Category : Gibson 63Thunderbird Ⅱ
 前回のエントリーで、ヘッド折れ補修とリフィニッシュというThunderbirdが“普通に歩む道(汗)”が確認されたこのベースですが、製造年をチェックしてみました。ヘッド裏の先端部にマーキングしてある筈のシリアルナンバーはリフィニッシュの為に塗り潰されていて確認が出来ません。

_IGP4907.jpg という事はキャビティ内のポットをチェックするしかないなと考えて実行しました。左はボリュームポットです。13764○○の刻印が確認出来ます。137はCTS社製を表し、64は1964年製を表します。半田の山に隠れた部分には2桁の数字がある筈で、これはその年の第何週目かという製造週を表します。


_IGP4909.jpg トーンポットには刻印が無くて、ポット本体もボリュームポットとは異なっているので、交換された物と思われます。


 入手時に前オーナーからこのベースはThunderbird 製造初年度の63年製と聞いていたのですが、それを示す根拠は見つからなかったです。63年に製造されたというこのベースが、1年でボリュームポットの交換が必要になったとは考えられ難いので、このThunderbird Ⅱは64年製と推測します。楽器の良し悪しはともあれ、製造初年度モデルというのはビンテージの世界では大きな意味を持つので、64年製だったという事で評価が下がってしまうのはやむを得ないところです。

 その他のパーツでストラップピンやビス類の交換等散見出来たのですが、それは長年使用した為の消耗品と考えて問題とはしなかったのですが、やはり“ヘッド折れ修理・リフィニッシュ・製造年違い”の三点セット(?)は、私として納得が出来るものでは無かったです。

 この前オーナーとは事前の話で、チェックしてみて気に入らなければ返品・返金に対応するとの約束をしていたので、私の以上のチェック内容を報告して返品に対応して頂きました。このオーナーは以前に楽器店の説明のままにこのベースを入手して、ずっと眺めていただけとの事でした。その事は信じるとして、そして次に売却されるとならば、今回の私のチェック内容を伏せての販売はされないとも信じて、此処にこのベースの詳細をエントリーしました。

 それにしても少しの間だったのですが、良い夢を見させていただきました(笑)。
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 前オーナーからは1963年製でオリジナルフィニッシュと聞いていたこの度のThunderbird Ⅱのですが、各部を見ると色々と怪しい点が・・・。

_IGP4928.jpg 先ずはこちらの指板サイドですが、ローズウッドの指板サイド面がトップコートで覆われています。オリジナルはこの箇所は無塗装かクリアー塗装の筈ですし、良く見るとそのトップコートをほじくって穴を開けてポジションマークを露出させているのが分かります。


DSCF0791.jpg そして見たとたんに唖然としたのはこちら、ネックヘッド部です。明らかにヘッド折れの補修が施されています。補修自体はかなり以前に行われていたようですが、リフィニッシュされた塗装が痩せて補修跡が溝になっていて、新たな塗装のヘアクラックも見えます。


DSCF0798.jpg 更に4弦のナット部から1フレットにかけて指板の剥離が始まり、ヘッド表部に貼られた黒い塗装の突板にも隙間が発生しています。更なるネックのダメージが進行中という事です。


DSCF0813.jpg ここで少し調べてみたのですが、63年から66年にかけて製造されたリバースのThunderbirdはこのヘッドの表面の黒の段付きの部分は、ヘッドの木部を削り下げて成形されていたとの事です。

 ここからは推測なのですが、このベースはヘッドがパックリと折れてしまったのを修復する際にこの段付き部分を削り落としてフラットにして破損部を接着した後に黒の板を貼り付けて色分け塗装をしたものと考えられます。


 貼り付けてある材を隙間から調べたのですが、木材ではなくて塩ビかなにかの樹脂製でした。76年に建国記念として再生産されたThunderbirdはこの方法でヘッドに板が張ってあります。ヘッドの軽量化の為に(?)厚みのあるヘッドを削って整形した初期生産タイプと、ヘッドの補強の為に突板を張った建国記念タイプとどちらが強いヘッドなのか?と考えるのですが、今回の様に突板が浮いてしまうような(弱い)接着方法では補強の効果は低いと思われます。

 次回は製造年をチェックした内容をエントリーします。

 全体像はこちらです。これは1963年製オリジナルフィニッシュという触れ込みで入手したGibson Thunderbird Ⅱです。

DSCF0832.jpg


DSCF0837.jpg 「えー、Gibsonにこんな色があったの?」と思われた方が殆どでしょうけれど、私も始めて見ました。しかしネットで検索したところ実在したのです。


fbcolor1.jpg こちらによるとFenderのオーダーカラーに対抗してGibsonも63年からオーダーカラーに対応していて、当時のカラーチャートには“Heather Poly(ヘザー・ポリー)”との記載があります。これはFenderで言うところの“バーガンディー・ミスト”に近い色の様です。

 Fenderもそうだったのですが、これらのカスタムカラーは当時のアメ車の塗装色を模したもので、“Heather Poly”は62年式のキャデラック車の色という事です。


 残念ながら付属していたピックガードは縮んでいたので取外してあるのですが、ハードケースはオリジナルですし、これはとてつもなく価値の有るビンテージベースが入手出来たものだ!と喜んだのですが、それは直ぐに“ぬか喜び”へと変わったのでした(泣)。詳しくは次のエントリーにて・・・。
 おっ、この色とクビレは!?

DSCF0820.jpg


 明日はいよいよ、全体像をお見せします。
 指板はこんな感じ。

DSCF0818.jpg



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Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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