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Category : Vestax BV-Ⅴ
 殆どの5弦ベースは5弦(ローB弦)の張りがベロベロに緩くて、YouTubeで見る試奏動画でも5弦を弾いた途端にグズグズに崩れた出音が聞こえてきます。

 私が所有する唯一の5弦ベースVestax BV-Ⅴは、5弦のみをボディー裏通しとし、かつサドル部で弦の折れ角度が大きくなるようにブリッジサドルを加工して、張り具合(所謂テンション感)の向上を図っています。

 その反面、1~4弦はデフォルト状態で張り具合が強くて、高音弦をプルすると「ピチッ」とだけの発音で余韻が少なく感じていました。おそらくは5弦用の太目のネック、そしてセットネックの為にベース全体の剛性が高い為に、高音弦の弱い弦振動エネルギーがネックに伝わる前に減衰してしまうからだと考えます。

IMG_2937_20200215094835e93.jpg この対応として、1~4弦のペグポストへの巻き付けを下から上へと逆にして、ナット部の弦の折れ角度を緩くして、弦が揺れやすい状況にしていました。この状態でしばらく使っていたのですが、それでもまだ特に1・2弦の張りが強くて、指の当たり具合と余韻の少なさが気になっていました。




 そこで最後の(?)対応としてブリッジを追加加工する事を考えたので、図面で説明します。

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 上図の左は加工前のブリッジの断面図で、ブリッジエンドの立ち上がり部の貫通穴に弦のボールエンドが固定されているのですが、立ち上がり部に厚みがある為に一旦この穴の出口で弦が折れています。そしてここからサドル部でも折れているので、黄色の△の折れ曲がり部が計2ヶ所あることになります。

 そこで、中の加工箇所の図で赤色で示した弦の貫通穴の上部を斜めに削り落とせば・・・、

 右の加工後のように立ち上がり部での折れは無くなり、サドル部での折れ角度も緩くなるので、弦の張り具合が減少するというものです。



IMG_2920_202002150954327fc.jpg これを実行する事にして、ブリッジをバラしてエンド部の1~4弦の貫通穴の上部を棒ヤスリで削って長穴に加工しました。5弦(右端) の貫通穴は裏通しでは使用しないので無加工です。


IMG_2922_2020021509543364a.jpg そして5弦のサドルは裏通しの穴方向に追加の削り加工を行っています。




 ブリッジを再び取り付けして、弦を張りチューニングとセットアップを行いました。以下の画像の左が加工前で、右が加工後です。下の画像では言われなければ気付かない程度の変化ですが・・・、

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 真横からの画像では分かり易くなり、1~4弦のサドル部での折れが緩くなっています。

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 そして5弦にピントが合った画像では、ここでの折れがきつくなっているのが分かります。

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 試奏では、若干ではあるものの1~4弦の張り具合が緩くなり指の当たりが和らいでいました。そして高音弦のプル時にはフレットに弦が当たる音が「ピチッ」から「ピッチィン」と弾みと余韻を感じる出音となり、耳にも優しい響きとなっていました。逆に5弦の張り具合は強くなり、5弦のローポジを強く弾いてもグズグズに崩れずに、しっかりと音程が把握できるようになっています。

 1~4弦と5弦とは真逆のセッティングとなっているのですが、これで全弦の弾き加減に統一感が出ています。先日のバンド練習において、各弦の出音の繋がりが良くなった事、そして音色に膨らみが加わってリッチになった事も確認しています。

IMG_2932_2020021509543514c.jpg 市販でここまで極端なセッティングが施されている5弦ベースは皆無ですが、私にとってはとてもしっくりくるセッティングのベースとなっています。ネット等で気になる5弦ベースが現れる事もあるのですが、まだまだ私の中ではこのVestax BV-Ⅴの優位性は持続しそうです。
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 今回のストラップピン移設という記事はあまりにも細かな事なのでアップ予定ではなかったのですが、思った以上に効果があったのでアップします。

IMG_9188_20190121170010964.jpg Vestax BV-Ⅴの5弦ホーン側のストラップピンは、デフォルトでこのようにボディー裏側に取り付いているのですが、常々この位置には不満を覚えていました。先ずはヘッドが重くて下がり加減になるのでこれに対応する持ち方となり、左肩が凝っていました。そしてギグバッグに収める際には、飛び出したストラップピンが毎度ファスナーに引っ掛かってしまい、よく見るとギグバッグの内張りにピンによる穴も開いていました。


 これらの不満を解消するにはストラップピンを5弦側ホーンの先端に移設すれば良いのが分かっていたのですが、このBV-Ⅴにはこれまで不可逆的な改造は行っていなかったので、新たな穴開けが必要となるストラップピンの移設は躊躇していました。

IMG_9189_20190121170011cd6.jpg しかし昨年、内蔵プリアンプを交換した事もあり「もう良いか」となって、5弦側ホーンの先端に穴を開けてストラップピンの移設を行いました。


IMG_9190_20190121170012041.jpg 元のピン穴には赤く塗装した鍋頭ビスを取り付けています。



IMG_9237_20190121170015093.jpg このピン移設の効果は絶大だったので以下に説明します。


① ピンの位置が約3cmネック寄りになったので、ボディーバランスが良くなり、ストラップで吊り下げた収まりが自然に感じるようになった。

② これまではローフレットが遠い所にあったのが、Fenderと同じく12フレットの位置にピンがきたので、ローフレットの位置が長年馴染んでいるFenderと同じになり、左手の動きがスムースになった。

③ ピン移設後は5弦側が体に密着するようになり、1弦側のフレットが良く見えるようになった。これはスラップ時に低音弦を親指でヒットした際に、ベースの低音弦側ボディーと私の体が密着しているので、ベースの無駄な動きを軽減する事にもなっている。

④ ボディー裏側に出っ張りが無いので、ケースへの収納がスムースになった。

 等々、良い事尽くしとなっています。



 Vestax BV-Ⅴは各部に独自の設計思想があり、20年以上前の製品としては時代の先を走っていたと感じているのですが、このストラップピンの位置だけはいただけませんね。

IMG_9191.jpg 1999年のモデルチェンジヴァージョンのBV-Ⅴ99のストラップピンは、5弦ホーン先端に位置が変更されています。特長的な5弦ホーンの出っ張り(コブ)が無くなり、ヘッド形状も変わり、なんだかただのゴージャスなベースになった感がします。


 そうそう、敬愛する高橋ゲタ夫さんのBV-Ⅴのストラップピンも5弦側ホーン先端にありました。下右のボディー裏の画像で、私がこの度行ったようなピンの穴埋めが見えないようなので、元からの仕様かもしれません。

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IMG_9237.jpg これまで数多く所有してきた5弦ベースですが、その殆どはローB弦がベロベロのテンション感で、強めに弦を弾く私にとっては上手く5弦を鳴らす事ができなかったのですが、Vestax BV-Ⅴはそのベロベロ感が少なくて、現在所有する唯一の5弦ベースとなっています。


IMG_9234.jpg そのBV-Ⅴはヘッドにアングルがついている為に5弦はもとより1~4弦もテンション感が強かったので、弾き慣れたFenderの4弦ベースの弾き心地に近付ける為に、1~4弦をペグポストに逆に(下から上に)巻き付け・・・、


IMG_9214.jpg 更に3~5弦がボディー裏からの弦通し可能なのを、5弦のみを裏通しにしていました。


 ただしこの状態でも、柔らかくなった1~4弦のテンション感よりもまだ5弦が柔らかく感じたので、もう一工夫しました。

 その箇所はブリッジです。ブリッジプレートの厚みほど裏通し用の穴のサドル側に溝彫りして、ブリッジプレートからサドルへ角度がきつくなる加工を施しました。サドルのベース(土台)も弦が触れそうだったので溝彫りしています。

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 下の画像で左がブリッジ加工前、右が加工後ですが、5弦のブリッジプレートからサドルへと向かう角度が変化したのが分かります。

IMG_9206.jpg        IMG_9208_2019011610181279f.jpg


 この加工後は想定した通りに指が感じる5弦の張りが強まっており、5弦の5フレットより下のベロベロ感が減少して、5弦を強めにヒットしても音像がボヤケ難くなっていました。5弦ベースを手懐けるって難しいのですが、このBV-Ⅴは徐々に理想の5弦ベースに近付いてきています。

 追記:実は上右の画像で5弦を張った際に、チューニングを早く安定させようとして、5弦をサドルに指で押しつけたのですが、これが大失敗で、一発で弦が死んでしまい高域が出なくなってしまいました(泣)。5弦の芯線が一気にカクッと曲がった為と思われます。上右は別の弦を時間を掛けて馴染ませた状態の画像です。
IMG_9035.jpg 私の所有する唯一のアクティブ5弦のVestax BV-Ⅴです。昨年、内蔵プリアンプをオリジナルからHumpback Engineering 1×1に交換して、それまでのギラついた高域がナチュラルになり、気に入った出音となっているのですが、一点マイナスポイントがありました。


 それはプリアンプの問題ではなくて、同時に交換したボリュームポットがノイズ持ちだったのです。これはボリュームツマミを10~7くらいの範囲で操作した際に発生するもので、ガサガサ(ゴソゴソ)という一般的なガリでは無くて、チリチリといった高い周波数帯域でのノイズでした。

 Aカーブ250kΩのボリュームポットは先般のプリアンプ交換の際に新品購入したものだったのですが、接点復活剤を吹いても改善しなかったので、新たなポットに交換することにしました。

 その新たなポットはこれまでと同じではなくて、以前このVestax BV-Ⅴに取り付けて操作性が気に入っていた8/10(Eight by Ten) A250kΩ Potというボリュームが8の位置にクリックがあるポットにしました。ボリューム8で使っていて、いざという時には10にし、そして元の8へと、ツマミの目視ではなくて、指に感じるクリックで調整可能な製品です。

IMG_8999a.jpg 不良と思われるこれまでのポットを8/10ポットに交換しました。ポットハウジングの矢印の位置に小さな切り欠きがあるのですが、ポット内部で回転する端子がここに当たるとクリックを感じる事になります。


IMG_9015a.jpg こちらはアクティブのEQポットなのですが、こちらはツマミが5/10(センター)の位置にクリックがあります。これから分かるように8/10ポットはポットハウジングの切り欠きの位置を変更したアイデア製品です。


 8/10のネーミングはアンプから聞こえる音量感(イメージ)のようですが、機械的な意味合いもあるのかもしれません。上の2つのポットハウジングの切り欠きの位置を比較してみると、5/10から90度回転したところが8/10となっているのが分かります。ボリュームツマミの一回転が360°ならば7.5/10の位置なのですが、ツマミは360°も回らないので、回転角として8/10(程度)となっています。

 下は実際に操作するボリュームツマミで、左がフルアップ、右が8/10状態のツマミの固定ビスの位置の違いです。これまではこの操作をツマミのビスを目視しながら行なっていたのですが、今後はクリックを当てにしてブラインドタッチで行えます。

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 そして問題だったチリチリノイズはこのポット交換で解消できています。

 このBV-Ⅴのサーキットではピックアップからの信号は、パッシブのピックアップ・バランサーとボリュームを経由した後にアクティブのプリアンプに流れます。という事はパッシブ状態でボリュームを8/10に落とすので、ボリュームポット内の損失で信号が劣化して少しハイ落ちになるのですが、これは私としては都合良い事になっています。

 これまではアクティブ臭さを減ずる為にハイEQを少し絞っていたのですが、8/10状態ではハイEQツマミがセンター(フラット)でも塩梅良いトーンとなっています。そしていざとなればボリュームフルアップでドッカーンです(笑)。

IMG_9039.jpg 今回の作業の最後に、参加するバンドでの演奏時にこのVestax BV-Ⅴと併用しているAmpeg Baby bassの出力と、8/10状態が同等となるようにプリアンプ基板上のトリム(矢印)で調整しておきました。
 先日、東京に出張した際に短時間の都合をつけて大久保のGuitar Shop Barchie’sに立ち寄りました。以前から気になっていたパーツがあったもので・・・。そのパーツとはこちらHumpback Engineering 1×1(ワン・バイ・ワン) というベース内蔵形アクティブプリアンプです。

IMG_7985.jpg 所有する唯一のアクティブベースのVestax BV-Ⅴは弦の振動具合は気に入っているものの、20年前の電子パーツで設計・構成されているせいか、アンプからの音の立ち上がりが遅い感じがして、これを不満に思っていたのでした。


 それをBarchie’sの千葉さんに相談すると「Humpback Engineeringのプリアンプはかなり高品質なパーツで構成されていて、音の立ち上がりが良いのでお薦めです」とのことだったので、購入しました。

IMG_7979.jpg 同社のベース内蔵プリアンプには、より多機能な“1×2”“2×2”があるのですが、私が選んだのは2バンドEQのみのコントロールの“1×1”です。私の「シンプルな回路がよりスピーディーな立ち上がりとなる」という持論(大袈裟ですが・・・)に添ったチョイスとなります。


IMG_7988.jpg プリアンプ交換の為にVestax BV-Ⅴのコントロールキャビティーの蓋を外しました。オリジナル回路には4個のポットにそれぞれ対応したプリント基板が取り付き、その間を信号や電源用のケーブルがうねるように配線されていて、ゴチャゴチャしています。(20年前の回路なので仕方がないのですが・・・)


 キャビティー上側に入手した“1×1”を置いているのですが、これまで各ポットに取り付いていた基板1枚と同等の大きさで、20年の技術の進化には驚くほどです。

IMG_7991.jpg BV-Ⅴのオリジナル回路を取り外しました。ポット類も交換するので、BV-Ⅴに残っている電気パーツはピックアップとアウトプットジャック、そしてブリッジからのアース線です。006Pのバッテリースナップもコネクター接続だったので次に流用できずに取り外しています。


IMG_8000.jpg 塩ビ板にBV-Ⅴのポット穴の配置をコピーしてポットと“1×1”を仮留めし、この板上で可能な限りの配線を行いました。ポットの向きや“1×1”の配置は熟考して決めています。“1×1”の基板上に見える青色四角のトリムはプリアウトボリューム調整用です。


IMG_8007.jpg そしてBV-Ⅴのコントロールキャビティー内に新規回路を収めて、ピックアップやバッテリー、出力等の配線を行い、プリアンプの交換作業が終了しました。配線も極力スッキリとなるように行っているので、オリジナルの回路と比べるとかなり空隙が目立ちます。


 さて、このプリアンプの交換作業を楽しみたかったのではなくて(←いや、十分に楽しみましたけど・・・笑)、肝心の出音の変化ですが、ベースアンプに接続して一発音を出しただけで全くもって出音がスッキリとしているのが分かりました。

 オリジナルのプリアンプは、ハイはギンギンでローは少しぼやける感があったのですが、これが一皮剥けて素肌が見えるって感じの癖の無いものになっていました。EQツマミがセンターでハイは綺麗に伸びるので、私の好みとしてハイ・ツマミを少し絞ってまろやかにして、ロー・ツマミはセンターで触らずという使い方になりそうです。

 コントロールキャビティー内に余裕ができるのが分かっていたので、当初はアクティブ⇄パッシブの切り替えスイッチやパッシブトーン回路を組み込んでみようかと画策していたのですが、前述のように2バンドEQのハイ・ツマミをセンターから絞っていくとパッシブトーン的に塩梅良くハイが落ちていくので、この回路のままで十分使えます。

 そして、このBV-ⅤはローB弦の振動具合がこれまで所有した5弦ベースの内でベストと思えるものなのですが、オリジナル回路ではそれを生かし切れずにB弦の出音がぼやけていたものが、くっきりとしたものになったのが一番の嬉しい変化でした。

 又、スピーディーな立ち上がり感も評価すべきと思われます。これは現在の高性能・高品質のオペアンプを含むパーツ類、そして巧みな回路設計によるものでしょう。

 これまで自分の経験したプリアンプの内では、Bartolini NTMBのミッドローの膨らみ感が気に入っていたのですが、色付け感が無いというところで今回のHumpback Engineering 1×1には更なる高評価を与えたいと思います。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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