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Category : Gibson 65EB-3
 あまり弾く機会のないGibson 65EB-3をたまにはという事で、ケースから取り出して弾いてみました。

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 タイプの異なる2つのハムバッキング・ピックアップと複雑な回路の組み合わせで、良く言えば“ワン&オンリー”、悪く言うと“汎用性の無い”出音のベースです。ネット上にあるEB-3の回路図を参考にして、ロータリースイッチの各ポジション時の配線を描きました。実線に信号が流れていて、破線はオフになっています。

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 分かり辛いので、破線を消去して活きている回路だけにしてみました。少し回路が読み取り易くなっていて、ポジション①はコンデンサーでハイカットされたフロントPU、ポジション②はリアPU、ポジション③は抵抗とコンデンサーとコイルで構成されるバンドパスフィルターによりローとハイがカットされたフロントPU+リアPU、ポジション④はバンドパスフィルター経由のフロントPUとなります。

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 という事はどのポジションでもフロントPUの素の音は出なくて、ポジション①では音程が分からない程のモーモーとした音、ポジション③と④はフロントPUからの信号とは思えない程にペキンペキンに硬くてかつ音量はグッと下がります。現状(デフォルト)ではこのような出音なので、フロントPUに繋がるコイル、コンデンサー、抵抗を直ぐにでも取り外したい欲望にかられるのですが、このEB-3はフルオリジナルなので手を加えられないです(汗)。

 実はこの回路図を描いたのは、ポジション③~④の間に現れるローとハイが混ざったナイスで使える出音の際の回路を解析する為だったのですが、これは電気的というよりもロータリースイッチの機械的で微妙な接触具合によるものだったので、解析不能でした(汗)。ストラトギターのハーフトーンのようなシンプルなものではなかったのです。
 


 そんなEB-3をアンプに繋いで演奏していると、特にE弦を強く弾いてボディーが振動した際にアンプからチリチリというノイズが聞こえてきました。どうもフロント・ピックアップからのようで、そのメタルカバーに指が触れてもチリチリ音がしました。

IMG_8472.jpg フロント・ピックアップのメタルカバーがアースに完全に落ちていない気がしたので、テスターで弦(ブリッジを介してアースに落ちている)との直流抵抗値を測定すると「0.L(導通無し)」の表示でしたので、やはりアース落ちしていないのが分かりました。


IMG_8473.jpg カバーを取り外してフロント・ピックアップのシャーシと弦との抵抗値は「0Ω」で導通があるので、この結果、ピックアップのシャーシとメタルカバーが触れるか触れないかの状態で、メタルカバーがアースにキッチリと落ちていなくて、逆にノイズを拾うアンテナになっているのが分かりました。


IMG_8494.jpg これはフロント・ピックアップの下に敷いたウレタンスポンジがへたって、ピックアップをメタルカバーに押しつける力が減少したのが原因なので、より厚いウレタンスポンジと交換しました。


IMG_8499.jpg この対策後はメタルカバーがアースに落ちていてノイズは消えていました。恒久的な対策としてはメタルカバーのネジをアースに落とした銅板に捻じ込むなどの方法があるのですが、前述の理由でこのEB-3には新たな加工はせずに、又ウレタンスポンジがへたったら再度交換で対応します。そうそう、数年前に私の手元にきた後に一回交換しているのを思い出しました。
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 入手したGibson 65EB-3について長々と語ってきましたが、やっと最終項です。手放した70年のEB-3との違いを説明する事が多かったのですが、何故70年を手放して65年を入手したの?という問い(問われてはいないのですが・・・汗)にお答えすると、単純な事です。この65年モデルはCREAMのジャック・ブルースの弾く62年モデルに年式が近いからです(笑)。

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 ジャック・ブルースを聞いて、この道に入った私としては彼(勝手に師匠と思っています)の弾くベースに興味が沸いたのは当然の事です。卵から孵った雛が初めて見た動物を“親”として慕うのに似て、ベース=Gibson EB-3と“刷り込まれた”のです。もっとも私は、その後に聞いたレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズでベース=Fender Jazz Bassに変ってしまったのですが・・・(汗)。

 ともあれ、EBならば62年のEB-3との思いが有りつつも、実際に入手してきたのは62EB-0、69EB-0、70EB-3とどこか“外れている”ものばかりだったので、前オーナーのべーさんからの「買いませんか?」のお誘いが62年に近い65年モデルだった事もあり、(値段も含めて)お断りする理由が見つからなかったというのが実情です。

 FenderのJBやPBの62年はスラブ指板の特徴を持ち、音も格段に良いとの“都市伝説”があり、とても高額な売買価格になっていますが、ことEB-3の62年辺りが同様に高額なのは、音云々というよりも“ジャック・ブルース神話”の影響の方が強いと考えています。

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IMG_4167.jpg ショップに依頼したネック調整、ブリッジ部のリセッティング、全てのパーツの磨き等々を終了して、半年前の入手時とは比較出来ない程に良い状態となった65EB-3です。この先、私がこの65EB-3を実際にバンドでプレイする事があるか?は分からないのですが、私の“青春の思い出”として(笑)、ずっと大事に保存していく事は間違いないですね。


 この度の一連のエントリーで“出音”に関してのものが少なかったのですが(汗)、それは仕方ない事です。やはりFenderのJBやPB、同じGibsonならばThunderbird等のロングスケールのベースと比べるとショートスケールのEBはローの出が物足りなく感じてしまって・・・。でも良いのです。元々“刷り込まれて”好きになったベースなので、ギタースタンドに立てかけてあるのを眺めているだけで一杯飲めますから・・・(笑)。
 ヘッドに付いているペグについてです。65年のグローバー製のオープンバックのペグが70年ではシャーラーの軽量ペグに替わっています。

 65EB-3
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 70EB-3
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 話が逸れますが、この年代の間の67~69年頃には別なペグも存在します。このビザール感たっぷりのペグプレートの裏には“Japan”の刻印があります。

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DSCF3563_201309291445288c1.jpg 現代でこそ国産のGOTOHのハードウェアーが世界中の多くのギターメーカーで使用されていますが、60年代ではこのペグと、Fender 68Telecasterbassに使われていたNisseiのコンデンサーくらいしか、日本製のパーツが海外のギターメーカーで使われていた例を私は知りません。


 デザイン的にはグローバー製のペグが好みの私です。そのペグの重みによる“ヘッド下がり”が気になるところですが、同じペグを持つEB-0と比べると、リアのPUやコントロールパーツの追加のお陰か、65EB-3の方が重量バランスは良くて、“ヘッド下がり”で演奏性が損なわれる程ではありません。

 そしてこれまで色んなベースに触れてきて思うのですが、ペグはあまり軽過ぎなくて適度に重量がある方がコンプ感や低域の沈み感が増して、弾いていて心地良いですね。
 ネックについてです。手放した70年の握りを思い出すに、65EB-3の方が太いです。

 70EB-3
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 65EB-3
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 セットネックの取付け部の形状は年式で異なるのですが、以前にチェックした画像と比べると、65EB-3は62年と同形状です。

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 その65EB-3のネックの状態ですが、私が入手時にはハイポジ起きになっていて、ハイポジで弦高が高くなるのでブリッジをベタベタに下げる必要があり、ブリッジ下のミュートシステムが取外されていました。

 しかしそうすると、背の高いリアPUのエスカッションに弦が干渉するので、ここはリセットの必要がありと判断して、いつものリペアーショップでネック調整(矯正)を行いました。その内容は、ヒーティングでハイポジを逆反り気味にし、更にハイポジの数フレットを抜いて指板のフレット溝を樹脂で埋めてから細い溝切りをしてフレットを打込むと言うものです。これはフレットによるクサビ効果を狙っています。

 この調整方法はこれまでに私の手持ちのThunderbird 2本に施していて好結果を得ているので、今回もショップにお願いをしました。ネック調整から帰ってきたEB-3のネックをチェックすると、ハイポジで若干の逆反り気味になっていました。これは、これまでの2本共に同じで、使っていく内に馴染んでくる事と思います。

IMG_3908.jpg このネック調整によって、ブリッジは先のエントリーにある様にボディーとの間に7mmのスペーサーが入るほどに高くなり、ミュートシステムもブリッジ下に取付け可能で、リアPUとの干渉も無くなりました。早い話、メーカー出荷時の状態に戻ったという事です。


 先のエントリーのブリッジをボディーと水平に保つリプレースメントパーツとの相乗効果で、弦を弾いた際の指への弦振動の“戻り”も良好で、気持ち良く弾ける状態になっています。
 遠目に見ても製造年が65年よりも前か?後か?を判別出来るチェックポイントが有ります。左の65EB-3のコントローラーの配置は右の70EB-3よりも広がっています。ジャックの位置も異なっています。

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 コントロールキャビティー内部は、パーツの配置は違えども、回路自体には大きな違いは無さそうです。

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EB3schematic-series1a.jpg ただし、このコントロール回路は回路図を見ても、実際の出音を聴いても、その複雑な回路の必要性は感じられません(汗)。特にポジション①のフロントPUのみは、牛の鳴き声の如く“モー”としか聞えません。


 そして、もう一つの“問題点”があります。それはフロントPUに直列に配線されている220kΩの抵抗の存在です。おそらくはフロントPUの出力を下げてリアPUの出力に合わす為、もしくはリアPUのヴォリュームやトーンの調整時の干渉を受け難くする為に有るのでは?と思います。でもどう考えても私にとってはこの抵抗は無用の長物に感じられたので、アース線を使って図の赤線の如く抵抗をバイパスしました。

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 この抵抗をバイパスして気に入った音になったかというと、そうでもありません(汗)。リアPUのみを使ってマーシャルで歪ませると良いのでしょうけど、いつもいつもそんな機材を使うことは出来ないので、ベース本体だけで何とかならないかと工夫するなかで、やっと見つかりました。良い音となるセッティングが・・・。

 回路を切替えるロータリースイッチの4つのポジションの間に“答え”がありました。ストラトギターのPU切替えスイッチで言うところのハーフポジションなのですが、フェイズトーンではありません。4つのポジションの②~③、もしくは③~④の間でスイッチを止めると、低音と高音が適度にミックスされた出音となるのです。厳密に言うと③~④では2つの音色があるのですが、その内で③寄りの音が一番の好みとなりました。

 演奏中はスイッチに触れない限り音が切替わる事はありません。ロータリースイッチの微妙な接触具合で配線が変っているので、回路的に何と何が並列でこちらが直列だとかは分かり辛いのですが、出音が気に入ればそれでOKという事にします(笑)。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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