース線も新規購入したものです。これまで、Gibsonの内部アース用の0.6mmφのすずメッキ線は持っていたのですが、上画像で参考にしたⅣのポット間を繋ぐアース線はもっと太いものでした。これは径のデータが得られなかったので、「このくらいの太さだろう?」と想定して1 mmφのすずメッキ線を購入しました。ゴールデン・ウィークにお会いしたすわべさんに「楽器屋に求めるアース線が無いのですが・・・」と問い合わせたら、「秋葉原にいくらでもあります」とアドバイスをいただいていたので、電気屋のネットショップで購入しています。このすずメッキ線も入手したのは最小販売単位の10mですが、使ったのは10cm程で9.9m残っています(汗)。配線してみると丁度良い太さ具合となっています。

 増設したリアヴォリュームポットの3番端子の足は他のポットからカットしたものを移植してハンダ付けしています。この足は3か所からの配線材で位置決め&固定されているので、今後使用していく間に振動等で足が外れる心配は無いものと思います。

 次回エントリーでこのサーキットをボディーにインストールします。
 Thunderbird ⅡをⅣ化するのに最も重要なパーツのリアピックアップについてです。その選定基準としては先にエントリーしたように“ピックアップケースがニッケルメッキ”、“フロントピックアップよりも高出力”の2点があります。

 手持ちではダンカン・カスタムショップのピックアップがあるのですが、これはフロントとリアのペアなのでバラして使うのは勿体無いのと、別のThunderbirdのコピーモデルに搭載してこれはこれで良い音だったので、そのままにしておく事にしました。

 新たに購入するとなると知る限りで4つのメーカーの候補があるのですが、どれもかなり高額なものなので「買って気に入らなかったらなぁ~」と即決とならない状態でした。メッキがクロームのみのメーカーもありました。そんな時にe-Bayで見つけたのがこちらのピックアップです。

e-Bay TB pu 1         e-Bay TB pu 2


 メーカー名は記載されていないのですが、フロントとリア用でコイルの巻き数に差がある2種類がラインアップされ、更にニッケルとクロームのメッキ違いも選択できるという事で、私の要望通りのピックアップです。その価格を見て驚きました。何と1個50.6ドル(約5,500円)です。お安いですね。商品説明を読むと中国製との事で納得しました。

Montreux TB pu ただし、このピックアップの画像を良くみると、これは日本国内で(もっと高額で)販売されているモントルー・ブランドのものと同じものでは?と思われました。裏面に貼られたRoHSのシール、配線の熱収縮チューブの被せ方、裏蓋の半田付け方法、そして抵抗値等々が同じなので、そう判断(あくまで私の判断です)しました。現在のモントルーのHPの画像ではシールが剥がされているので、左画像はヤフオクで拾ったものです。


 シールにあるRoHSというのは“電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令”をあらわしているので、このピックアップはヨーロッパのPUメーカーが設計して中国で作らせたものをモントロールブランドで販売しているのでは?、そしてe-Bayで販売されているのはこのピックアップの“横流し品”では?と想像が膨らみます。(繰り返しますが、あくまで私の想像です)

 となれば、安かろう悪かろうではないのでは?と考えて、e-Bayにてニッケルメッキカバーで抵抗値9.2kΩのノー・ブランドのピックアップを入手しました。

IMG_2477a_20160620191036225.jpg 画像左からⒶ64年オリジナル、Ⓑノー・ブランド、Ⓒケースのみ(クロームメッキ)です。Ⓑノー・ブランドには入手後に加工を施しています。


 これは私が推測している事なのですが、現在新品で入手できるThunderbird用のリプレースメント・ピックアップのケースは全て同じ金物メーカーが作っているのでは?と思うのです。オリジナルのピックアップケースよりも現行のケースは縦×横×厚みがほんの少しずつ大きく、取付けビス穴の径は小さいです。又、折り曲げ角のアールが大きくてピックアップ表面が膨らんでいるかのように見えます。

 Thunderbird用のリプレースメント・ピックアップのみを作っている米国の専門メーカーThunderbuker Ranchのサイトにはこう記されています。『Our pickups, are 3.65" x 1.59". Vintage Gibsons are approximately 3.63" x 1.56"』訳すと『私たちのピックアップは、3.65"×1.59"(9.27cm×4.29cm)です。ヴィンテージギブソンは、約3.63"×1.56"(9.22cm×3.96cm)』となります。

IMG_2478a_201606201912006e9.jpg 私が入手したⒷノー・ブランドもこのThunderbuker Ranchのものと同寸だったので、オリジナルのサイズに近付けるべく手を加えました。縦×横はどうしようもないので、厚みは底面を削り落して薄くして、ケーストップの取付けビス穴の径を拡げました。左画像は厚み調整後のもので、元はⒷとⒸは同じ厚みだったのですが、Ⓑの厚みを1mm削ってⒶと同寸にしています。


 外周が網線のシールド配線も60年代の網線に近いものに交換しています。メッキの擦り傷や曇りの加工はなかなか難しいので、ペーパーとスチールウールで傷付けた後はこれからの使用による痛みに期待するという事にしておきます・・・(汗)。

 テスターで測定すると、Ⓐオリジナルのフロントピックアップの内部抵抗値は8.4kΩ、Ⓑノー・ブランドはカタログでは9.2kΩだったのですが実測値9.65kΩでした。良好なピックアップバランスとなりそうな期待を抱かせてくれる数値です。

IMG_2466a_20160620191431144.jpg         IMG_2470a_201606201914318d2.jpg


 Ⓐピックアップをこのようにボディーから取り外ししているのには、回路変更を行う為とは別の要因がありました。私はThunderbirdを弾く際はピックを使用しているのですが、そのピックでⒶピックアップのカバーを叩くと“コン・コン”とアンプから結構な音量で打音が聞こえていたのです。これを防ぐ対策ができないものかと、ボディーからピックアップを取り外して検討してみたのでした。

 ピックアップ裏面のスチール底板を固定用のハンダを溶かして取り外しかけたのですが、ハムバッキングの2個のコイルはピックアップカバーに粘度の高いグリス状の充填剤で取付けられており、コイルの摘出は断念しました。ただし底板を再取り付けする際はCクランプでカバーと底板を締め付けてハンダ付けを行ったので、空隙が減少したのかピックでの打音が減少しています。この作業中は緊張の連続だったので、写真はありません(汗)。



10556a.jpg こちらは、最近e-Bayのオークションに出品された1964 Gibson Thunderbird IVで、極レアなカスタム色“Frost Blue”です。 即決価格は100,000ドル(約10,800,000円)です。「ふーん、百万円か」と思ったアナタ、桁が違います(笑)
 ボディーが仕上がったので、ボディーから一旦取り外していたパーツを戻していきます。先ずはⅡからⅣへと変更する際の“肝”となるリアのピックアップについてです。

IMG_9416_201606012051482dd.jpg 実は1年前にこの64Thunderbird Ⅱを入手する以前にe-Bayで同年の64Thunderbirdから取り外したというピックアップを入手していたのでした。ニワトリ(Thunderbird)が先か?卵(ピックアップ)が先か?で言えば、これは卵(ピックアップ)が先の話です。ただし、このピックアップをこの度の64Thunderbird Ⅱにインストールしようとすると2点のブレーキが掛かりました。


 その1点はメタルのピックアップカバーのメッキの違いです。64Thunderbird Ⅱは全ての金属パーツがニッケルメッキなのですが、先行で入手していたピックアップのカバーはクロームメッキだったのです。黄色味があり経年で曇りが出ているニッケルメッキと、いつまでも青白く輝くクロームメッキのパーツが同一ボディーに混在するのは好まない私です。

 Thunderbirdのメタルパーツのメッキがニッケルからクロームに変更されたのは、リヴァースボディーがノン・リヴァースに変更された66年辺りからなので、先行入手したクロームメッキカバーのピックアップはおそらくはノン・リヴァースの物と推測します。blogでお付き合いのあるshinmei_tさんのお持ちの67ノン・リヴァースはニッケルメッキ、私が持っている68ノン・リヴァースはクロームメッキなので、ある程度の混在期もあるようです。

 そして、もう1点こちらの方がブレーキ要因としては大きいのですが、ピックアップの出力が異なるのです。Thunderbird Ⅳの2つのピックアップは同じものではなくて、フロントよりもリアのピックアップがコイルの巻き数が多くて(=抵抗値が大きい)、出力が大きくなっています。Thunderbird用のリプレースメント・ピックアップを作っている何社かのメーカーの製品も全てリアピックアップのコイルの抵抗値が大きいのをメーカーのデータで確認しています。

 テスターで測定すると、現在Ⅱ→Ⅳへとモディファイを行っている64Thunderbird Ⅱのフロントピックアップ(画像左)の直流抵抗値は8.40kΩ、リアに使用する為に先行入手したクロームメッキのピックアップ(画像右)は8.22kΩでの抵抗値で、フロントよりも小さな値でした。

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 上記から判断すると「リアの高出力のピックアップの成分を含んでいるのがThunderbird Ⅳの音だ」となるのですが、先行入手のピックアップではどうも役者不足の感がしてきたので、このピックアップはいつの日にか使用する為に温存することにして、別のピックアップをこの64Thunderbirdに取付けする事にしました。

 その別のピックアップについては次のエントリーにて・・・。
 パーツを外してドンガラになっているボディーをこの際ですので軽く水研ぎしました。茶色になった研ぎ汁にはタバコのヤニ成分も含まれているものと思われます。ボディートップにはウェザークラックが浮き出て良い雰囲気を醸し出しているので、汚れをさらっと落とした程度の水研ぎです。研ぎ汁がボディーに滲み込むのを避ける為に、何区画かに分けて短時間で作業を終えています。

IMG_2410.jpg         IMG_2408.jpg


 その後、スポンジバフ掛けを行って艶を出しました。コンパウンドを拭き取った後のワックスで磨く前の画像ですが、既に十分な艶が出ています。この度は塗装面へのタッチアップペイントは一切行っていません。

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 ボディー裏のバックル傷の木目に入り込んだ白いコンパウンドはオレンジオイルで拭いて除去しました。

IMG_2436.jpg         IMG_2440.jpg


IMG_2520.jpg これまではこのベースを弾くとネック裏の劣化した塗装表面が左手に粘り付く感があったのですが、塗装を一皮剥いたのでこれは収まるものと思います。
 ボディー側のモディファイに取り掛かります。サーキットはオリジナルで半田もヴァージンなのですが、ⅡをⅣに変更するにあたり既存の配線換えの必要もあったので、サーキットとその他のパーツも全て取り外しました。

 フロントピックアップのザグリと新たに施したリアのザグリのコーナーのRが少し異なっています。

IMG_2381a.jpg         IMG_2382a.jpg


 プロビジョン・ギターは(私が持ち込みした)取付け予定のピックアップにぴったりと合う形状のザグリを施してくれたのですが、私の望んでいたのはフロントと同形状のザグリでした。これは私の説明不足だったので、ドリルと彫刻刀を駆使してリアのザグリのコーナーをフロントと同形状に(Rを小さく)しました。

IMG_2398.jpg そしてザグリ内にクリアラッカーを塗りました。ラッカーには少し黄色を混ぜて、他の部分の色焼けした塗装の色に合わせています。


 又、増設するリアのピックアップ・ヴォリュームポット用の穴も開けています。ポット用の穴の径は手持ちの9mmφのドリルでは小さく、10mmφでは大き過ぎたので、先ずは9mmφの穴を開けてからリーマーで微調節して、他の2つの穴と同径にしています。このポット用の穴はⅡのフロントヴォリュームとトーンの離れのセンターに位置してはいません。他のⅣからのデータを参考にして、センターからトーン側にずれた所に位置決めをしています。

IMG_2403a.jpg 横方向からみると、フロントとリアのピックアップザグリの底面がスロープで繋がっています。Thunderbirdではボディートップから弦までの離れが、ネックエンドからブリッジに近付くにつれてどんどん大きくなっているので、ピックアップを弦と平行にする為の加工と思われます。この事を私は知らなかったのですが、プロビジョン・ギターはご存じで、わざわざ治具を作成してこのように加工してくれています。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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