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Category : Gibson 64Thunderbird Ⅱ→Ⅳ reverse
1964-TB4-SB5__02.jpg こちらはGuitar Traders Tokyoさんのネットショップから拝借した画像なのですが、Mr.Thunderbird 廣瀬 ”Heesey” 洋一さんが放出された65Thunderbird Ⅳです。


1964-TB4-SB5__05.jpg ネットショップ内のブリッジ部の詳細画像をチェックしたら、ブリッジのスタッドアンカーの穴が開け替えられて、ブリッジが数ミリ程ネック側に移動されているのが分かりました。オクターブピッチ調整が完璧にできないヴィンテージThunderbirdのブリッジへの対処策で、プロがレコーディングやステージで使うには必要な策と言えます。


1964-TB4-SB5__08.jpg 以前、廣瀬さんの動画から指摘させていただいた事のある加工ですが、今回はズームアップ画像があるので、元のスタッドアンカーの穴に、マホガニー材で作られたコミ栓が、ボディートップの木目方向に揃えて打ち込まれている状況がよく分かります。




 私の64Thunderbirdは先般、ブリッジサドルを新規に作製することでオクターブピッチ調整の不完全さの解消策としたのですが、上記のようなスタッドアンカーの位置替えではなくてこの方法としたのには大きな理由があります。

IMG_7545_20180823153218bb3.jpg それはこちらの画像で分かるのですが、ブリッジとリア・ピックアップ間に見える真鍮プレートで作られたミュートシステム(フェルトのミュートは剝がれています)の存在です。このプレートはボディーでなくブリッジの底部の裏側に貫通した3本のビスをカシメて、かつ半田付けされて取り付けられており、一旦取り外すと復旧ができません。


IMG_7533_20180823153216042.jpg そしてそのブリッジの底に取り付けられたミュートプレートの先端はリア・ピックアップのリングに近接した状態になっているので、上述のスタッドアンカーの位置を変更してブリッジ(+ミュートプレート)をリア・ピックアップ側に寄せる加工ができないのです。


 多くのThunderbirdはこのミュートが不要とされて取り外されているのですが、私のThunderbirdにはそのまま取り付けられています。このレアと言えるミュートを温存しながら完璧なオクターブピッチ調整に対応したのが、特注サドルなのです。

IMG_7552_20180823153219ae7.jpg 以上の事を考えながら、記事のトップの画像と左の私のThunderbirdの画像を見比べたら、こちらはリア・ピックアップを増設した改造品ではあるものの、発するオーラに差は無いなと感じた私です。(ハイ、親バカです・・・汗)
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IMG_2536.jpg ネックの修理の為に北九州市小倉のクルースラットに64Thunderbird Ⅱ→Ⅳを持ち込んで、その修理方法を社長さんと相談した際に「ネックの反りは指板とネックの剥離が原因」と瞬時に判断した社長さんが、その後で腕組みをしながら「うーん」と考え込んで見つめていたのは、こちらのブリッジ部でした。


IMG_2553.jpg オクターブピッチ調整ができないので、私がブリッジサドルをブリッジプレートの枠外に取り付けていたのが気になったようです。そして一言「これは何とかしたいですね」どうやら社長さんの“リペア魂”に火が付いてしまったようです(笑)。


 私としては、ネックの矯正についてもっと細かく打合せを行いたかったのですが、社長さんの頭の中では既にネックのリペアは完了していた様子でした・・・(汗)。こうなれば私も嫌いではないので(いやいや大好きなので 笑)、社長さんと私とでサドルの改良方法についてのやり取りが始まりました。

TB-BG.jpg このショップは“無いものは作る”というスタンスで、木材加工は元より他のショップは殆ど手を出さない金属加工も得意の範疇となっています。ショップでの私とのやり取りで新たなサドルの作製を考えてみるということとなり、後日メールで送られてきたサドルのイメージ図が左です。


 ヴィンテージのThunderbirdでは合わないオクターブピッチ調整の為に、現状のブリッジプレートはそのままで(これは私のリクエスト)、リアピックアップ側に跳ね出したLの形状をしたサドルで弦を支持するというアイデアで、端的に言うと“ツバ出しサドル”です。このイメージ図でゴーサインを出した私の追加のリクエストは「ヴィンテージベースに違和感無く馴染むルックス(形状)」でした。

IMG_7502.jpg もう一つの私のリクエストは、ヴィンテージのリバース(上2枚の画像)には無くてノンリバースのブリッジ(左画像)にはこうしてあるのですが、オクターブ調整ビスにスプリングが取り付いているので、このリバースのブリッジも同仕様にする事です。




IMG_7545.jpg そして出来上がりの画像がこちらです。うーん、なかなか違和感無くサドルが収まっているのではないでしょうか?サドルのトップがなだらかな曲線を描いているのは「ブリッジ後ろのテールピースの曲線をトレースした」という社長さんの説明で納得した私です。


IMG_7533.jpg アルミ材を削りだして作製されたサドルは一個一個が高さやビス穴位置が異なり、ワンオフのハンドメイド感がムンムンと漂っています。真上から見た状態でブリッジ前に装着されたミュート金具のピッチに合うサイズで、弦溝は現物合わせで19mmのピッチで掘られています。


 この弦溝切りのおかげでベース弦の大きな揺れがガッチリと受け止められるようになり、オリジナルのルーズな作りのサドルと比べるとブリッジ部での弦振動のロス感は明らかに減少しています。

IMG_7513a.jpg 又、これまでの私のセッティングでは、サドルがブリッジ枠外にビス1本で固定されており、何かの拍子にビスを中心にしてサドルが回転して傾く事があって、時々は傾きの修整を行っていたのですが、この度の改良サドルはブリッジの底部と立上り枠の2ヶ所で支持されるように形状が決められているので、これまでとは比較にならない程に安定感が増しています。


IMG_7546a.jpg そして、これが今回改良サドルをオーダーした一番の理由なのですが、オクターブピッチが完璧に合うように調整可能となり、その“調整代”も十分にあります。


 細かな事ですが、オリジナルではオクターブ調整用ビスには袋ナットが取り付いていたのですが、これを再び取り付けようとすると大き目のナットの外周がサドルのツバ出し部と干渉したので取り付けを中止しました。リクエストでビスに取り付けられたスプリングが効いているので、ナット無しでもビスが緩む気配はありません。ショップからも「スプリングを強めに効かせているのでナットは不要です」と聞かされていました。

 軽量のアルミのサドルとなった事でアンプからの出音が気になったのでチェックしたところ、弦が新品になっている要因で幾分か明るめの出音となっていると感じた程度で、フレットの打ち替えや改良サドルに因るマイナスの音質変化は感じられなかったです。そして上述したようにブリッジ部での弦振動の安定感が十分にあるので、ハムバッキングピックアップの太さはありつつも音像が崩れずに、指弾きでも埋もれない塩梅良い出音です。このベースで行う事は殆ど無いのですが、実はチョッパーもかなりイケています(笑)。

 以上、改良サドルが好結果となったとの報告を行ったのですが、オリジナルのサドルでも感じていた不満点が残っています。それはブリッジ全体の上げ下げしかできなくて、各弦毎の弦高調整ができない点です。サドルを前後させてオクターブピッチ調整を行うと各弦の弦高のバランスが狂うのも他のブリッジと同様です。しかしこの不満点を解消するには超精密な金属加工ができる設備が必要となり、作れたとしてもヴィンテージなルックスにはそぐわないメカニカルなサドルになるでしょうから、現実問題としてはこの度の改良サドルで満足して良いと思います。既に好みの弦高となるように自分でサドルの溝切りを行っていますので・・・(笑)。



 弾き易くなったネックと改良サドルとの複合効果で、これまで私が不満に感じていたヴィンテージのThunderbirdの難点が(上記を除いて)一気に解消されて、最高のコンディションとなっています。

IMG_7552.jpg
 一旦は仕上がったとした64Thunderbird Ⅱ→Ⅳですが、いざ使い始めるとネックのローポジ起きが再び気になってきました。1~4フレットを摺り合わせしてフレット頂上でのフラット化を目指したのですが、特に1フレットは限界まで低くしても反りは残っていて、4弦を弾くとかなりバズが出る状態でしたので・・・。

 これまで2年半預けたショップでは治具による矯正のみで自然治癒を待っていたのですが、症状に変化を得られなかった為に、この度は私がこれまで何本(十数本?)もリペアを依頼してきた北九州市小倉にあるクルースラットにThunderbirdを持ち込みしました。

 ケースから出したThunderbirdのネック周りを10秒間目視したクルースラットの社長さんの一言、「これ、指板がネックから浮いていますね」に「えーーーーっ!?」と驚く私でした。

 指摘された箇所を見れば、1弦側の指板サイドのナットから2フレットまで、4弦側はナットから1フレットまでネック本体と指板との間に細い筋が確認できました。私はこれが材種の違いによる収縮の為の表面塗装のみのクラックと思っていたのですが、ネック材と指板が剥離している跡だったのですね。

 ネック材と指板が剥離しているという事は、弦のテンションに対峙しているのはネック材だけで、数ミリ厚の指板は構造的な強度を担っていないという事になります。そのつもりで再確認したらクラックの長い1弦側が4弦側よりも大きく反っていました。

 瞬時に症状を分析した社長さんに「流石ですね」と言う前に対処方法を提案してきた社長さんです。その方法とは、『①剥離した指板とネックの隙間に接着剤を注入して固着させる』→『②指板サイドに注入した接着材が将来染み出るおそれがあるのでクリアラッカーで封じる』→『③ヒーティングを行い指板をストレートにする』→『④フレットを抜いて指板を擦り合わせする』→『⑤新たなフッレトを打つ(ナット交換も含む)』という一連のものです。



 リペアを依頼してから1ヵ月後に上記の①、②の作業が終わったという事で、下の画像と「指板とネックの隙間に溶解した接着剤(ニカワ)など異物があり全く閉まらず、取り除くのに手間が掛かりました」とのコメントがメールで送られてきました。

IMG_7440.jpg 画像は4弦側の指板サイドですが、クラックが閉じた上にラッカーがこってりと厚く塗られています。ナットが取り外された指板の木口からも接着剤を注入したとの事です。




 そして、それから1ヵ月後、合計2ヵ月間の入院の後に「仕上がりました」との連絡があり、持ち帰りました。以前のショップで2年半待った(放置された)のに比べると早い(そして完治しての)退院でした。

IMG_7452.jpg 問題の指板とネックの接合部分の仕上がり画像です。こちらは1弦側で、ナットから2フレットを超えての指板とネックの接合部が少し黒く見えるのは接着剤を注入した痕跡です。ショップの説明は「カッターナイフの刃が入り込む程の隙間があり、注入した接着剤もかなりの量でした」との事でした。


IMG_7446.jpg クラックの短かった4弦側もナットから1フレット未満まで同様な処理となっています。クラック処理部分のクリアラッカーは、上の工程途中の画像と比べると皮膜が薄くなるまで研磨されており、他の箇所との違和感がありません。ショップ曰く、「指板サイドの全てをクリアーラッカーで塗りたかったのですが、そうするとそこが新品のように目立ってしまうので・・・」との事でした。うーん、的確な判断ですね。


IMG_7441.jpg そしてフレットの打ち替えが行われたのですが、このショップではネックの反り矯正の為のヒーティングを何度も慎重に行いストレート出しをして、指板削りを極力避けるというスタンスで、このThunderbirdも指板削りは殆ど行っていないそうで、フレットの頂上をローフレット部で若干擦っただけのようです。


IMG_7443.jpg 打ち替えられたフレットはピカピカで、上記の理由で表面の荒れをサンドペーパーでさらった程度のハカランダ指板と相まって見た目は最高となっています。


IMG_7522.jpg 4弦側の指板エンド部には、以前のオーナーが長年親指を置いてプレイしていた為の指板の削れがあるのですが、この箇所のフレットサイドも丁寧に処理されています。ネックが外れないスルーネック構造なので、ここは難易度の高い作業だったと思われます。


IMG_7519.jpg 交換されたナットの小口には少し黄身がかったラッカーが塗られて、塗料の経年変化が表現してあります。ヴィンテージ楽器にも造詣が深いクルースラットならではの細かなそして気の利いた仕事振りです。


IMG_7521.jpg 当然の事ですが見た目だけではなくて、調整済みのネックでこれまで感じていたバズが減少しているので、弾き心地も最高です。又、フレットはオリジナルと同サイズ・同形状のものを選んでいるので、こちらも違和感がありません。このThunderbirdを3年半前に入手して以来、やっとの事で良好な弾き心地が得られています。


 これまではローポジで指板とネック材が剥離していてネックが反っていたのですが、ネックそのものは元からとても強靭で、指板とネックを再接着した現在はトラスロッドナットがユルユルの状態でもビシッとストレートを保っているので、今後もこの状態を長くキープしてくれるものと期待しています。



 さて、今回このThunderbirdにはもう1ヵ所クルースラットによるスペシャルな手が加わっているのですが、それは次の記事で説明します。ヴィンテージのThunderbirdをお持ちの方は必見です!(かも・・・?笑)
 晴れて(!?)2ピックアップ(以下PU)のⅣとなった64Thunderbird リバースですが、2PU化して初めてもう1本所有している2PUの68Thunderbird ノンリバとの違いが明らかになってきました。

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 勿論、違いと言っても見た目で分かるボディー形状ではなくて、2PU化による出音の違いです。と言いつつも良~く見れば見た目でも推測はできます。2本のベースのPUの位置を見ると、フロントPUは同様の位置にあるのですが、リアPUはノンリバがリバースよりもネック寄りに位置しています。

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IMG_6222d.jpg 分かり易いように2本のベースを画像編集で合体させました。センターから上がノンリバ、下がリバースです。フレット、指板エンド、フロントPU、ブリッジ、テールピース等は同位置なのですが、リアPUの数ミリの位置違いが確認できます。(その他でメタルパーツのニッケルとクロームのメッキ違いも分かります。)


 このリアPUの位置が2本のベースの出音の違いとなっているのです。端的に言うと、リバースは固めでノンリバは太い出音です。この違いはFenderのJBで70年代初頭に行われたリアPUの位置変更によるものと同様です。JBの場合は年式が古い方がリアPUがブリッジに近くて、Thunderbirdはその逆ではあるのですが・・・。

 Thunderbirdにおいてのこの出音の違いを私は、リバースはピック弾きでよりゴリゴリのRockに、そしてノンリバは指弾きでよりディープにBluesで使い分けしています。

 もう一点の出音に繋がる違いはプレイしてみて分かる事なのですが、ボディー&ネックの振動具合にあります。リバースはスルーネックの構造と細めのネックによりプレイする際にかなりボディー&ネックが振動します。強くピック弾きするとグッとネックが弓のようにたわみ、その後に矢をいるかの如くネックが戻ってくるのが分かります。(← 大げさな表現です・・・汗)

 比べてノンリバはセットネックの構造と握りがいのある太めのネックで、弦の振動よりも構造が強いイメージがあり、弦が揺れただけをPUで出力するって感じです。(← クールな印象です)

 勿論の事、上記は手持ちの2本の個体差を私が感じた部分なので、他のThunderbirdに当てはまらないかもしれませんが、その差があるからこそ使い分けもできるので、今後はキャラの違いを楽しみながら弾き続けていこうと思っています。
 入手後に2年間を要して一応の仕上がりとなったThunderbird Ⅱ→Ⅳのモディファイです。全体像はこちら。

IMG_6221.jpg


IMG_6222.jpg ボディーのアップはこちら。パーツにも徹底的にこだわったので、見ただけで元は1ピックアップのⅡだったと分かる方はいないと思います。4弦の指板エンド部が親指の爪で削れています。又、フロントピックアップの4弦側のボディーの削れの位置からは、前オーナーがピックアップカバー(付属しています)を取り付けたままプレイしていた事が分かります。ブリッジ前のブラスの板には元はミュート用のフェルトが貼られていたはずですが、現在は剝がされています。


IMG_6232.jpg ボディー裏のコンターカットに光が当たってカットラインが浮かび上がっています。セクシーなラインです(笑)。


IMG_6237.jpg バックル傷が一箇所に集中しているので、ワンオーナーが長く使われていたものと推測します。傷の箇所からは、かなりベースを高めに構えてプレイされていた事も分かります。


IMG_6238.jpg ネックの付け根のラッカー塗装が剥げているのは、長期間ギタースタンドに立て掛けて放置されていたからでしょう。ネックエンドとボディーエンドのストラップピンはロックタイプに交換しています。


IMG_6230.jpg 大き目のヘッドトップには段差加工+色分けが施されています。Fenderと比べて手が掛かっている箇所です。


IMG_6231.jpg ペグはGotohの軽量タイプをエイジド加工したものに交換しています。トラスロッドカバーを外すとトラスロッドが貫通する穴が見えるのですが、ネックの細さと穴の大きさを見比べると、まるで“竹輪”状態で、よく50年以上ネックが折れずにいてくれたなと感心します。現在ではネックが折れていない個体を探すのは大変難しい事です。


 以上、仕上がってしまえば“普通”のThunderbird Ⅳ reverseに見えるのですが(笑)、長年求めてきたものなので、大事に扱いながら今後はライブにも持ち出そうと考えています。オリジナルのパーツにこだわりながらも、ペグとストラップピンの交換やサムレストの装着を行ったのはライブでの演奏性向上の為ですので。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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