Category : Gibson 65EB-3
 入手したGibson 65EB-3について長々と語ってきましたが、やっと最終項です。手放した70年のEB-3との違いを説明する事が多かったのですが、何故70年を手放して65年を入手したの?という問い(問われてはいないのですが・・・汗)にお答えすると、単純な事です。この65年モデルはCREAMのジャック・ブルースの弾く62年モデルに年式が近いからです(笑)。

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 ジャック・ブルースを聞いて、この道に入った私としては彼(勝手に師匠と思っています)の弾くベースに興味が沸いたのは当然の事です。卵から孵った雛が初めて見た動物を“親”として慕うのに似て、ベース=Gibson EB-3と“刷り込まれた”のです。もっとも私は、その後に聞いたレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズでベース=Fender Jazz Bassに変ってしまったのですが・・・(汗)。

 ともあれ、EBならば62年のEB-3との思いが有りつつも、実際に入手してきたのは62EB-0、69EB-0、70EB-3とどこか“外れている”ものばかりだったので、前オーナーのべーさんからの「買いませんか?」のお誘いが62年に近い65年モデルだった事もあり、(値段も含めて)お断りする理由が見つからなかったというのが実情です。

 FenderのJBやPBの62年はスラブ指板の特徴を持ち、音も格段に良いとの“都市伝説”があり、とても高額な売買価格になっていますが、ことEB-3の62年辺りが同様に高額なのは、音云々というよりも“ジャック・ブルース神話”の影響の方が強いと考えています。

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IMG_4167.jpg ショップに依頼したネック調整、ブリッジ部のリセッティング、全てのパーツの磨き等々を終了して、半年前の入手時とは比較出来ない程に良い状態となった65EB-3です。この先、私がこの65EB-3を実際にバンドでプレイする事があるか?は分からないのですが、私の“青春の思い出”として(笑)、ずっと大事に保存していく事は間違いないですね。


 この度の一連のエントリーで“出音”に関してのものが少なかったのですが(汗)、それは仕方ない事です。やはりFenderのJBやPB、同じGibsonならばThunderbird等のロングスケールのベースと比べるとショートスケールのEBはローの出が物足りなく感じてしまって・・・。でも良いのです。元々“刷り込まれて”好きになったベースなので、ギタースタンドに立てかけてあるのを眺めているだけで一杯飲めますから・・・(笑)。
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 ヘッドに付いているペグについてです。65年のグローバー製のオープンバックのペグが70年ではシャーラーの軽量ペグに替わっています。

 65EB-3
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 70EB-3
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 話が逸れますが、この年代の間の67~69年頃には別なペグも存在します。このビザール感たっぷりのペグプレートの裏には“Japan”の刻印があります。

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DSCF3563_201309291445288c1.jpg 現代でこそ国産のGOTOHのハードウェアーが世界中の多くのギターメーカーで使用されていますが、60年代ではこのペグと、Fender 68Telecasterbassに使われていたNisseiのコンデンサーくらいしか、日本製のパーツが海外のギターメーカーで使われていた例を私は知りません。


 デザイン的にはグローバー製のペグが好みの私です。そのペグの重みによる“ヘッド下がり”が気になるところですが、同じペグを持つEB-0と比べると、リアのPUやコントロールパーツの追加のお陰か、65EB-3の方が重量バランスは良くて、“ヘッド下がり”で演奏性が損なわれる程ではありません。

 そしてこれまで色んなベースに触れてきて思うのですが、ペグはあまり軽過ぎなくて適度に重量がある方がコンプ感や低域の沈み感が増して、弾いていて心地良いですね。
 ネックについてです。手放した70年の握りを思い出すに、65EB-3の方が太いです。

 70EB-3
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 65EB-3
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 セットネックの取付け部の形状は年式で異なるのですが、以前にチェックした画像と比べると、65EB-3は62年と同形状です。

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 その65EB-3のネックの状態ですが、私が入手時にはハイポジ起きになっていて、ハイポジで弦高が高くなるのでブリッジをベタベタに下げる必要があり、ブリッジ下のミュートシステムが取外されていました。

 しかしそうすると、背の高いリアPUのエスカッションに弦が干渉するので、ここはリセットの必要がありと判断して、いつものリペアーショップでネック調整(矯正)を行いました。その内容は、ヒーティングでハイポジを逆反り気味にし、更にハイポジの数フレットを抜いて指板のフレット溝を樹脂で埋めてから細い溝切りをしてフレットを打込むと言うものです。これはフレットによるクサビ効果を狙っています。

 この調整方法はこれまでに私の手持ちのThunderbird 2本に施していて好結果を得ているので、今回もショップにお願いをしました。ネック調整から帰ってきたEB-3のネックをチェックすると、ハイポジで若干の逆反り気味になっていました。これは、これまでの2本共に同じで、使っていく内に馴染んでくる事と思います。

IMG_3908.jpg このネック調整によって、ブリッジは先のエントリーにある様にボディーとの間に7mmのスペーサーが入るほどに高くなり、ミュートシステムもブリッジ下に取付け可能で、リアPUとの干渉も無くなりました。早い話、メーカー出荷時の状態に戻ったという事です。


 先のエントリーのブリッジをボディーと水平に保つリプレースメントパーツとの相乗効果で、弦を弾いた際の指への弦振動の“戻り”も良好で、気持ち良く弾ける状態になっています。
 遠目に見ても製造年が65年よりも前か?後か?を判別出来るチェックポイントが有ります。左の65EB-3のコントローラーの配置は右の70EB-3よりも広がっています。ジャックの位置も異なっています。

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 コントロールキャビティー内部は、パーツの配置は違えども、回路自体には大きな違いは無さそうです。

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EB3schematic-series1a.jpg ただし、このコントロール回路は回路図を見ても、実際の出音を聴いても、その複雑な回路の必要性は感じられません(汗)。特にポジション④のフロントPUをチョークコイルに通した出音なんぞ、牛の鳴き声の如く“モー”としか聞えません。


 そして、もう一つの“問題点”があります。それはフロントPUに直列に配線されている220kΩの抵抗の存在です。おそらくはフロントPUの出力を下げてリアPUの出力に合わす為、もしくはリアPUのヴォリュームやトーンの調整時の干渉を受け難くする為に有るのでは?と思います。でもどう考えても私にとってはこの抵抗は無用の長物に感じられたので、アース線を使って図の赤線の如く抵抗をバイパスしました。

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 この抵抗をバイパスして気に入った音になったかというと、そうでもありません(汗)。リアPUのみを使ってマーシャルで歪ませると良いのでしょうけど、いつもいつもそんな機材を使うことは出来ないので、ベース本体だけで何とかならないかと工夫するなかで、やっと見つかりました。良い音となるセッティングが・・・。

 回路を切替えるロータリースイッチの4つのポジションの間に“答え”がありました。ストラトギターのPU切替えスイッチで言うところのハーフポジションなのですが、フェイズトーンではありません。4つのポジションの②~③、もしくは③~④の間でスイッチを止めると、低音と高音が適度にミックスされた出音となるのです。厳密に言うと③~④では2つの音色があるのですが、その内で③寄りの音が一番の好みとなりました。

 演奏中はスイッチに触れない限り音が切替わる事はありません。ロータリースイッチの微妙な接触具合で配線が変っているので、回路的に何と何が並列でこちらが直列だとかは分かり辛いのですが、出音が気に入ればそれでOKという事にします(笑)。
 65年と70年のEB-3のピックアップ廻りを比較してみました。

IMG_4156.jpg 65EB-3のリアPUのエスカッションは、素材の黒色の樹脂にシルバーのメッキが施してあるのですが、現存する同年代のEBの殆どはこの様にメッキが剥げて黒色との曼荼羅模様になっています。


70eb (13) 70EB-3のエスカッションは黒の樹脂のままです。


IMG_4159.jpg 65EB-3のこのパーツは、フロントとリアのピックアップの間にあるので、ピックアップフェンスではなくて、パームレスト(手の平置き場)と呼ぶべきでしょうか?ピックガードに乗り掛かる側の足は、反対側よりもピックガードの厚み程短くなっています。


 画像は無いのですが、70EB-3ではブリッジにフェンスが付きます。

 以下の二つ並びの画像は左が65年、右が70年です。フロントPUのカバーはよくよく見ると、取付けビス頭を逃げる窪みの大きさが異なります。左の65EB-3のPUカバー取付けビスは不揃いだったので、Gibsonのギター用のエスカッション固定ビスを入手して取付けました。

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 ピックガードは一見同じなのですが、形状・取付けビス位置が異なっています。65EB-3のピックガード取付けビスも不揃いだったので、Gibson用の黒色のビスを入手して取付けたのですが、65年当時のビスはニッケルメッキだったので、これはいずれ交換します。

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 三日月状のエボニー製のフィンガーレストは、ピックガードを取付けした後の工程でビス穴を開けて取付けしているので、職人まかせの位置になっています。Fenderのフィンガーレストは、ピックガードの製作工程時にテンプレートで決められた位置に穴開きがされた箇所に取付いています。この事からは大量生産性を追求したFenderと、職人の手仕事を優先したGibsonとのメーカーの気質の違いを窺い知る事ができます。
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F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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