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IMG_6274.jpg パーツを組み込んだボディーを正面から見ると、昨今の共鳴ボディーを持たないエレキアップライトベースと比べてとてもボリューム感に溢れているのですが、この大きさにはとてもメリットがあります。ウッドベース程では無いものの、ボディー側面をプレイヤーの胸に、そしてボディー下裏をプレイヤーの左足にあてがう事で、プレイ中にしっかりと固定出来ます。

 細身のボディーから延びたボディーレストでしか支えられない昨今のエレキアップライトベースを弾いた際は、プレイ中の安定感が希薄でプレイに集中出来ない事もありました。少し重ための総重量もこの安定感に寄与しています。


 真正面から見ると“どや顔”に見えるのですが、私が好きなのは少し横から見た佇まいです。FRPボディーの表面に成型された彫り込みに光が反射して、美しさを覚える程です。所謂“斜め45度 美人”ってところでしょうか?(笑)

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 いよいよ次回のエントリーは、このBaby bassの“肝”の部分“ピックアップ”についてです。
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IMG_6303.jpg 鋼製丸パイプの足は、ボディー内部のアルミ角パイプの更に内部に仕込まれた丸パイプに差し込まれていて、伸ばし長さを決めた後にボディーエンド部のネジ付きキャップを締めて固定します。この部分を蝶ネジで固定する方法が他の多くのアップライトベースでは採られていますが、こちらの方が操作はシンプルです。


 ただ、足の差込み加減がキツかったので足の周囲の汚れを除去したら、今度は緩くなりプレイ中に足がボディーに沈み易くなってしまったので、ネジ付きキャップの内側に薄くテープを巻いて締付け加減を調整しました。

amplified peg 余談ですが、この足はペグと呼ばれています。Ampeg社は創立時にアップライトベースの音をアンプで増幅する為に、このペグのボディーに挿し込まれる箇所にマイクを取付けた製品を販売しました。Ampegの社名はその製品のAmplified Pegというところから命名されています。


IMG_6299.jpg 合金製のテールピースはボディーへの取付けビスが緩まなかったので、取り外してはいません。


babybassparts017.jpg ネットで検索するとテールピース裏にシリアルナンバーが刻まれたものもある(左画像)のですが、私が入手したベースには無かったです。


200U-1646_body-front.jpg そして、テールピースには2ピースに分かれたタイプもある(左画像)のですが、私のベースは下2枚の画像の様に1ピースでブリッジから長く弦が伸びて固定されています。


IMG_6311.jpg 弦は樹脂製のパーツを通っていて、これをスライドすることにより弦の響きを変化させる事が出来ます。ブリッジ側に寄せると音が伸びなくて低域の出が減少しタイトな出音となります。


IMG_6313.jpg 私はテールピースに一番近付けています。こちらの方がよりオープンで深みのある出音となりますので・・・。
IMG_5435.jpg ネックと弦を外すと、途端に寂しい佇まいとなってしまうのですが、他のアップライトベースでは見られない、このBaby bassのみのFRPで作られたボディーです。


IMG_5398.jpg ネックのエントリーの際に説明したように、アルミ製の角パイプを背骨として、“たい焼き”の如く表裏の2ピースで作られたFRPを合わせて側面で接着し、中には“あんこ”ならぬ発砲ウレタンが隙間無しに充填してあります。ピックアップキャビティー内から見える内部ウレタンは高硬度で、触るとカチカチとしています。表皮のFRPも厚くて、叩くとコンッという硬い音しかしません。


 このBaby bassを入手する前は、CD等の音源で聴くその独自のポリバケツを叩いたようなポコン・ポコンという出音は柔らかなFRPボディーに因るものと推測していたのですが、それは全くの間違いでした。メーカーの意図するところの“ハウリングを起こさないボディー”を目指して、徹底的に高強度かつ内部空洞の無い作りとなっているのが、入手して触って初めて分かりました。プレイしていても“ボディー鳴り”は全然感じられないです。今後エントリーしますが、そのポコン・ポコンの音はピックアップに因るものでした。

IMG_5447.jpg ボディーには長年の使用で、各所に傷が見られました。特に裏面の下部には床に寝かせた際に付いたと思われるスリ傷が多く見られました。


IMG_5515.jpg せっかくチェックの為にパーツを取外したので、この際にとボディーを磨きました。耐水ペーパーとコンパウンド、そしてワックスを使い、深いスリ傷以外は除去しました。

 上画像とボディー外周の色合いが異なるのは、フラッシュの発光具合の為で、磨いたから色が薄くなったのではありません(汗)


 ボディー表裏共にピカピカになりました、FRP皮膜の下に見える木目は印刷されたもので、イミテーションです。

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 側面のボディー表裏の接合部には口を開けている箇所があり中身の黄色のウレタンが見えていたので、目立たないように茶色のシリコンコーキングを充填しました。

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 製造後50年を経て、今後これ以上口が広がる事は無いと思われます。ネックもリセット出来た事ですし、これからも長く使える事を期待しています。
 ネックアングル調整が出来るようになったBaby bassですが、ネックに関してのもう一つの問題点の“順反り”が残っていました。

 弦をチューニングしてナット際とネックエンド部の指板に弦を押付けて、指板の中程での弦高をチェックすると、5mm以上の隙間がありました。これでは、左手で弦を押えるのも大変ですし、ネックエンド部の反り上がった指板に弦が当たってビリつきます。

 これはどうにかせねばならないと考えたのですが、これまでエレベの指板矯正が必要だった際は毎回リペアーショップにお願いしていました。このBaby bassもそうせざるを得ないかな?と思ったのですが、ショップへの持込みに手間と経費が掛るので、とりあえずは自分なりに考えた矯正方法をやってみることにしました。それでも駄目ならば、ショップ送りです。

 実際に反っている部分はネックとボディーの接合部分からブリッジ方向に伸びた指板です。それも“反り”というよりも、極端な話ですが接合部分からV字に“折れる”という感じでした。(このV字折れは、エントリー⑤で説明した様にこの部分の干渉に起因するものと思われます)そこでここにターゲットを絞って指板矯正する事にしました。

IMG_5915.jpg 先ずは指板とボディーとをX字型に梱包用のテープで“拘束”して、しばらくの間“放置プレイ”しました。2~3日の“放置プレイ”後に様子をみると、幾分は反りが矯正されていたのですが、まだまだ反りの解消とまではいかなくて、再び順反りの状態に戻りそうだったので、次の“荒業”を行いました。


 画像は直視すると痛々しいのでありませんが(撮り忘れただけです・・・汗)、アイロン(ネック矯正用の専用工具ではありません。普通の家庭用アイロンです)からの熱々のスチームを指板に吹き付ける“熱責め”を行いました。100℃のスチームで指板は触れないほどに熱くなるのですが、ここは心を鬼にして指板が逆反り気味になるように更に“拘束”用の梱包テープをグイグイと締め上げました。

 20分程の“熱責め”を終え、一晩の“放置プレイ”後に“拘束”を解くと、指板はピシッとストレートが出ていました。やはり熱を加えた矯正は効果がありました。指板表面はスチームのダメージで若干荒れていたのですが、サンドペーパーで荒れを取り、レモンオイルを吸い込ませると、とても綺麗になりました。

 この時点で指板を詳しくチェックすると2と3弦の7~10フレット相当部に若干の“波打ち”が見られたのですが、熱矯正の直後だったので再び指板の状態が変化する事があるかもしれないと思いそのままにしていました。その後、1ヶ月の間様子を見ても指板の状態は変わらなかったので、指板にサンドペーパーを当てて削り、“波打ち”を無くしました。

IMG_6324.jpg 現在の指板は極ストレートから10フレット相当部の位置で各弦1~1.5mmの“微順反り”で落ち着いていて、弾き心地はとても良好です。画像で1弦と指板エッジ部の“チリ”を見ていただくと、そのストレートぶりが分かると思います。


 ボディーの鳴りについては今後のエントリーで説明しますが、今回調整したネックはやはり製造後50年を経過してとても乾いていて、ネックを握る左手には心地良いバイブレーションが伝わってきます。

 アルミのピン1本だけでネックとボディーを連結しているので、弦を張る前はネックが上下に(文字通り)首を振るのですが、一旦弦をチューニングするとその弦の強い張力でネックが引っ張られて固定されて、プレイ中にグラツキ感を覚える事は無く、その構造が振動系に悪影響を及ぼしている感はありません。

 以上でネック廻りのリペアーは終了しました。
 ピアノ講師3人が中心となるグループ“炎~生きろの会”(何だか新興宗教みたいですが・・・笑)の演奏会にバックを付けてきました。

 この会とはもうかれこれ十数年の付き合い(腐れ縁ともいいますが・・・汗)で、今回もひと月前にバックのオファーがあり、数回の練習をこなして2月11日(火)の本番を迎えました。

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 会場となった地元にある芸術文化ホール【グラントワ】の多目的ホールの下手にはレンタルされたスタンウェイがドーンと座り、2台のキーボードが中央に、そしてバックバンドの“炎~生きろバンド”(そういうバンド名だったのね?)は上手に陣取りました。

IMG_5988.jpg この人とプレイするのがとても楽しいパーカッションの“イーボー”はカホーンを叩きシンバルでアクセントを付けます。彼のカホーンでのプレイは目を閉じればドラムセットの音が聞こえてくるようで、彼以上の上手いカホーン奏者を私は知りません。今回のステージでは“篠笛”も吹いたマルチプレイヤーでもあります。


IMG_5986.jpg ギターの“アキラさん”のワーキングスペースです。エレキとアコを使い分けして、今回演奏した様々なジャンルの曲を的確にサポートしていました。“アキラさん”も私が最も信頼するギタリストです。


IMG_5975.jpg そして私はベース1本のみを持ち込みました。曲によってはエレアコベースがマッチするとも思ったのですが、練習期間が少なかった為に一番弾き易いベースでストレスフリーでプレイすべく選んだのは、Fender 61JBです。手持ちベースの内で最も気に入った出音でかつ演奏し易いという事で、選択に悩む前に先ずはこのベースをチョイスしてしまいます。

 ベースアンプは現時点で最も気に入った出音となったセットです。アンプヘッドはMarkbass LMK、スピーカーキャビネットはPeaveyの15インチユニットを内蔵したBAGENDです。アンプ横には後置きのツィーターがありますが、これに関しては今後のblogで説明します。これをいつもの通り、チューナーのみを接続してアンプのEQはフルフラットというのが私のセッティングです。


IMG_6012_20140213184818174.jpg この日の【グラントワ】は、1500人収容の大ホールではオペラが、400人の小ホールでは別の音楽イベントが、午後のほぼ同時間帯で催されていました。こちらの多目的ホールは無料という事もあり客入りの予想がつかなかったのですが、蓋を開ければ追加の席を持ってきても立ち見があるほどに多くのお客さんにお出掛けいただきました。


 その満席になった会場での演奏をとても楽しめたメンバーです。細かなミス云々は省きますが(汗)、やはり何年もやって来て気心の知れた連中と音を出すって心地良いですね。

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IMG_6059.jpg 特にバックバンドの3人はなかなか一緒にプレイする機会が無いので、ここぞとばかりに互いの出す音を聴きながら本番でしか出来ないサウンドを築けたと思います。


 このバンドでの演奏は3年ぶりですが、今年の12月にも演奏会を行うことが決まっています。それまで楽しみながら待つことにします。
 一旦取外したネックをじっくりと観察してみました。

IMG_5420.jpg ローズウッドの指板はセンター付近で接いである2ピースです。


IMG_5421.jpg 指板の4弦側にはポジションマークが後加工で入れられています。エレベがメインの私にとっては助かるのですが、先般の夜ライブで使った時、暗いステージ上では赤のポジションマークは指板と同化して見えなかったです(汗)。


IMG_5422.jpg ネックとボディーの接合部からブリッジに向かっては厚い指板のみが延びていて、裏面はRにえぐってあるのですが、他の箇所の仕上がり具合と同様にここもラフな仕事ぶりです。


IMG_5425.jpg メイプル材の柾目が確認出来て強度がありそうなネック裏には着色はされておらず、クリアー塗装のみが吹かれているのですが、永年の使用でクリアーが剥がれて汚れが染み込み、ヴィンテージな雰囲気を醸し出しています。




 その取外したネックを再びボディーに仮組みして、ネックアングル調整機能の確認を行ったのですが、ピンで留まっているだけのはずのネックの動きがスムースではなくて、どこかで動きを阻害している部分があるようだったので調べてみました。

IMG_5736.jpg (こちらは加工後の画像ですが)するとネック付根の指板の裏部分がボディーに干渉しているのが分かりました。入手時には(ネックというよりも)指板がV字型に順反っていたのですが、長年に亘りこの箇所で指板裏がボディーに当たって押し上げられて、順反りとなっていた可能性があります。


 ボディーの矢印の干渉部分は、製造時(もしくはその後)に加工されたのか、荒い金ヤスリでゴシゴシと削られた痕跡があるのですが、それでもまだ干渉していたので、更に削り込みを行い表面は磨きました。

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 この加工後にボディーに取付したネックは、ボディー裏の金属ボタンを外した穴に差込んだ6角レンチを回す事によって、スムースにネックアングル調整が出来るようになっています。

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IMG_5947.jpg 入手時には駄目だと思っていたネックアングル調整機能が復活できたのは“儲けもの”でした。実際の使い方として、(やろうと思えば)その日の気分で簡単にネックアングルを変えて弦高調整が出来るのは、とても便利で良い機能です。
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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