Category : ESP Thunderbird Ⅳ
ヘッド落ち対策とオクターブピッチ調整が終ったので、次は肝心な出音を向上させてみました。
ESPオリジナルのピックアップは、パワー感はあるもののブーミーな音色で、これは私のイメージするヴィンテージのThunderbirdの音色とは異なるので、手持ちのセイモア・ダンカンのカスタムショップのピックアップに交換しました。ダンカンのピックアップの厚さはESPよりも薄くて、ヴィンテージと同様です。
取り外したESPのピックアップと形状が似ている手持ちのEpiphone-Japanのピックアップを並べて比較チェックしました。メタルカバーは同じものが使用されていますが、裏側を見ると、左のEpiphone-Japanはマグネットとコイルが大きく(厚く)てカバーからはみ出ているのを樹脂でモールドしてあります。右のESPはカバー内に収まっていて、メタルの蓋がされています。テスターでピックアップの直流抵抗値を測定すると、いずれも10kΩ程度でした。
取り付けしたセイモア・ダンカンのカスタムショップのピックアップですが、これは以前にEpiphone-JapanのThunderbirdに取り付けていて、それはそれで良い評価を与えていたのですが、今回ESPのThunderbirdに取り付けると更なる高評価となりました。具体的にはドライブ感がアップして、ダイナミクスが付け易くなっています。アンプレスで弾いてみるとESPのネック&ボディーの揺れ具合が心地良かったのですが、そのままの印象をアンプからの出音にも感じる事ができました。
取り付け前に測定していたダンカンの直流抵抗値は12.5kΩで、数値のみでイメージするとダンカンは取り外したESP(抵抗値10kΩ)よりも出力が大きくてブーミーな音色となるのですが、実際の出音は逆で、ダンカンの方の出力が幾らか小さくて、音質はドライブ感の中にタイトさが含まれており、ネック&ボディーの揺れ具合と同様に心地良いものでした。
上記は自宅でのチェックなので、次にESPと68ノンリバをスタジオに持ち込んで、Ampegでの大音量でチェックしました。ここに64リバースも並べたいのですが、未だフレット打ち替えから戻っていません・・・(泣)
ダンカンのPUに交換したESPからは、かなり心地良いドライブ音がAmpegのスピーカーキャビネットから飛び出してきました。アンプのEQはセンターから1目盛りずつをローは下げ、ハイは上げた状態で好みの音質となっています。
代わって68ノンリバですが、こちらのオリジナルPUは直流抵抗値が8~9kΩでダンカンよりも低く、数値からのイメージ通りに出力も小さいので、アンプのヴォリュームをESPよりも2目盛り程アップしたところで、先のダンカンESPとほぼ同じ音量と音質になっています。
この2本のネック&ボディーの揺れ具合はほぼ同じなのですが、出音においてはドライブ感を覚えるダンカン・ピックアップに交換したESPが一枚上手となりました。そして以前エントリーしたように68ノンリバはメタルのピックアップカバーにピックが当たると、打音がカチッとアンプから聞こえるので、この点においてもESPが気にせずに弾けて良いなという印象となりました。
出音の良さに加え、ルックスもヴィンテージに見えて、トータルでなかなか良いです!このESP Thunderbird Ⅳ(左側)
ESPオリジナルのピックアップは、パワー感はあるもののブーミーな音色で、これは私のイメージするヴィンテージのThunderbirdの音色とは異なるので、手持ちのセイモア・ダンカンのカスタムショップのピックアップに交換しました。ダンカンのピックアップの厚さはESPよりも薄くて、ヴィンテージと同様です。
取り外したESPのピックアップと形状が似ている手持ちのEpiphone-Japanのピックアップを並べて比較チェックしました。メタルカバーは同じものが使用されていますが、裏側を見ると、左のEpiphone-Japanはマグネットとコイルが大きく(厚く)てカバーからはみ出ているのを樹脂でモールドしてあります。右のESPはカバー内に収まっていて、メタルの蓋がされています。テスターでピックアップの直流抵抗値を測定すると、いずれも10kΩ程度でした。
取り付けしたセイモア・ダンカンのカスタムショップのピックアップですが、これは以前にEpiphone-JapanのThunderbirdに取り付けていて、それはそれで良い評価を与えていたのですが、今回ESPのThunderbirdに取り付けると更なる高評価となりました。具体的にはドライブ感がアップして、ダイナミクスが付け易くなっています。アンプレスで弾いてみるとESPのネック&ボディーの揺れ具合が心地良かったのですが、そのままの印象をアンプからの出音にも感じる事ができました。
取り付け前に測定していたダンカンの直流抵抗値は12.5kΩで、数値のみでイメージするとダンカンは取り外したESP(抵抗値10kΩ)よりも出力が大きくてブーミーな音色となるのですが、実際の出音は逆で、ダンカンの方の出力が幾らか小さくて、音質はドライブ感の中にタイトさが含まれており、ネック&ボディーの揺れ具合と同様に心地良いものでした。
上記は自宅でのチェックなので、次にESPと68ノンリバをスタジオに持ち込んで、Ampegでの大音量でチェックしました。ここに64リバースも並べたいのですが、未だフレット打ち替えから戻っていません・・・(泣)
ダンカンのPUに交換したESPからは、かなり心地良いドライブ音がAmpegのスピーカーキャビネットから飛び出してきました。アンプのEQはセンターから1目盛りずつをローは下げ、ハイは上げた状態で好みの音質となっています。
代わって68ノンリバですが、こちらのオリジナルPUは直流抵抗値が8~9kΩでダンカンよりも低く、数値からのイメージ通りに出力も小さいので、アンプのヴォリュームをESPよりも2目盛り程アップしたところで、先のダンカンESPとほぼ同じ音量と音質になっています。
この2本のネック&ボディーの揺れ具合はほぼ同じなのですが、出音においてはドライブ感を覚えるダンカン・ピックアップに交換したESPが一枚上手となりました。そして以前エントリーしたように68ノンリバはメタルのピックアップカバーにピックが当たると、打音がカチッとアンプから聞こえるので、この点においてもESPが気にせずに弾けて良いなという印象となりました。
出音の良さに加え、ルックスもヴィンテージに見えて、トータルでなかなか良いです!このESP Thunderbird Ⅳ(左側)
これまでのブリッジとテールピースを取り外しました。
元々の3点支持のブリッジのスタッドアンカーを抜き取った穴と、テールピース取付けビス穴は、埋め木した後、タッチアップ塗装しています。2m離れたら分らないです(笑)
新たなブリッジの位置決めを行いました。(オクターブピッチの合わない)ヴィンテージのThunderbirdは参考にならないので、ナットから34インチ(=864mm)を計り、そこにスタッドアンカー用の穴を2個、12mmの木工ドリルで開けました。
スタッドアンカー上部には“耳”が付いていたので、そこはボディーを彫刻刀で彫り込んで、ボディートップと面一でアンカーを挿入しています。アンカーの“耳”がボディートップから飛び出ていると、好みの弦高迄ブリッジを下げられない事が事前調査で分っていたので。
新たなブリッジとテールピースを取付けしました。元はブリッジはクロームメッキ、テールピースはゴールドメッキなのをメッキを落しているので、ピックアップのニッケルメッキとの違和感はあるのですが気にしない事にしてます(汗)。
弦を張り、オクターブピッチ調整を行いました。このサドルの位置でオクターブピッチは4弦共に合っています。ブリッジでの弦ピッチは19mmで丁度良い塩梅です。
弦高調整も行いました。ブリッジの4弦側はボディーにぎりぎりまで下げた状態にして、更に3弦と4弦用のサドルの溝を深く切り込んで好みの弦高となっています。
さて、新たにしたブリッジで演奏性・出音をチェックしてみました。これまでのブリッジは躯体が大きくて重たかったのでバダスブリッジのようなニュアンスを幾分か感じていたのですが、新たなブリッジは軽量なので軽やかに弦が振動する感があります。又、ヴィンテージのブリッジのサドルには弦がハマる溝切がしてなくて、弦が横方向に滑るのですが、新たなブリッジサドルには溝があり、かつ作りもしっかりとしているので、弦振動にロスを感じられないところには高ポイントを与えたいですね。
元々の3点支持のブリッジのスタッドアンカーを抜き取った穴と、テールピース取付けビス穴は、埋め木した後、タッチアップ塗装しています。2m離れたら分らないです(笑)
新たなブリッジの位置決めを行いました。(オクターブピッチの合わない)ヴィンテージのThunderbirdは参考にならないので、ナットから34インチ(=864mm)を計り、そこにスタッドアンカー用の穴を2個、12mmの木工ドリルで開けました。
スタッドアンカー上部には“耳”が付いていたので、そこはボディーを彫刻刀で彫り込んで、ボディートップと面一でアンカーを挿入しています。アンカーの“耳”がボディートップから飛び出ていると、好みの弦高迄ブリッジを下げられない事が事前調査で分っていたので。
新たなブリッジとテールピースを取付けしました。元はブリッジはクロームメッキ、テールピースはゴールドメッキなのをメッキを落しているので、ピックアップのニッケルメッキとの違和感はあるのですが気にしない事にしてます(汗)。
弦を張り、オクターブピッチ調整を行いました。このサドルの位置でオクターブピッチは4弦共に合っています。ブリッジでの弦ピッチは19mmで丁度良い塩梅です。
弦高調整も行いました。ブリッジの4弦側はボディーにぎりぎりまで下げた状態にして、更に3弦と4弦用のサドルの溝を深く切り込んで好みの弦高となっています。
さて、新たにしたブリッジで演奏性・出音をチェックしてみました。これまでのブリッジは躯体が大きくて重たかったのでバダスブリッジのようなニュアンスを幾分か感じていたのですが、新たなブリッジは軽量なので軽やかに弦が振動する感があります。又、ヴィンテージのブリッジのサドルには弦がハマる溝切がしてなくて、弦が横方向に滑るのですが、新たなブリッジサドルには溝があり、かつ作りもしっかりとしているので、弦振動にロスを感じられないところには高ポイントを与えたいですね。
ペグを交換し、ストラップピンを増設してヘッド落ち対策を行い、演奏性がとても良くなったESP Thunderbird Ⅳなのですが、もっと大きな難点を抱えていました。それはブリッジ部です。
デフォルトのブリッジは現行USA Thunderbird Ⅳでもお馴染みの3点支持タイプなのですが、前オーナーがヴィンテージを意識したブリッジとテールピースが分離されたタイプに交換していました。
交換されたブリッジは60年代のThunderbirdでは合い難いオクターブピッチを調整する為の対応パーツで、既存のブリッジポストのアンカー穴に差し替えて取付けるものなのですが、それを元々の位置が異なる3点支持のブリッジのアンカー穴にそのまま取付けしてあるので、いくらサドルの可動範囲が広くともオクターブピッチは全く合っておらずかなり低いピッチとなっていました。
手持ちのブリッジで、上のものよりもサドルがリアピックアップに数ミリ近付くタイプがあったので取付けてみたのですが、これでもまだオクターブピッチが合いません。
かくなる上は、ブリッジとテールピース一式をもっとリアピックアップ寄りに移設するしかないのですが、上記2種類のブリッジ(画像左側2つ)は、その躯体がサドルの可動範囲の拡大の為にヴィンテージのブリッジよりもワンサイズ大きくて、ルックス的に嫌だという事もあり、画像右側のスリムなブリッジを取付ける事にしました。
このスリムなブリッジはUSAから直輸入したもので、ヴィンテージのThunderbird用ではなくて汎用のものですが、作りはしっかりとしていて安定感はあります。ただしクロームメッキ仕上げだったので、入手後にサンドペーパーを掛けて艶とメッキを落して、他のニッケルメッキのパーツと馴染むようにしています。メッキを落した箇所から黄銅色が覗いているので、このブリッジの素材はブラスと思われます。
このブリッジの取付けは次回エントリーにて・・・。
デフォルトのブリッジは現行USA Thunderbird Ⅳでもお馴染みの3点支持タイプなのですが、前オーナーがヴィンテージを意識したブリッジとテールピースが分離されたタイプに交換していました。
交換されたブリッジは60年代のThunderbirdでは合い難いオクターブピッチを調整する為の対応パーツで、既存のブリッジポストのアンカー穴に差し替えて取付けるものなのですが、それを元々の位置が異なる3点支持のブリッジのアンカー穴にそのまま取付けしてあるので、いくらサドルの可動範囲が広くともオクターブピッチは全く合っておらずかなり低いピッチとなっていました。
手持ちのブリッジで、上のものよりもサドルがリアピックアップに数ミリ近付くタイプがあったので取付けてみたのですが、これでもまだオクターブピッチが合いません。
かくなる上は、ブリッジとテールピース一式をもっとリアピックアップ寄りに移設するしかないのですが、上記2種類のブリッジ(画像左側2つ)は、その躯体がサドルの可動範囲の拡大の為にヴィンテージのブリッジよりもワンサイズ大きくて、ルックス的に嫌だという事もあり、画像右側のスリムなブリッジを取付ける事にしました。
このスリムなブリッジはUSAから直輸入したもので、ヴィンテージのThunderbird用ではなくて汎用のものですが、作りはしっかりとしていて安定感はあります。ただしクロームメッキ仕上げだったので、入手後にサンドペーパーを掛けて艶とメッキを落して、他のニッケルメッキのパーツと馴染むようにしています。メッキを落した箇所から黄銅色が覗いているので、このブリッジの素材はブラスと思われます。
このブリッジの取付けは次回エントリーにて・・・。
前オーナーが拘りを持ってヴィンテージのGibson Thunderbird Ⅳに近付けようとしたESPのThunderbird Ⅳですが、それで満足するような私ではないので(笑)、更なるセッティング&モディファイを行って私のイメージするThunderbird Ⅳに近付けようと考えています。
先ずはルックスよりも演奏性や音質の改善を優先しました。床の間の置物ではなくて楽器ですので・・・。
前オーナーがヴィンテージなルックスとする為に行っていたペグ交換ですが、やはりこのペグは重たくてストラップでベースを吊るとヘッドがスルスルと下がってきます。重ためのペグにより出音に加わるコンプ感は心地良いのですが、ここは演奏性を優先してGotoh製の軽量ペグへと交換することにしました。
これまでのペグを取り外すと、デフォルトのペグ跡とその取付けビス穴が現れました。プレートデザインが異なるタイプだったのが分ります。Thunderbirdの“勲章”のヘッドクラックが4弦ペグポスト穴まで到達しているのが分ります(汗)。
新規のGotoh軽量ペグを取付けるビス穴と合致しないビス穴は埋め木して着色しました。全てのビス穴跡は新たなペグに隠れるので、アバウトな補修です(笑)。
交換前(左)と交換する(右)ペグを軽量すると、交換前のペグ1個分以上に相当する95gの差がありました。
隠れるビス穴はアバウトな補修ですが、新たなペグの位置決めは時間を掛けて慎重に行い、ペグを取付けしました。
もう一点の演奏性の向上で、(スルーネックですが)ネックの取付け位置にストラップピンを増設しました。デフォルトは4弦肩部分のみにピンがあり、ネック取付け位置よりも5cmボディーエンド寄りに以前のピン穴の補修跡があったのですが、この位置では良い効果は得られません。ストラップピンは現行のシャーラーのロックピンです。やはりこれが一番安心できます。
ボディーエンド側のピンも同様にシャーラーに交換しました。
以上の作業で、ヘッドが落ちる感じはかなり減じて、弾き易くなっています。
先ずはルックスよりも演奏性や音質の改善を優先しました。床の間の置物ではなくて楽器ですので・・・。
前オーナーがヴィンテージなルックスとする為に行っていたペグ交換ですが、やはりこのペグは重たくてストラップでベースを吊るとヘッドがスルスルと下がってきます。重ためのペグにより出音に加わるコンプ感は心地良いのですが、ここは演奏性を優先してGotoh製の軽量ペグへと交換することにしました。
これまでのペグを取り外すと、デフォルトのペグ跡とその取付けビス穴が現れました。プレートデザインが異なるタイプだったのが分ります。Thunderbirdの“勲章”のヘッドクラックが4弦ペグポスト穴まで到達しているのが分ります(汗)。
新規のGotoh軽量ペグを取付けるビス穴と合致しないビス穴は埋め木して着色しました。全てのビス穴跡は新たなペグに隠れるので、アバウトな補修です(笑)。
交換前(左)と交換する(右)ペグを軽量すると、交換前のペグ1個分以上に相当する95gの差がありました。
隠れるビス穴はアバウトな補修ですが、新たなペグの位置決めは時間を掛けて慎重に行い、ペグを取付けしました。
もう一点の演奏性の向上で、(スルーネックですが)ネックの取付け位置にストラップピンを増設しました。デフォルトは4弦肩部分のみにピンがあり、ネック取付け位置よりも5cmボディーエンド寄りに以前のピン穴の補修跡があったのですが、この位置では良い効果は得られません。ストラップピンは現行のシャーラーのロックピンです。やはりこれが一番安心できます。
ボディーエンド側のピンも同様にシャーラーに交換しました。
以上の作業で、ヘッドが落ちる感じはかなり減じて、弾き易くなっています。
Gibson 64Thunderbird revers Ⅳは現在ギターメーカーでフレット打ち替えを行っています。その間イジるベースが無くなり手持無沙汰状態となっていたので、何か未完成でイジる事ができるブツがないものかとあれこれ物色していたのですが、ありました!好物件が(笑)
この一見するとヴィンテージと思しきThunderbird Ⅳは、実は国産ESP製なのですが、それを前オーナーがこだわりを持ってヴィンテージ風味に仕上げられたものです。その現状をサクッと見てみましょう。
■ ボディー形状
ボディー4弦側が“いかり肩”なのはヴィンテージThunderbirdをそっくりコピーしています。76年の建国記念モデルやEpiphone-Japanは“なで肩”なので、これらは私の頭の中では「ちょっと違う」となってしまいます。
■ 塗装
塗装は、ラッカー仕上げのヴィンテージThunderbirdとは異なりウレタンなので、塗膜は硬く感じられるのですが、既にびっしりとウェザークラックが発生しており、ヴィンテージ感は十分に出ています。
■ ピックアップ
ESPオリジナルのピックアップはヴィンテージよりも高出力ですが、現行USAやEpiphone-Japan程にブーミーな音色ではないように思います。メタルのピックアップリングが付いています。
■ ピックガード
私が入手時には既に各所のパーツが交換されていたこのベースで、最もお金が掛かっていると思われるパーツがこのピックガードです。何と60年前半の本物のGibson Thunderbird reversのヴィンテージ・ピックガードです。
資料によると、Thunderbirdのreversモデルは1963年~65年の間に約1,000本が製造されているので、ピックガードも同じく1,000枚あるという事になるのですが、その1,000枚の内で今リペアに出している64ThunderbirdとこのESP Thunderbirdに付いている2枚のピックガードを私が持っているという事です。
上記のように、このピックガードを単体で見つける事はとても困難で、仮にe-Bay等で見つけたとしても今回このベースを入手した程の価格になると思います。ピックガードに汚れ・割れ・欠けがある事で、このベース本体の製造年をグーンと引き下げて見せる効果があります。サムレストは前オーナーの手製のようです。
■ ブリッジ
ESPのデフォルトの3点支持のブリッジが、テールピースとブリッジのセパレートタイプに交換してあります。テールピースはヴィンテージと同形状のコピー品ですが、ブリッジはオクターブピッチ調整シロの少ないヴィンテージ・ブリッジの弱点を解消する為に、サドルの可動範囲が大きくなった対策品です。これは米国でセット販売されているものを輸入したものと思われます。良く見ると元のゴールドメッキを落してニッケルメッキに見せています。
ブリッジとリアピックアップ間に弦ミュートのスポンジを貼りつける銅板のプレートがありますが、これも前オーナーの手製のようです。
■ ボディー裏面
ボディー裏面の塗装は、表面と同じサンバーストではなくて、濃いシースルーブラウンなので分り辛いのですが、ヴィンテージThunderbirdと同様にネックヘッドからボディーエンドまでを積層材が貫くスルーネック構造となっています。木材は当然、マホガニーが使用されています。
塗膜が硬いウレタンなので、光の当たり方によって引っ掻き傷が白く目立ちます。
ヴィンテージThunderbirdには4弦側のボディー裏にコンターカットがあるのですが、このベースにはありません。他の箇所は良くコピーしているのですが、ここは残念なところです。
■ ネックヘッド表
トラスロッドカバーが、これも米国で入手可能なGibson金ロゴのカバーに交換されています。
■ ネックヘッド裏
Thunderbirdの“勲章”と呼ばれ、10本に8本の割合で見られるという噂 (嘘です・・・笑) のクラック補修跡があります。クラックの左右で段差があり、こってりとボンドが盛られたアバウトな補修跡は、(日本国内の補修ですが)アメリカンな仕事に見えて、これはこれでOKとします(苦笑)。補修後にクラックが進行しているようには見えないのと、ヘッド表側にはクラックが及んでいないので、ひとまず安心はしています。
ヘッド裏のシリアルナンバーからこのESP Thunderbird Ⅳの製造年は1992年と推測しました。
■ ペグ
ESP出荷時のデフォルトのペグからヴィンテージと同デザインの逆巻ペグへと交換されています。歯車固定ビスはヴィンテージThunderbirdと同様のマイナス頭に交換されているのですが、青いユニクロメッキなのは気になるところです。国内のホームセンター等で入手できるネジ類のメッキは、殆どが青く光るユニクロメッキで、ニッケルメッキは少ないです。
■ コントロール部
コントロール・キャビティー内部のパーツをチェックしてみました。
2個のヴォリュームポットには304 7336の刻印があり、これはスタッポール社の1973年第36週目生産のポットなのですが、この年にはESPは未だ設立されていないので(75年設立)、前オーナーがデフォルトの国産ポットをUSA製の古いポットに交換したものとみています。この73年のポットもいざ入手するには高額となります。
トーンポットにはCTS FN8446の刻印がありCTS社1984年46週目の生産と分ります。これもシリアルナンバーから推測した製造年の1992年よりも古いので、交換されたものでしょう。
ジャックは無刻印ですが、国産品と思われます。アース線以外の配線材は全てシールド線なのですが、ハンダ付け具合からみてオリジナルでは無さそうです。
以上、サクッと見ただけでも各所に手が加わっていて、パーツも入手が難しいものが奢られているのが分るのですが、このままの状態で満足する私では(当然の事)ありませんので、今後じっくりと時間を掛けて満足できるものに仕上げていこうと考えています。未だ何も手を加えてはいないのですが、既に私の頭はモディファイのシミュレーションでフル稼働しています(笑)。
この一見するとヴィンテージと思しきThunderbird Ⅳは、実は国産ESP製なのですが、それを前オーナーがこだわりを持ってヴィンテージ風味に仕上げられたものです。その現状をサクッと見てみましょう。
■ ボディー形状
ボディー4弦側が“いかり肩”なのはヴィンテージThunderbirdをそっくりコピーしています。76年の建国記念モデルやEpiphone-Japanは“なで肩”なので、これらは私の頭の中では「ちょっと違う」となってしまいます。
■ 塗装
塗装は、ラッカー仕上げのヴィンテージThunderbirdとは異なりウレタンなので、塗膜は硬く感じられるのですが、既にびっしりとウェザークラックが発生しており、ヴィンテージ感は十分に出ています。
■ ピックアップ
ESPオリジナルのピックアップはヴィンテージよりも高出力ですが、現行USAやEpiphone-Japan程にブーミーな音色ではないように思います。メタルのピックアップリングが付いています。
■ ピックガード
私が入手時には既に各所のパーツが交換されていたこのベースで、最もお金が掛かっていると思われるパーツがこのピックガードです。何と60年前半の本物のGibson Thunderbird reversのヴィンテージ・ピックガードです。
資料によると、Thunderbirdのreversモデルは1963年~65年の間に約1,000本が製造されているので、ピックガードも同じく1,000枚あるという事になるのですが、その1,000枚の内で今リペアに出している64ThunderbirdとこのESP Thunderbirdに付いている2枚のピックガードを私が持っているという事です。
上記のように、このピックガードを単体で見つける事はとても困難で、仮にe-Bay等で見つけたとしても今回このベースを入手した程の価格になると思います。ピックガードに汚れ・割れ・欠けがある事で、このベース本体の製造年をグーンと引き下げて見せる効果があります。サムレストは前オーナーの手製のようです。
■ ブリッジ
ESPのデフォルトの3点支持のブリッジが、テールピースとブリッジのセパレートタイプに交換してあります。テールピースはヴィンテージと同形状のコピー品ですが、ブリッジはオクターブピッチ調整シロの少ないヴィンテージ・ブリッジの弱点を解消する為に、サドルの可動範囲が大きくなった対策品です。これは米国でセット販売されているものを輸入したものと思われます。良く見ると元のゴールドメッキを落してニッケルメッキに見せています。
ブリッジとリアピックアップ間に弦ミュートのスポンジを貼りつける銅板のプレートがありますが、これも前オーナーの手製のようです。
■ ボディー裏面
ボディー裏面の塗装は、表面と同じサンバーストではなくて、濃いシースルーブラウンなので分り辛いのですが、ヴィンテージThunderbirdと同様にネックヘッドからボディーエンドまでを積層材が貫くスルーネック構造となっています。木材は当然、マホガニーが使用されています。
塗膜が硬いウレタンなので、光の当たり方によって引っ掻き傷が白く目立ちます。
ヴィンテージThunderbirdには4弦側のボディー裏にコンターカットがあるのですが、このベースにはありません。他の箇所は良くコピーしているのですが、ここは残念なところです。
■ ネックヘッド表
トラスロッドカバーが、これも米国で入手可能なGibson金ロゴのカバーに交換されています。
■ ネックヘッド裏
Thunderbirdの“勲章”と呼ばれ、10本に8本の割合で見られるという噂 (嘘です・・・笑) のクラック補修跡があります。クラックの左右で段差があり、こってりとボンドが盛られたアバウトな補修跡は、(日本国内の補修ですが)アメリカンな仕事に見えて、これはこれでOKとします(苦笑)。補修後にクラックが進行しているようには見えないのと、ヘッド表側にはクラックが及んでいないので、ひとまず安心はしています。
ヘッド裏のシリアルナンバーからこのESP Thunderbird Ⅳの製造年は1992年と推測しました。
■ ペグ
ESP出荷時のデフォルトのペグからヴィンテージと同デザインの逆巻ペグへと交換されています。歯車固定ビスはヴィンテージThunderbirdと同様のマイナス頭に交換されているのですが、青いユニクロメッキなのは気になるところです。国内のホームセンター等で入手できるネジ類のメッキは、殆どが青く光るユニクロメッキで、ニッケルメッキは少ないです。
■ コントロール部
コントロール・キャビティー内部のパーツをチェックしてみました。
2個のヴォリュームポットには304 7336の刻印があり、これはスタッポール社の1973年第36週目生産のポットなのですが、この年にはESPは未だ設立されていないので(75年設立)、前オーナーがデフォルトの国産ポットをUSA製の古いポットに交換したものとみています。この73年のポットもいざ入手するには高額となります。
トーンポットにはCTS FN8446の刻印がありCTS社1984年46週目の生産と分ります。これもシリアルナンバーから推測した製造年の1992年よりも古いので、交換されたものでしょう。
ジャックは無刻印ですが、国産品と思われます。アース線以外の配線材は全てシールド線なのですが、ハンダ付け具合からみてオリジナルでは無さそうです。
以上、サクッと見ただけでも各所に手が加わっていて、パーツも入手が難しいものが奢られているのが分るのですが、このままの状態で満足する私では(当然の事)ありませんので、今後じっくりと時間を掛けて満足できるものに仕上げていこうと考えています。未だ何も手を加えてはいないのですが、既に私の頭はモディファイのシミュレーションでフル稼働しています(笑)。
プロフィール
Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。
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