FC2ブログ
Category : Fender 68Telebass
 これまでのメンテで出音と演奏性が向上した68TLBにもう一点気になるところがあり、手を加えました。それはナット交換なのですが、以下の3点の理由により交換する必要があったので、それを説明します。

IMG_2821.jpg ① フレットの指板エッジ部に大き目の面取り加工がなされている為に、特に2~3フレット部で少し強め(ラフ)に押弦すると4弦が指板サイドにツルリと“弦落ち”してしまう事がありました。


IMG_2824.jpg ② 4弦のネックサイドにアルミのストレート定規を当ててチェックすると、0フレット(=ナット)から3フレットにかけて凹にくぼんでいます。CBSに買収された後のFenderの粗い仕事ぶりの表れでしょうか?


IMG_2819.jpg ③ ナットの溝切り具合を計測すると、1弦外面~指板側面の距離は4mmですが、弦の振幅がより大きい4弦側は3.5mmと小さな数値でした。


 以上の3点の悪条件が重なり合って4弦が“弦落ち”する要因となっていたのでした。



 この“弦落ち”解消の対応としては、削れ過ぎているフレットの面取りの修正やネックサイドの凹の形状変更は現実的ではないので、ナットを交換して溝切りをやり直す事にしました。

IMG_2850.jpg 既存のナットを取り外したところ、底面に金型の跡がある事から樹脂製のリプレースメントパーツでリナットされていた事が分かりました。


IMG_2848.jpg 新たなナット(画像手前)は牛骨製(ボーンナット)です。そしてこれまでのナット(画像奥)の幅は43mmでナット部のネック巾44mmよりも少し狭かったので、広めのものをチョイスしています。又このナットは無漂白なので骨の油分により黄味がかかっています。


IMG_2854_20200215155318256.jpg 整形してコンパウンドを掛けると、油分が浮き上ってきて透明度がアップしています。この油分により、チューニング時に溝切り部での弦の滑りが良くなりそうです。




IMG_2871.jpg 新たなナットを取り付けました。


IMG_2860.jpg ナット部で1弦外面~指板側面の距離は元と同じ4mmですが、4弦側は4.5mmと元よりも1mm広くしています。


IMG_2873_202002151555597fa.jpg 4弦がナット部でこれまでよりも1mm程ネック中心側に移動したので、2~4フレットにかけて4弦外面~指板側面の距離が広がった結果、“弦落ち”は解消されています。




 今回の一連のメンテで、これまでの不満点が一気に払拭されてベストと言って良いほどの状態となった68TLBです。古い楽器だからと諦めて不満点をやり過ごすのではなく、しっかりとしたメンテナンスは必要だなと改めて考えさせられました。

IMG_2897.jpg         IMG_2890.jpg
スポンサーサイト



 これまでで一番マッチングが良いと感じられるGHSの弦に交換した68テレキャスターベース(68TLB)ですが、電装パーツも再検討しました。これまではSeymour DuncanのOPB用Antiquity Ⅱ PUを使っていたのですが、気に入った弦が得られたので、保管していたオリジナルのPUでの出音を聞きたくなったのです。

IMG_2828.jpg Antiquity Ⅱ(右側)を取り外して、オリジナル(左側)と並べました。Antiquity Ⅱの表側のボビンは黒色だったのをグレーに塗りエイジド加工を施しています。


IMG_2884_20200215150957b2c.jpg オリジナルPUのポールピースの出具合です。左が4弦側で、3弦用のポールピースが抜きん出ています。これが曲者で、4弦の音量が小さ過ぎて各弦の音量バランスが取れないので、左端に置いている2.5mmの厚さにカットしたポールピースを用意しました。


IMG_2887.jpg これを4弦ポールピースが延長するようにくっつけると、4個のポールピースの頂点は1直線になります。これをボディーにインストールしてアンプからの出音をチェックしたのですが、まだまだ4弦の音量が小さくて、芯の無い出音としかならなかったので、即Antiquity Ⅱに戻しました。やはりオリジナルPUは使えなかったです。


IMG_2831.jpg PUの取替えでは更なる良音を得られなかったので、もう一つの音色変化のパーツであるトーン・コンデンサーも見直してみました。右下に置いているデフォルトの国産NISSEIのコンデンサーを取り外した後に、手持ちの数個のコンデンサーをワニ口クリップに挟んで音色比較をして、一旦は画像のダイレクトロン(サークルD)が最もぶっとい音となったのですが、オケに混ざると全く抜けなかったので、結局はデフォルトのNISSEIに戻しています。


 色々と試行錯誤したのですが、これまでの電装パーツがベストなものだと再認識できたので、これはこれで良しとします。



IMG_2836.jpg PU関連なのですが、これまでは明るめのトーンのフラット弦を張っていたので、5mm厚のアクリルクリアー板から作製したサムレストをPUのネック寄りのピックガードに貼り付けて、ここで弾いていました。


IMG_2875.jpg この度、GHSのフラット弦に交換して低域がボコッと強く出るようになったので、指弾きのポジションを広げる為にサムレストを作り替えました。PUからブリッジ方向に長さを延長して、PBのPUの位置までにしています。


IMG_2879_20200215150955e2e.jpg サムレストは親指が4弦ネック側~サムレスト~4弦ブリッジ側の間をスムースに走れる形状とし、かつピックガードへ両面テープで貼り付けている面を若干スロープに加工して、サムレスト表面と4弦との離れを均一にしているので、親指の移動がとても楽です。OPBを一度でも弾かれた方はお分かりでしょうが、デフォルト状態だと親指がカバーレスのPUとキャビティーとの隙間にはまり込んでとても弾き辛いです。


IMG_2901.jpg 以上で、出音と演奏性が更に向上した68TLBです。
IMG_2666.jpg 68年製テレキャスターベース(68TLB)の弦を交換しました。


 これまで様々な弦を交換してきたのですが、どれもイマイチの感が拭えなかったのです。シングルコイルのPUの音質は、そのネック寄りの取り付け位置からは想像できない程にコリコリとした硬質なもので、ラウンド弦はダメ、近年試したFenderやD’Addarioのフラット弦もまだ硬質な音色と感じていました。

 テレキャスターベースと言えば、世界最初のエレキベースのOPB(オールド・プレシジョンベース)の復刻版なので、弦もその原点に返ってみる事とするとラベラのフラット弦なのですが、調べてみるとラベラには裏通し対応のスーパーロングスケールのフラット弦が無かったので、更に調べてGHSのフラット弦に行きつきました。

IMG_2667.jpg 購入したGHSのフラット弦に張り替えました。4弦ペグポストとピッタリの位置から飾り巻き糸となっていて、OPB対応といっても良さそうです。逆に通常の弦の張り方だとステンレススチールのテープ部分が4弦ポストに巻きつく事になります。(←これで何か問題になるという事ではありませんが・・・)ゲージはテンション感が強めに感じるフラット弦という事で、弾き易さを考慮して45~95のライトをチョイスしています。


IMG_2673_202002151337309de.jpg ブリッジの2ピースのサドル部はオクターブピッチが合うように傾けています。


IMG_2682.jpg サドル部では、3弦が最もきつく折れ曲がって裏通しの穴に入っていますが、他の弦と弾き心地(テンション感)に違和感を覚えません。4弦は腰が強いので、なだらかな曲がり方なのですが、これを無理やり押しつけてストレートにはしていません。そうすると一発で弦が死んでしまった経験があるので、曲りが自然と馴染んでチューニングが安定するのを待っています。


 さて弦交換後の出音ですが、狙い通りのモチッとして弾力を感じるものになっています。過去にこのGHSのフラット弦を別のベースに張った際は、倍音が感じられずにただ「張りたてから死んだ弦」というイメージの出音だったのですが、先般同弦を張ったYAMAHA BB2000と同様に、この68TLBにも好印象を覚える結果でした。

 弦をフレットに叩きつけるように弾くと生音では倍音無しで“ペタッ”と聞こえるのですが、アンプからは“ボムッ”と歯切れ成分が聞こえてきます。いなたさの中に切れもあり、弦長も含めて、このテレキャスターベースにはとても相性の良い弦だと感じています。
 68Telecaster bass Pink Paisley(以下68TLB)の塗装をメンテしました。

IMG_8990.jpg


 この68TLBは通常のテレベの木ボディーの表と裏面にペイズリー柄の紙を貼り、その上にこってりと厚いポリウレタンクリアーを吹いた仕上げで、木ボディーとポリ塗装がダイレクトに密着していない為に、殆どの個体が経年変化でトップのポリ塗装にクラックが入っています。そしてクラックだけならまだしも、ポリ塗装がペイズリー柄の紙を引っ張って、ボディーから剥離している(浮いている)事もあります。

 私の68TLBもご多分に漏れず、ポリ塗装がボディーから浮いて、指で叩くとペコペコと音がする箇所がありました。これを放置するとポリ塗装が裂けて衣服などに引っ掛かり、めくれ上がる事も考えられるので、今回対処する事にしました。

IMG_8952.jpg ボディー周囲をチェックしてダメージの大きい箇所を選びました。クラックがT字に交わる箇所にカッターナイフで切れ目を入れて、爪楊枝を挿し込んでポリ塗装を浮かし、ポリ塗装と共に浮いたペイズリー紙とボディーとの隙間に低粘度の瞬間接着材を注入しました。(内視鏡手術の様ですが・・・笑)


IMG_8957.jpg すぐさま大型クリップで接着箇所を押さえ込み、接着剤の硬化を待ちました。この手順で表裏で計6箇所のポリ塗装浮きに対処しています。


IMG_8964.jpg T字型クラックは上記の方法で対処したのですが、直線のクラックではポリ塗装を無理やり浮かすと新たなクラックが発生する恐れがあるので、エナメル・クリアーをクラック筋に滲み込ます方法で対処しました。エナメル塗料にしたのは溶剤がポリ塗装を侵す心配が無いので、塗料がはみ出ても直ぐに溶剤で拭き取れるからです。


 エナメル塗料でのクラック処理は以前に行っていたのですが、瞬間接着材の注入は今回が初めてでした。瞬間接着材といえば硬化後に白く粉を吹くケースがあるのを懸念したのですが、今回はクリアーのポリ塗装の裏ではなくて、ペイズリー紙の裏に瞬間接着材を注入したので、施工後しばらく様子を窺っていてもボディー表面側にはなんら問題が発生していません。

 今回の処理は目に見えるクラック筋の消去にはなっていないのですが、経年変化を感じつつもダメージとはなっていない、味わい深い仕上がりとなり、満足しています。

 弾きっぱなしでOKの手間要らずのヴィンテージ楽器もあるのですが、今回のように手が掛かるのもそれはそれで可愛いものです。50歳を超えたベースですので、今後もお肌のお手入れをしながら、弾き続けていければと考えています。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
ブロとも申請フォーム