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 ネックには(にも?)手こずりました。入手時には指板が順反りを起こしていて、指板エンド部での弦高は2~3mmといったところで、弦を弾くと直ぐに指板に当たってしまう状態でした。

IMG_5402.jpg Babybassには、元来ネックアングル調整機能があり、これを使うと弦高調整が出来るのですが、入手したショップからは「ネックアングル調整機能はオミットされている」と聞かされていて、確かにネックとボディーの接合部は樹脂で接着されているようだったのですが、よく見ると樹脂が痩せて接合部に隙間があるのが分かりました。


 「あれっ?これはもしかしてボディーとネックが分離出来るのでは?」と考えて実行することにしました。とは言え、構造を全く知らないべースなので、先ずはボディーとネックを繋いでいるであろう、ボディー両サイドの穴から見えるピンを恐る恐る抜いてみました。アルミ製のピンはネジ止めではなくて、打込んであるようだったので、金属の棒を当てて金槌で叩き反対側に抜きました。

IMG_5406.jpg ピンを外すとネックはこの様にボディーからスポッと抜けて取外せました。


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 ボディーの開口部を覗くとアルミの角材がボディーの中心を背骨の様に貫いているのが分かります。アルミ角材の底には足を受ける丸穴も見えています。

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IMG_5423.jpg ネックがアルミ角材に刺さっている部分です。左右幅は角材と同寸ですが、ネックアングルを調整する方向には少し薄くなっていて“動きしろ”があります。


IMG_5409.jpg この四角の金属プレートにボディー背面から挿し込んだレンチで回すネジが当たって、ネックアングルを調整する事になります。という事は「弦でネックが引っ張られる事でネックが固定される」となります。とてもアバウトな造りですね。ネックの角材部分も現在の木加工製品を見慣れた私の目にはとてもアバウトな造りに見えます。


 さて、これでネックの取外しが出来たので、これを再びボディーに組込すればネックアングル調整機能が復活するぞと思いきや、そうはうまく行かなかったのでした。続く・・・。
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 入手したAmpeg Baby bassの各パーツをチェックしつつ、手を加えた内容も説明します。

IMG_5411.jpg 先ずは上からという事で、ネックのヘッド部です。かなりヴィンテージ感溢れるヘッド部です。塗装剥げはありますが、木部のクラック等は見当たらず、しっかりとしています。


IMG_5410.jpg デフォルトのペグは駄目になったようで、国産のペグに交換されていますが、これも既に錆びが浮いていて、動きもとても渋かったので取替を考えました。デフォルトはGibson EBについているのと同じタイプのペグだったのですが、ヴィンテージパーツとしてこれを直ちに入手するのは難しくて、よくチェックしてみると国産のペグ交換の際にペグポストが通る穴が拡大されているようだったので、別のペグを探してみる事にしました。


IMG_5436.jpg そして見つけたペグが下画像の左です。右はそれまで付いていたペグとなります。新たなペグのプレートはGibson EB用とほぼ同じ形状で、取付けビス位置も似通っています。ツマミ部の足は長いですが・・・。


IMG_5437.jpg さて取替ようとして、ペグポストの太さを確認したら新たなペグの方が太い事に気が付きました。これでは既にペグポストが通る穴が拡大されているのに更なる拡大が必要となるので、ペグポストのみを旧と新とで組替えして対応しました。


 これまでペグつまみがポストの位置よりもヘッド先端の方に逆に取付いていたのも修正したので、見た目もスッキリとして収まっています。旧ペグの取付けビス穴は全て穴埋めをしました。

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 ペグ交換後の操作はとても楽になりました。これまでは思い切り力を込めてギシギシという手応えを感じながらのチューニングだったのですが、スムースに微調整が出来るようになっています。
 今回のエントリーの画像は某○ースセンターに出品されていた際のもので、私が入手した時の状態と同じです。

DS02210089.jpg 先ずは全体像です。うーん、この立ち姿に何年も憧れ続けてきたのです。


DS02210089_1.jpg ヘッド部です。塗装の剥がれやロゴの“A”部分が欠落して“mpeg”になっているのが分かります。ペグはデフォルトではGibsonのEBと同タイプの物なのですが、国産ペグに替わっていて、しかも何故かツマミ部とウォームギアの配置がデフォルトとは逆になっています。


DS02210089_2.jpg ペグは錆びていて、動きも渋いです。


DS02210089_3.jpg ネックの指板は擦り合わせがされていて、ポジションマークが埋め込まれています。デフォルトでは4弦部分の指板は平面にカットされていて、3弦部分との境界線がハッキリとしているのですが、このべースは境界線が面取りされていて3弦~4弦部分が自然に繋がっています。


DS02210089_4.jpg ネックはボディーに1本のピンで支えられておりネックアングル調整が可能なのですが、このべースはネックとボディーとの接触面が接着されているのが分かります。商品説明でも「ネックアングル調整機能はオミットされている」とありました。


DS02210089_5.jpg FRPで作製されたボディーは“タイ焼き”の様に表と裏の2ピースが側面で接着されているのですが、殆どのBaby bassは経年変化でその接着箇所の口が開いて、中の発砲ウレタンの“アンコ”が開口部から覗いています。この開口部を通過してウレタンから発生したガスの異臭が漂うのが普通なのですが、このべースでは既にガスが抜けきっているのか?臭わなかったのは助かりました。


DS02210089_6.jpg 構造がこの時点では不明のピックアップ部です。デフォルトでは金属製のブリッジサドルなのですが、木製に替えられています。木製サドルは一般的なウッドべースよりも小振りなもので、ワンオフで作られたものと思われます。金属製のブリッジサドルも付属しています。

 ブリッジサドルにはFishmanのピエゾピックアップBP-100も取付けられています。


 さっと画像を見てもホコリや金属部の錆びがあり、販売店でクリーニングやセットアップなどが一切施されていないのが分かるのですが、商品説明で聞いていたようにリペア前提で入手した私ですので、手付かず状態での安い価格設定はありがたい事でした。

 さて、これからたっぷりと時間を掛けて、Baby bassを再生していきますので、(興味のあるかたは)お付き合いをお願いいたします。
 ピックアップのポールピースに貼り付ける薄い磁石“スライス磁石”の作り方を説明しますと以前のblogに記したのですが、入手したAmpeg Babybassのセットアップに手間と時間を取られてなかなか“スライス磁石”を作る事が出来なかったのですが、やっとの事で作ったので説明します。画像多目ですが、興味のある方はご覧ください。

IMG_5817.jpg 先ずは“原材料”の駄目になった(駄目にした?)ピックアップから取り出したポールピースです。


 このポールピースの厚みを1mm以下に薄くしたいのですが、ポールピースの材料の磁石は“石”だけあって金鋸では切れません。で、私がカットするのに使った道具はペンチです。

IMG_5818_20140114195559134.jpg ペンチの刃にポールピースを咥えます。その際は2mm程度ポールピースの頭を出します。2mm以下だとカットの際にポールピースが細かく砕けてしまうので・・・。そして、ペンチを右手で力一杯握り締めるのですが、その際に左手はカットされた磁石が飛んで行かない様にペンチ部を覆います。手の肉を挟まない様に注意します。


IMG_5819_20140114195601507.jpg 磁石は金属と異なって結晶体なので、断面は“切れた”と言うよりも“割れた”ようになります。


IMG_5820_20140114195606a9c.jpg 次はこれを薄く削っていくのですが、その際に小さな磁石片をどうやって固定するかをあれこれ試行錯誤してみた結果がこちらです。磁石片を挿し込めるようと同径の孔が開いているものを工具箱から探したのですが、弦高を測定する際に使う“隙間ゲージ”の孔に着目しました。


 隙間ゲージ自体は1mm程度の厚みがあるのですが、何度もスライス磁石を作る際に使用しているので、穴周囲は0.4mm程度に薄くなっています。

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IMG_5823_2014011419564253c.jpg この隙間ゲージの固定方法ですが、作業台の上にネオジウム磁石を2つおいてこれを土台とします。


IMG_5824_2014011420030165e.jpg これに隙間ゲージを乗せます、というか(磁力で)くっ付けます。


IMG_5826_201401142003156c1.jpg 隙間ゲージとネオジウム磁石とを万力で作業台に固定します。


IMG_5828_20140114195649a7c.jpg 1方のネオジウム磁石の真上に隙間ゲージの孔が乗るようにセットします。このネオジウム磁石には、カットした磁石片をくっ付けて固定するのと、後述するサンダーで削る際の熱を冷やす“ヒートシンク”という2つの役目があります。


IMG_5843_20140114200454c65.jpg 隙間ゲージの穴にカットした磁石を入れます。土台のネオジウム磁石にくっ付きます。


IMG_5845_2014011420045318e.jpg これをベビーサンダーで削っていくのですが、その際には作業台に水をいれた小皿を近くにスタンバイさせておきます。


IMG_5847_201401142004523dd.jpg ベビーサンダーで数秒間磁石を削ったら、磁石は摩擦熱で真っ赤に焼けて、冷えたら真っ黒になってしまうので、ホンの1~2秒“チュン”と音がして火花が飛んだらベビーサンダーを磁石にあてがうのを止めて、水を指先に付けて“ジュッ”と磁石を冷やします。一連の作業中はベビーサンダーによる怪我に注意します。


 何十回も“チュン”と“ジュッ”を繰り返して磁石を削っていくのですが、この際にベビーサンダーの回転に弾かれて磁石が飛んで無くなる事もしばしばあります。いったん飛んでしまうと、小さな磁石片は見つけ難いです。後日、掃除中に何個か見つけた事もあります。その多くはスチール家具にくっ付いているのですが・・・。

 話をベース本体に振るのですが、今回の作業前にアンプからの出音をチェックして、1弦と最低音弦(4弦ならE弦、5弦ならB弦)の出力が揃うようにピックアップの高さ調整を行い、1弦と最低音弦の間の出力の弱い弦を特定しておきます。そのポールピースにスライス磁石を貼り付けして、出力のアップを図るのですから、スライスする厚みは全くもって“現場合わせ”となります。

IMG_5853_20140114200451330.jpg 今回は5弦べースの出力の弱い4弦をパワーアップする為なので、一旦は少し厚めの1mmにサンダーで削って、ベースのピックアップの出力の低いポールピースの頭に貼り付けて、アンプからの出音を聞きながら厚みを決めていきました。


IMG_5858_20140114200450192.jpg 厚みが0.5mmに近くなったら、ベビーサンダーの使用は止めて、ヤスリを使い手作業に切替えます。


IMG_5861_20140114202114f3c.jpg 手作業中でも力を加えすぎると、このように磁石が割れてしまうので油断は禁物です。私が作製出来る厚みの限度は0.4mm程度です。それよりも薄くするといくら優しく作業していても磁石が割れてしまいます。


IMG_5862_20140114202127bee.jpg Fenderの場合は各弦に対して2本のポールピースがあるのですが、厚めのスライス磁石が1ケでも、薄めのスライス磁石が2ケでも大丈夫です。又、JBの場合はフロントとリアのピックアップのそれぞれのポールピースに貼り付ける必要がある場合と、フロント側だけでOKの場合もありました。アンプからの出音の結果次第です。


 細かな事を説明しますが、スライスした面のエッジは鋭くなっているので、こちらを表にするとなると、サンドペーパーで面取りを行う必要があります。これも磁石が硬いのと、スライス磁石自体がとても小さいので持ちにくくて作業は大変です。

 更に(見えない)細かな事ですが、磁石にはNとS極があります。ピックアップのポールピースも磁石なので極性があります。JBではフロントとリアのピックアップのポールピースはそれぞれが逆磁性になっています。

 今回、作製したスライス磁石もポールピースを削っているので、当然2つの磁極があり、ピックアップのポールピースの頭に貼り付けする際は、その磁極に引き寄せられるようにスライス磁石の表裏を決めなくてはならないと以前は考えていたのですが、ポールピースを薄く削っていくと、当初は表裏にあった磁極が、最終的には磁石の2ヶ所の縁に移動する事が分かりました。

 という事で、スライス磁石の磁極を気にせずに貼り付けしています。最終的に各弦の出音のバランスが確定したら、ポールピースの頭に極少量の瞬間接着材を爪楊枝の先で付けて、スライス磁石を接着固定します。接着しておかないと、プレイ中に弦の方にスライス磁石がくっ付いてしまいます。接着したスライス磁石を剥がす時は、ラジオペンチで摘んで捩りを加えると、ペキッと外れます。

 以上、スライス磁石の作製方を説明したのですが、作業中には何箇所かに怪我をするおそれがある工程があります。私がこれまで作製方を説明しなかったのはそのおそれを危惧していたからなのですが、作ってみようとお考えの方は、手順をご理解の上、自己責任で怪我に注意をしながらの作業をお願いします。

IMG_5864_201401142021410c0.jpg ピックアップの高さ調整や弦のチョイスでは対応出来ない各弦の出力バランスの悪さが気になるベースは、多々あります。私の手元には未整形を含む厚みの異なる何個かのスライス磁石が、必要とされる時を待っています。


 厚みを均一に削ったり、エッジを綺麗に面取りしたりするのはとても難しくて、画像では形の“いびつ”な物もありますが、綺麗な娘(スライス磁石)から順に嫁いで(ベースに貼り付けられて)います。

 今回のスライス磁石を作るのはとても面倒なのですが、一旦その効果を実感したらもう止められません。以前はポールピースを強引に出し入れして出力のバランス取りを行っていたのですが、その際にコイルを断線させた事も何度かあります。スライス磁石ならばそんなリスクも無く、弦を交換してバランスが変わっても対応が出来ると言うのも良いポイントだと思います。
 2007年に熱帯JAAZ楽団のコピーバンド、熱狂楽団TAPASCONを立ち上げて以来、ずっと求めていたべースがありました。本家熱帯JAAZ楽団のベーシストの高橋ゲタ夫さんが弾いているAmpegのBaby bassがそれです。

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 何度か高橋ゲタ夫さんのライブを聴きに行って、Baby bassの“ポコン・ポコン”とした独特な出音に魅了されて、「いつかは入手してやる」との思いはあったのですが、如何せん60年代に作られたものなので現存数が少なく、売り物を見かける機会はこれまで多くはなかったです。一度楽器屋で触った事があったのですが、それはとても状態が良くてかなりの高額だったので手が出なかったです。

DS02210089.jpg そんな折、デジマで某○ースセンターにBaby bassの売り物があるのを見つけました。しかも相場があるとすれば、かなりの低価格です。「おおっ!」と思い速攻で○ースセンターの○バさんに電話をかけて、ベースの状態を問合せしました。○バさん曰く「かなりの箇所に手が加えられており、リペアが必要と考えてください」との事でした。

 「Baby bassをイジれる!」弾く事よりもイジれる事に興味を持った私は、購入を決心したのでした(笑)送金した次の日に到着したBaby bassを(弾く前に)見ての第一印象は「これはかなりイジり甲斐があるぞ!」でした。

 (しばらく)続く・・・。
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 旧年中はお世話になりました。本年も宜しくお願いいたします。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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