Category : アンプ
IMG_7335.jpg B-15Sの出音をより私の好みに近づける為にオリジナルのスピーカーをElectro Voice EVM-15Lに交換したのですが、実はこのスピーカーには“難”がありました。


IMG_7338a.jpg 昨年、このEVM-15Lを床に置いてクリーニングしていた時に、胸ポケットに入れていたスマホがスルリと滑り落ちて、コーンの上でポンッと跳ねたのです。その時はスマホの画面が割れていないか?が気になっただけなのですが、後日コーンに亀裂を見つけたのです(泣)。


IMG_7342.jpg コーン表側はさほど目立たないのですが、裏側をみると6cmほどコーンが裂けていました。ショックではあったものの直ぐに使う予定がなかったので、そのままストックしていたのですが、この度のB-15Sのスピーカー交換に「このEVM-15Lが良いのでは?」と白羽の矢が立ったので、交換前にコーンの亀裂を補修する事にしました。


IMG_7336.jpg これが今回使用した材料です。白いのは障子紙で、コーン紙の補修で何か良いものがないかとホームセンターに探しに行った際に、貼り替え用障子紙の“サンプル”としてあったものをいただいてきたものです。ボンドは手持ちの水性木工用ボンド(以下 ボンド)、そしてこれも家にあった習字に使う墨汁です。したがって今回の補修では(も)新規購入品ゼロとなります(笑)。


IMG_7355.jpg 修理開始です。コーン裏の亀裂周囲にボンドがはみ出ないように養生テープを貼り、これをガイドにして水で薄めたボンドを筆で塗りました。


IMG_7358.jpg 障子紙は適当な大きさにカットして、こちらにもボンドを塗りました。


IMG_7360.jpg コーンの亀裂に障子紙をあてがい、その上から更にボンドを染み込ませます。


IMG_7364.jpg ボンドが硬化する前に白い障子紙に薄めた墨汁を塗り、周囲と色合わせを行いました。墨汁の乾燥後には補修個所が目立たなくなっています。


IMG_7369.jpg 補修直後はコーン表側の亀裂に白のボンドが染み出ていて、かつ亀裂周囲はボンドの水分でコーン紙がふやけて少し盛り上がっていました。


IMG_7380.jpg しかしながらボンドの乾燥後はコーンの張りが戻り、亀裂も目立たなくなっています。


IMG_7499.jpg コーンを補修したEVM-15LをB-15Sのキャビネットに取り付けてチェックしましたが、以前の出音を思い出す限り補修故の出音の変化は感じられなかったです。オーディオで左右のスピーカーのどちらかを補修すれば違いが気になるのでしょうけれど、ベースアンプとしての使用では補修個所の出音への影響は微々たるものと思われます。


 出音の変化以上に気になったのが補修個所の耐久性ですが、このスピーカーを鳴らしているB-15Sは60Wの出力で、かつ自宅での使用なので、過大な音量で鳴らす事はない為に、補修後にしばらくグリルネットを付けずにコーンの様子を見ながら使用しているのですが、問題は無さそうです。

 このEVM-15L用のリコーン・キット(コーンの張り替えキット)が販売されてはいるのですが高額になるのと、リコーンは行った事が無くて作業工程に不安があるので、この度は原価ゼロで簡単に復活できて助かりました(笑)。
スポンサーサイト
 メンテナンスとクリーニングが一通り終わったAmpeg B-15Sですが、自宅での練習時に少し音量を上げると、スピーカーからの極低域が部屋(というか家)を揺らしてしまい、家人からクレームが来たので(汗)、少し出音の腰上げ(低域軽減)を図りました。

 記事のタイトルはモディファイとしたのですが、40年前の貴重なアンプなので、ハムノイズ解消の為にやむなく行った電解コンデンサーの交換以外には不可逆的な加工は避けるべく、ここからの作業は全て元に戻せるものです。



IMG_7238.jpg 先ずはプリアンプ部のプリの真空管を交換しました。このB-15Sは2つの入力を持つのですが、1chは音色の切り替えモード付、2chはそのモード無しで、出音を比べると1chの方が音色切り替えの回路を経由している為か微妙に音痩せしている感じがしました。今回は出音の極低域をカットしたいので、既に音痩せ感のする1chを更にスッキリとさせるのが良いと考えて、1chのプリ管を出音をチェックしながら手持ちの何本かと交換してみました。


IMG_7492.jpg こちらはそのプリ管群でメーカーや仕様が異なるものの全て12AX7対応品です。左端のGroove TubesのGT-12AX7-Rはこれまで出音をスッキリとさせたい時に度々使ってきたものなのですが、今回の真空管交換の際に足廻りのガラスが割れてしまったようで、電源を入れると同時にプシューという音がして内部が白く曇って、ご臨終となってしまいました(泣)。仕方なく他の真空管をチェックして決めたのは、右端のCHINAという表示の12AX7です。これまで取り付けしていたSovtek 12AX7WAよりも明るめの出音となっています。


 このように真空管1本でキャラクターを変えられるのが、真空管アンプの良さというか醍醐味ですね。パワー管にまで手を染めると底無しの泥沼になるのは必至ですが・・・(汗)。



 更なる出音のスッキリ具合を求めてスピーカーを交換しました。昨年、15インチスピーカーを数台集めて1台のキャビネットに取り付けして、出音をチェックした事があったのですが、その時に最も硬質なイメージがあった右端のエレクトロボイスのEVM-15Lの事を思い出して、ストックしていた倉庫から出してきて交換しました。

IMG_4991.jpg         IMG_7499.jpg




 スピーカー交換の際にはキャビネット内部の吸音用グラスウールを厚みのあるものと交換しました。グラスウールを多く入れると箱鳴りが減少して出音がタイトになります。同時にキャビネット内部のスピーカーケーブルをこちらもタイトな出音となるBelden 9497(ウミヘビ)に交換しています。そしてキャビネット内のアンプをひっくり返して収納するスペースにもグラスウールを詰め込みました。(元のキャビネッ内部の状況はこちらにあります。)

IMG_7390.jpg         IMG_7395.jpg


 このグラスウール・チューニング(?)、実はとても奥が深いです。キャビネットのキャラクターがグラスウールの量や詰め方によってかなり変化します。一度は内部に斜めに入った補強木材の上に厚手のフェルトのパットを乗せてキャビの容量を減少させる事も行ったのですが、これでは出音が痩せ過ぎてしまいました。グラスウールの交換自体は上蓋が外せるフィリップトップスタイルなのでとても楽で、今後もトライしようと思うのですが、肌にガラス繊維が刺さってチクチクするのがちょっと難点です。



 以上の作業の複合効果で、アンプからの極低域の再生は減少し、出音に歯切れ感が増したのが確認できました。アンプのベースEQを絞るよりもナチュラルな低域の削減となった感がします。とは言うもののやはり大口径の15インチスピーカーには変わりがないので、自宅では大音量での使用は難しいのですが、このB-15Sは小音量でも中低域の存在感がありベースラインが聞き取りやすいので、練習の際に重宝しています。いつもPBを弾いて“モータウンごっこ”をしています(笑)。
 全ての機能はメンテナンスにより回復できたので、ルックスの向上の為にクリーニングを行いました。外皮のビニールレザーはマジックリンで汚れを落とし、アーマーオール(車の内装用艶出し剤)で磨きました。

IMG_7264.jpg               IMG_7268.jpg


 クリーニング前にはビニールレザーの裂け目をボンドで接着して、補修跡は半艶消しの黒ラッカーを塗り目立たなくしています。下画像は最もダメージが大きかった箇所です。

IMG_6863.jpg        IMG_7287.jpg


 メタルパーツに発生していた錆は真鍮ブラシで擦って落として、コンパウンドで磨いています。メタルパーツは釘打ち固定で取り外しができなかったので、周囲をマスキングしての錆落としとなり、手間が掛かっています。

IMG_6841.jpg        IMG_7281.jpg


IMG_7241.jpg アンプのコントロールパネルはクリアーラッカーが劣化していたのですが、ここは更なる劣化を防ぐ為にワックスを塗り込んでいます。


 クリーニング後はシュッとした見栄えとなり、旧いアンプだけど丁寧に扱われてきたという印象になっています。

IMG_7247.jpg          IMG_7277.jpg


IMG_7273.jpg          IMG_7279.jpg




 さて、やっとここに来てこのB-15Sの出音についてです。基本的にはこちらの動画通りの“ポコンポコン”とした中低域がゴムまりのように膨らんだ出音で、ベースを弾いていて心地良いです。特にPBとの相性は抜群です。私のフラットワウンド弦を張った63PBをハイファイなベーアンで弾くと、必要の無いハイの成分が嫌味に聞こえるのですが、このB-15Sではこれが抑えられているので、PB本来の持ち味を十分に堪能できます。



 ただし、この動画は音響特性の整ったスタジオできっちりと録画・録音されているのですが、私の木造の自宅の部屋では少しボリュームを上げると重低音の為に部屋のあちこちから“ビリビリ”とした共振音が聞こえてきました。ベースとアンプの間にグラフィックEQを噛ましてチェックしたところ、EQの最低域の50Hz以下がかなり出ているのが分かりました。

 常時グラフィックEQを繫いで50Hzを下げたり、アンプのベースツマミを絞ったりすると、この部屋のビビリは減少するのですが、そうするとアンプからの心地良い膨らみ感のある出音も幾らかスポイルされてしまいます。という事で、次の記事ではEQに頼らずにこのB-15Sの出音を私の好みに持っていく作業を行なってみます。
 アンプ側のチェックとメンテナンスが終わったので、次はスピーカーキャビネットについてです。

IMG_7122.jpg チェックの為に取り外した15インチスピーカーです。コーン紙やエッジにダメージは見当たりません。


IMG_7117.jpg 鉄板をプレスして成型したフレームを持つローコスト感満載のルックスなのですが、ポコポコという“イナタさ”がありながらもモコモコとはならない“歯切れ”も感じる出音です。許容入力の記載が無いのですがアンプが60Wの出力なので、100W程度の許容入力と推測します。大許容入力のスピーカーは作りが“ガチガチに固い”のですが、このスピーカーは真逆の“緩い作り”なので、入力に軽やかに反応するこのような出音となっているのと思います。


IMG_7120.jpg 正方形のマグネットに5801541と67 7829のスタンプがありました。この内で67はエミネンス社の製造者コード、7829は1978年第29週目の製造を表していて、以前の記事でアンプ内部のポットの刻印から判明した78年の製造年と合致しているので、このスピーカーはオリジナルと判断しました。


IMG_7124.jpg スピーカーを外したこのアングルからは、キャビネットの“これでもか”という程の補強材が見えています。画像では分かり辛いのですが、スピーカー取付け用ビスの穴のいくつかには“遊び”があったので、全て埋め木して新たな穴を開けています。


IMG_7126.jpg チェック後にスピーカーをキャビネットに戻しました。1本欠品していたスピーカー取付けビスは同形状のインチビスが入手できなかったので、代用品で対応しています。


 スピーカーの入力部ではスピーカーケーブルの導線を捩って端子に結線されていたのですが、絶縁カバー付端子を取り付けして確実に接続しました。

IMG_6890.jpg         IMG_6962.jpg


 スピーカーグリルはグリルネットが上下方向に収縮しグリル枠が反っていたので、裏側に補強のツッパリ棒を仕込んで反りを矯正しています。

IMG_7128.jpg         IMG_7137.jpg
 ハムノイズが発生していたのを解消する為にアンプ専門ショップに送っていたB-15Sのヘッドアンプが修理を終えて戻ってきました。

 やはりハムノイズの原因は電源部の整流用電解コンデンサーでした。ショップがチェックした時点ではコンデンサーの容量抜けは1個のみだったのですが、他のコンデンサーも早晩寿命を迎える事になるので、ショップのアドバイス通りに全ての電解コンデンサーを交換していただきました。

IMG_7302.jpg 返却された元の合計8個のコンデンサーです。(実際はこれ以上の個数が交換されていました)これらは40年前のコンデンサーですので、現在は同メーカー・同形状のものは入手ができなくて、規格が同等のもので交換となっています。


 下の画像の左が修理前、右が修理後のアンプシャーシ内部の画像です。見える範囲では黄色の星印でマークしたコンデンサーが交換されています。パッと見でも分かるように現在のコンデンサーは元のものより同規格でも小振りになっているので、シャーシ内部がスッキリとしています。

IMG_6919.jpg         IMG_7250a.jpg


 コンデンサーの固定支持金具にはショップの手製も含まれていたり、コンデンサーがシリコンコーキングで固定されていたりと、ショップのアンプ修理へのスキルの高さが垣間見えます。(このショップとのメールでのやりとりで、今回のB-15Sを含めて多くのAmpegの真空管ベースアンプの修理実績があるのが分かり、安心して修理依頼をしています。)

IMG_7251a.jpg         IMG_7255a.jpg


 修理後の出音のチェックでは、気になっていたハムノイズはほとんど消えていましたが、ほんの僅かながら残っていました。これはコンデンサーとは別な要因ですので今回の修理ではこれで良しとします。古い真空管アンプでノイズゼロを望むのが間違いだという事で・・・。

 またハムノイズの原因だった整流用の電解コンデンサーだけでなく、他の電解コンデンサーも将来の不安の解消の為に交換したので出音(音質)への影響を懸念したのですが、修理後のスピーカーから聞こえるベース音そのものには何も変化が無いように感じます。

 このB-15Sは自宅での練習がメインの使用となっているのですが、これまでのベースを弾いていない時に気になっていたハムノイズが激減したので、ストレスフリーで練習する事ができるようになっています。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
ブロとも申請フォーム