Category : Vestax BV-Ⅴ
IMG_4707_20170502190518756.jpg 前のエントリーに「Vestax BV-Ⅴにはヘッド部にアングルが付けられていて、アングルの角度は分度器のアバウトな測定で5.5°でした」と記しています。今回のエントリーではこの約5.5°という数値はどのようにして決定されたか?を考察してみました。5°とか8°とかの整数ならば何も疑問を覚えなかったのですが、小数点以下の数値があるのが気になったもので・・・。


IMG_4708_201705021905170c9.jpg 私の仕事上では傾きの扱いは角度ではなくて、勾配というものになります。例えば水平に10進んで、1上昇すると勾配は1/10となります。その1/10の勾配を角度に換算すると5.711°になり、先ほどの約5.5°と同様になるので、ギターやベースの開発設計時にはヘッドアングルを勾配という捉え方で数値決めがなされるのでは?と推測しました。一番分かり易い勾配は10/10です。二等辺三角形をイメージしたら角度は45°となるのが分かると思います。


IMG_4709.jpg ちなみに50年代のGibson系ギターのヘッドアングルは17°で、64~65年頃に14°に変更されたと言うのが通説なのですが、これを勾配に換算すると左図下で3/10勾配が16.699°、左図上で2.5/10勾配が14.036°となるので、私の推測もあながち間違いではない、いやいや正解だと思います。Gibson社がより良いギターの弾き心地を模索して、60年代中期にヘッドアングルを0.5勾配ほど減じたのでしょうか?実は私の仕事で扱う勾配も通常での最小単位は0.5です。


 ギターの設計図面を描く際や製作の際に、角度は分度器を使用しないと設定や測定ができないのですが、勾配はスケール(物差し)で対応できるので、勾配での数値設定が便利で分かり易いです。

 デタッチャブルネックのネックアングル調整も“ネックポケットの奥行○○ミリで○○ミリほどスロープに削ると、ネックポケットから○○mm離れたブリッジではサドルの高さが○○mm変化する”というように勾配の比例式で数値を定めることができます。
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 現在所有する5弦ベースはこれ1本のVestax BV-Ⅴです。敬愛するラテンベーシストの高橋ゲタ夫さんの昔からの愛機ということで、私も手にする事となっています。数えてみたらこのBV-Ⅴに辿り着く間に12本もの5弦ベースを所有してきました。その中でBV-Ⅴが特に優れているポイントがあります。それはローB(5)弦の弾き心地です。

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 これまでのベースでは5弦を弾くとベロンベロンの弦振動となり、長年パッシブベースの弦を力任せに弾いていた私の奏法では5弦の出音がグズグズに潰れてしまっていたのでした。それがこのBV-Ⅴでは私の奏法でも4~5弦の弦移動時にスムーズに出音が繋がるのです。

 その要因はブリッジ部で5弦をボディー裏から通して張っている(通称:裏通し)からと考えているのですが、実際のところこのBV-Ⅴを入手した時から無条件の内に5弦を裏通しにしていたので、裏通しをしていないとどうなるのかは確かめていなかったです。そこで弦交換の時期となったタイミングで裏通しと非裏通しとの比較を行ってみました。

IMG_4690.jpg 弦はお気に入りのR.Cocoのニッケルラウンドで、34インチスケール+裏通しに対応する為に、ボディー厚ほど長いエキストラロングスケールを張っています。


IMG_4694.jpg この弦をボディー裏から抜き取り、そのまま次はブリッジ後端の穴に挿し込んで張りました。


IMG_4698.jpg 全弦が表通しというか通常の張り方になっています。


 この状態で5弦を弾くと「あらら、これまでのタイトな弾き心地はどこにいったの?」と思う程にテンション感が減少して、ベロンベロンの弦振動となってしまい、過去の多くの気に入らなかった5弦ベースの弦振動の様子を一気に思い出してしまいました。

IMG_4693.jpg 「やはり裏通しが正解だな!」という事で、新たに張り替えした5弦はこれまでと同様に裏から通しています。このブリッジ部では3~5弦が裏通しに対応できるのですが、私は5弦のみの裏通しのテンション感が気に入っているので、3・4弦は裏通しをしていません。


IMG_4707.jpg そしてBV-Ⅴではヘッド部にアングルが付けられています。アングルの角度は分度器のアバウトな測定で5.5°でした。ブリッジ部での裏通しとこのヘッド部でのアングルとの要因が相まって弾き心地が向上しているのは容易に推測できます。
 Vestax BV-Ⅴのアウトプット・ジャックを交換しました。ボディーサイドに取り付いているストレート・ジャックとシールドのプラグとの噛み合わせが甘くなり、何かの拍子にプラグがスルッと抜けてしまうという状態が発生したもので・・・。

IMG_4667.jpg このタイプのジャックは分解してプラグとの噛み合わせ具合を調整する事ができないので、新たなものを購入しました。これまでは国産SCUDブランドで扱われているジャックだったのですが、新規購入したのは信頼の置ける米国のブランド、スイッチクラフトのストレート・ジャックです。


IMG_4670.jpg 取り付けられているジャックは、外部からはボディーサイドに開けられた穴の奥にあるプラグの差し込み部のみが見えて、本体はボディー内に隠れているのですが、元と同じオール金メッキのジャックにしています。


IMG_4676.jpg ジャックのメーカーを替えたので取り付け穴の径が規格違いになるのでは?と危惧したのですが、問題無しに交換ができました。新たなジャックのコールド端子は長足でシールド線を掴むタイプだったのですが、コントロール・キャビティー内にスッキリと収める為に足を短くカットしています。


IMG_4678.jpg ジャック交換後にプラグの差し込み具合をチェックしました。同じブランドのスイッチクラフトのプラグ(上)とは(言わずもがな)ガッシリと噛み合っています。これまでは甘々の噛み具合だったアンフェノールのプラグ(下)とも良好な噛み具合となり、ジャック交換は大正解となっています。


IMG_4683.jpg コントロール・キャビティーの蓋を外したついでに、先般取り換えしたボリュームポットを再調整しました。音量がフルアップの8/10の大きさとなる箇所にクリックがあるポットに交換した後に8.5/10となるように調整していたのですが、しばらく使う間にもう少し音量差が少な目でも良いかなと感じてきたので、9/10となるように再調整しました。(数値はあくまで私のイメージです)


IMG_4684.jpg 9/10の状態でプレイしていて、いざソロとなったら10/10のフルアップにするのが塩梅良いです。ソロ後はサッと9/10に落としてクールにプレイするっていう(笑)。足元にエフェクターを置かない私としては、この様なアナログ操作が肌に合っています。
 手持ちの5弦アクティブベースはこれ1本!として愛用しているVestax BV-Ⅴです。

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 Vestaxオリジナルのアイデアが各所に織り込まれているのですが、特筆すべきは5弦の弾き心地の良さです。3~5弦がブリッジ部での裏通しに対応している(私は5弦のみボディ裏から弦を通しています)のと、ヘッドにアングルが付いているので、5弦に適切なテンション感が加味されていて、4~5弦を移動しても繋がりの良い弾き心地&出音となっています。

 入手してから2年目となるこのVestax BV-Ⅴですが、これまで演奏性向上の為に軽量ペグへの交換・ピックガードとサムレストの装着等のプチ・モディファイを行ってきました。そしてこの度、更なるモディファイを行ったのですが、これは外見では分りません。内部サーキットに手を加えたのです。

 現行のアクティブサーキットを持つベースの多くは、アクティブとパッシブをスイッチで切り換えられるのですが、このBV-Ⅴは常時アクティブのみの状態で出力が大きいので、私が参加しているバンドで持ち替えて使っているパッシブのAmpeg Baby bassの出力に合わせる為に、BV-Ⅴのボリュームを少し絞って使っていました。

 バンドで演奏する際に、ベースソロ等ではマスターボリュームをフルにしていて、これはボリュームツマミを回し切ればよいのですが、そこから元の音量に戻す際にはツマミの戻し具合を目視する必要があり、これを少々面倒に感じていました。

 何か良いものはないかな?と物色していたら、これは!?と思うものが見つかりました。ALLPARTS JAPANの商品名8/10(Eight by Ten)A250K Potというボリュームポットで、「ボリューム“8”の位置にクリックがあり、バッキング⇔ソロの音量切り換えが、正確かつ瞬時に可能なポットです」との商品説明です。

IMG_4262_201703021912453a1.jpg BV-Ⅴのサーキットを事前にチェックしたところ、ボリュームに使われているのはA20KΩのポットで、8/10 PotのA250KΩとは抵抗値が異なるのですが、「何とかなるでしょ?」と楽観的に考えて8/10 Potを購入しました。


IMG_4263.jpg 入手した8/10 Potです。ポットハウジングに凹の切り欠きがあり、ここに内部の凸パーツが噛み合ってクリックが発生します。操作感はセンタークリックがあるEQ用のポットと同様です。


IMG_4264.jpg 基板上のボリュームポットを8/10 Potに交換し、サーキットに戻してアンプからの出音をチェックしたら、ボリュームをフルアップから少し戻した状態で音量がゼロになってしまいました。8/10の音量どころかツマミが8/10の位置でボリューム・ゼロです。


IMG_4265.jpg やはり250kΩの抵抗は使えないですね。無駄な買い物だったか。と嘆く前に2つのポットをよく見比べてみました。ふむふむ、外観は同一とは言えないまでも似ていますね。


IMG_4266.jpg 次に2つのポットをバラしてみました。パーツを詳しくチェックすると基本パーツは同一規格で互換性がある事が分りました。これが8/10 Potの購入時に「何とかなるでしょ?」と考えた要因です。購入検討時の商品の画像でこの2つのポットが同一規格に見えたので、8/10 Potのクリック機能が移植できたら抵抗値の違いは関係無いと判断していたのでした。


IMG_4267.jpg そしてハイブリッドなA20kΩの抵抗値を持つ8/10 Potにすべく、パーツの組合せをシミュレーションした結果、オリジナルのA20kΩのポットに8/10 Potのクリック機能をつかさどる内部凸バネと凹があるポットハウジングの2つのパーツを移植しました。凸バネはオリジナルのポットのシャフトにドリルで下穴を開けた後に極小ビスで取り付けています。このビス固定については後述します。


IMG_4269.jpg かくして“8/10 (Eight by Ten )A20K Pot”となったボリューム基板をBV-Ⅴのコントロールキャビティーに戻しました。ポットハウジングの切り欠きに気づかない限りモディファイした箇所は分りません。


 ボディートップ側のボリュームツマミです。左画像がツマミを10/10(フルアップ)、右画像が8/10の状態です。これまではツマミの取り付けビス穴の位置を目視してツマミの回し加減を確認していたのですが、この動作がブラインドタッチで素早く行えるようになっています。

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 アンプからの出音で8/10の音量の絞り具合をチェックすると、8/10の音量が自分の求める音量よりも下がり過ぎていました。ここで前述した凸バネをビス固定した理由が活きてくるのです。ポットを取外してビスを緩めて凸バネを少し回して音量の絞り具合を変化させました。

IMG_4316.jpg 絞り調整後のクリック状態です。感覚でいうと8.5/10ですね(笑)

 実はこの調整の為に3回ほど<ポット取り外し→ハウジング外し→ビス調整→ハウジング戻し→ポット取付け>を繰り返しました。この作業が今回のモディファイで最も時間が掛かっています。


 この絞りの音量が決まった状態でのプレイ中の、ここぞという時には素早くフルアップできて、そして戻すのもブラインドタッチでOKです。ツマミを目視しての音量調整が面倒くさくて、少し前までは足元にコンプを置いて音量調整を行っていたのですが、これが取り外せたので、ノン・エフェクター党の私としてもとても満足ができる結果となったこの度のプチ・モディファイです。
 入手した後に各種の調整を行い、もう手を加える所は無いと思われたBestax BV-Ⅴですが、もう一点こだわってみました。

IMG_2762.jpg それはフロント~リア・ピックアップの5弦側に取付けていたサムレストです。ピックガードと同様にアクリルのクリア板で自作していたのですが、どうもその無機質で固いアクリル板に右手親指を置くのに違和感を覚えてきたので、木製で作リ換える事にしたのでした。


IMG_2751.jpg その木の材料を何にしようか?と考えた時にタイミング良く目に付いたのがこちらです。これはウチの食卓の上にあった箸置きです(笑)。材質は花梨でしょうか?何個かの箸置きから選定した一番のトラ杢が素敵です。


IMG_2757_20160817184722786.jpg なかなかに目の詰まった材料だったので、ノコギリでのカットやサンドペーパーでの削りに苦労したのですが整形が終りました。仕上げは親指の爪が当たる事を考慮して、被膜を作るラッカー塗装等ではなくて、オイルを塗り込んでいます。一見、サシの入ったロース肉のようです(笑)


IMG_2767.jpg 出来上がったサムレストをBV-Ⅴに両面テープで貼り付けました。これまでのセッティングで決まっていたフロントとリアのピックアップの高さを採寸して、サムレストの厚みをそれに合わせているので、フロントピックアップ⇔フィンガーレスト⇔リアピックアップの天端で右手親指を動かしても引っ掛かりはありません。


IMG_2763.jpg サムレストの幅はピックアップ端から5弦下までとなります。ここに隙間があると、5弦に親指を掛けた際に親指先端が落ち込んでしまい支障となりますので・・・。


 そして何よりもこの木製サムレストを作成した目的の『指で触った際の違和感の解消』はクリアできています。やはり人間の指って少しの触感の違いも分かるのですね。サムレストの材料の花梨はかなり固い材質なのですが、アクリル板の固さとの差は感じ取られて、触り心地(=弾き心地)は良好となっています。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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