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Category : Fender 68Telebass
 68Telecaster bass Pink Paisley(以下68TLB)の塗装をメンテしました。

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 この68TLBは通常のテレベの木ボディーの表と裏面にペイズリー柄の紙を貼り、その上にこってりと厚いポリウレタンクリアーを吹いた仕上げで、木ボディーとポリ塗装がダイレクトに密着していない為に、殆どの個体が経年変化でトップのポリ塗装にクラックが入っています。そしてクラックだけならまだしも、ポリ塗装がペイズリー柄の紙を引っ張って、ボディーから剥離している(浮いている)事もあります。

 私の68TLBもご多分に漏れず、ポリ塗装がボディーから浮いて、指で叩くとペコペコと音がする箇所がありました。これを放置するとポリ塗装が裂けて衣服などに引っ掛かり、めくれ上がる事も考えられるので、今回対処する事にしました。

IMG_8952.jpg ボディー周囲をチェックしてダメージの大きい箇所を選びました。クラックがT字に交わる箇所にカッターナイフで切れ目を入れて、爪楊枝を挿し込んでポリ塗装を浮かし、ポリ塗装と共に浮いたペイズリー紙とボディーとの隙間に低粘度の瞬間接着材を注入しました。(内視鏡手術の様ですが・・・笑)


IMG_8957.jpg すぐさま大型クリップで接着箇所を押さえ込み、接着剤の硬化を待ちました。この手順で表裏で計6箇所のポリ塗装浮きに対処しています。


IMG_8964.jpg T字型クラックは上記の方法で対処したのですが、直線のクラックではポリ塗装を無理やり浮かすと新たなクラックが発生する恐れがあるので、エナメル・クリアーをクラック筋に滲み込ます方法で対処しました。エナメル塗料にしたのは溶剤がポリ塗装を侵す心配が無いので、塗料がはみ出ても直ぐに溶剤で拭き取れるからです。


 エナメル塗料でのクラック処理は以前に行っていたのですが、瞬間接着材の注入は今回が初めてでした。瞬間接着材といえば硬化後に白く粉を吹くケースがあるのを懸念したのですが、今回はクリアーのポリ塗装の裏ではなくて、ペイズリー紙の裏に瞬間接着材を注入したので、施工後しばらく様子を窺っていてもボディー表面側にはなんら問題が発生していません。

 今回の処理は目に見えるクラック筋の消去にはなっていないのですが、経年変化を感じつつもダメージとはなっていない、味わい深い仕上がりとなり、満足しています。

 弾きっぱなしでOKの手間要らずのヴィンテージ楽器もあるのですが、今回のように手が掛かるのもそれはそれで可愛いものです。50歳を超えたベースですので、今後もお肌のお手入れをしながら、弾き続けていければと考えています。
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 Sentell pickups P-51を搭載してこれまででベストと思われる出音となった68TLBですが、今回は更に気に入った仕上げとなるように手を加えました。



 PUを交換した際にはトーン・コンデンサーとのマッチングが欠かせません。PUとコンデンサーの組合せで出音が決まると言っても過言では無いと常々思っている私です。

 これまで取付けていたダイレクトロンはどちらかというと明るめにトーンを絞るって感じだったのですが、P-51に交換後は低域から高域までかなり活き活きとした出音となったので、もっとぼやかす感じのトーンの絞り具合に持って行きたかったのです。

 ダイレクトロンのコンデンサーを外して、ワニ口クリップでコンデンサー回路をコントロールキャビティー外に取り出し、手持ちの様々なコンデンサーをワニ口に咥えさせて片っ端からチェックしていきました。

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IMG_9655.jpg その結果、一番気に入ったのはこちら、手持ちの63PBから取り外ししていた0.1μFのセラミックコンデンサーです。トーンを少し絞った状態で、TLBの少し嫌味なハイが良い塩梅に低減されています。




IMG_9673.jpg コンデンサーが決まったところで、私が68TLBのPUを交換した際に必ず行っている儀式(?)を行いました。PU外装のエイジド加工です。


IMG_9675.jpg コイルがボビンの大きさいっぱいにパンパンに巻かれているので、これまでよりも細い保護糸を一周巻き付けました。この状態で何とかPUキャビティーに収まりそうです。


IMG_9694.jpg P-51は元からの“グレーボビン”で68年の仕様にマッチしているのですが、あまりにも綺麗なのでラッカーで“汚れ”を入れました。“ニス溜まり”も付けています。


IMG_9695.jpg 画像の右側が“汚れ”の参考にしたオリジナルのPUです。


IMG_9909.jpg ボディーにインストールしました。一見ヴィンテージのようで、何か変だな?状態で収まっています(笑)。

 この真正面からの画像を見ると、ポールピースの中心点と弦のセンターがずれているのが分かるのですが、大きなポールピースの中心を弦のセンターに合わせると、ボビンからポールピースがはみ出てしまい、コイルが巻けなくなるのでやむなしですね。


IMG_9929.jpg プレイする際に親指でコイルを痛めたくないので取付けしているクリアーアクリルで作った“勾玉サムレスト”も新たなPUボビンの形状に合わせて整形し直しています。




 弦をPUのキャラに合わせてフラットワウンドに交換したのですが、その際にオクターブピッチの調整も行いました。

IMG_9930a.jpg 2本の弦が1ケのサドルに乗っているのがOPBスタイルのブリッジの特徴ですが、画像の様にサドルを傾けると(調整に時間がかかるのですが)オクターブピッチを各弦毎に合わせる事が可能です。 


 サドル同士がくっつくことなく(傾けるように)クリアランスがある設計なので、「この様に調整しなさい」とレオ・フェンダーの声が聞こえてくる(ような気がする)私です(笑)



 以上のプチ・モディファイで、出音・操作性共にかなり良くなった68TLBです。出音はOPBというよりもメイプル指板+アノダイズドピックガード期の59PBに近いと思います。ただ一つ問題点があるとすると、これを持ち出すシーンが今のところ無いという事です(汗)

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 と、ここまでエントリーを書いて、パソコン表示の左枠外の“カテゴリー”を見たら、この68TLBのエントリーの数が手持ちベースの内で最大の50となっていました。エントリーが多い=手が掛かるという事になるのでしょうが、手の掛かる子ほど可愛いというのも事実ですね(笑)
IMG_9665.jpg 最近はあまり弾く機会のない68TLBです。いざ弾くとなるとどうしてもジャズベタイプを選んでしまうので・・・。


 私の頭の中では未だ弾きこなせていないと思っている68TLBなのですが、その要因の多くはピックアップ(以下PU)にありました。PBとほぼ同位置にありながらもシンプルなシングルコイルPU(しかもポールピースが各弦に一ケ)であるが故に、出音にはPBほどの押し出し感が無くてコンコンという硬いものでした。

IMG_9630_20150228160937dfe.jpg これを改善しようとこれまでに何個もPUを交換してきたのですが、好みの音までには至っていなかったのです。画像で取付いているのはSeymour Duncan Custom shopのPUです。


IMG_9620.jpg そんな中、ヤフオクでこんなPUを見かけました。


 見た瞬間に笑ってしまいました。「何?このポールピースのでかさは!」人間、驚きを超えると笑ってしまうのですね。ヤフオクでの商品説明を読むと、Sentell pickupsというアメリカのメーカーのP-51という製品でコイルは手巻きのようです。

IMG_9621.jpg これまで68TLBのPUを色々と交換してきた間にDuncanのSCPB-3も試していたのですが、その大き目と感じていたポールピースの径が1/4インチなのに比べて、P-51はその1.5倍の3/8インチです。


 このルックスを見てしまったら“ドッグショップでブサカワなワンコを見かけて心を奪われた”状態になり、入札ボタンをポチッていました(汗)

 さて落札して自宅に届いた梱包を開けてもその見た目のインパクトは強いままでした。えんどう豆のさやを開けると特大の豆があって得した気分になるというか・・・(笑)いやいや、もう既に手元にあるので、もっと客観的にPUをチェックしなければなりません。

IMG_9668.jpg 内部直流抵抗は12.29kΩで大き目です。


IMG_9669.jpg これまでで一番パワーがあったSCPB-3は同等の11.29kΩなので、ポールピースがドでかい程はP-51のパワーが勝っていそうです。


IMG_9670.jpg ついでにオリジナルのPUも測定しました。6.30kΩです。どうりでパワーが無いはずです(汗)


IMG_9623.jpg ポールピースが太いので、その外側にボビンからはみ出そうな勢いでコイルが巻かれています。


IMG_9639.jpg このP-51が太いポールピースと(抵抗値の大きさから推測する)多めに巻かれたコイルによる“力技”だけでは無い事を伺わせるのは、このアングルで分るPUトップのポールピースの出っ張り具合です。1・4弦用と比べて2・3弦用のポールピースがほんの僅か(0.5mm程度)多く飛び出ていて、指板のアールに対応しているのが見て取れます。


IMG_9628.jpg 裏面はポールピースが面一に収まっているので、2種類の長さのポールピースを使っているという事になります。3弦のポールピースのみが突出しているオリジナルのPUよりも各弦の出力音量バランスは良さそうです。


IMG_9636.jpg オリジナルPUよりもほんの少しボビンが大きいので、PUキャビティーに押し込む感じでインストールしました。コイル部がボディーに沈んで見えなくなっても見た目のインパクトはそのままです。


 そしてアンプからの出音をチェックしました。その第一印象は「音デカっ!」これまでにセッティングしていたアンプのボリュームを3目盛り程下げました。肝心の音色ですが、「おっ、これはイイかも!」その見た目からグズグズに崩れた出音を覚悟していたのですが、これは良い意味で裏切られました。

 オリジナルPUの音色の背骨(高域成分)の強さはそのままに足(低域成分)に筋肉がついて強固になったって感じです。PBの力強さにJBのキレも併せ持った出音とも言えるのですが、やはりTLBが持つキャラは色濃く残っているので、他のベースと使い分けしてもTLBとしての役目は全うしてくれそうです。

 TLBのキャラがより立ってきたので、弦をこれまでのハーフ・ワウンドからフラット・ワウンドに換え、(画像はありませんが・・・)更にブリッジ前でスポンジミュートを行ないました。これまでのPUではミュートすると出音がさらに細くなっていたのですが、P-51への交換後はミュートをしていても強い押し出し感が加わっています。ミュートする事によって音量は下がるのですが、P-51のバカでかい出音が少し下がるだけなので全く問題無しです。

 出音としてはこれまでのPUの中でベストだと言えるのですが、プレイ面での感想を少し・・・。

 まずはプレイ面でのプラス点です。これまでのPUは弦1本に対して小さな1個のポールピースで対応していたので、弦を横方向に強く弾くと弦がポールピースの磁界からはみ出てしまい、音の頭がフッと無くなる“消える魔球”となっていたのですが、P-51では大きなポールピースで広範囲な磁界となっているので、この症状は起こりません。

 唯一というべきマイナス点ですが、PUトップよりも1mm以上飛び出しているポールピースの縁に面取りが無いので指が当たると痛いです。これは縁の面を取るか、1・4弦用のポールピースをPUトップと同じ面に沈めるかの対応をメーカーにお願いしたいところです。

IMG_9660.jpg という事で、出音はOK、見た目もOK(?)となった68TLBですが、次回のエントリーでは少し手を加えて更に気に入ったものに仕上げたいと考えています。
 米国のオークションサイトのe-Bayを時々チェックしているのですが、なかなか日本国内では見られない商品をチェックしました。

9432.jpg こちら68Telecaster Bass Blue Flowerです。これはレアですね。私が持っているPaisley Redがレアレベル4だとしたら、このBlue Flowerはレベル9くらいです。あくまで私のイメージで生産本数の比率じゃないですけど・・・。国内では、こちらにコメントをいただいているBass oyajiさんがお持ちとしか私は知りません。


 ただ、このBlue Flowerのアップの画像を見たらもうびっくりです!表面の塗装がベロンとめくれてとれています。裏面は特にひどくてボディの素材がそのまま現れています。

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 Paisley RedにしろBlue Flowerにしろ、その製作方法は、先ずボディの表裏に柄が印刷された紙(壁紙という話もあります)を貼って、その上を厚いポリウレタン塗装で覆っています。ポリウレタン塗装のみならば、シーラー処理で木部との密着度を高められるのでしょうが、この場合はそこに紙が入っているので、木部とウレタンの皮膜とは強固に接着されていなくて、経年変化によって表面のポリウレタンにひび割れが生じて、最悪この様に剥がれてしまうのです。



 私の68Telebassも入手時にはご多分に漏れず、ウレタン皮膜に無数のクラックが入り、何箇所かはめくれ上がっている状態でした。このままでは演奏中やメンテの際に服やウエスにウレタン皮膜が引っ掛かる事が想定されるので、めくれ防止処理を施しました。

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 先ずはリペアショップにて、めくれ上がった箇所を万力で押えて、そこに接着剤を注入して固定してもらいました。全ての処理をショップで依頼すると工賃が高額となる為に、そこからは私がクラック1本1本に小筆でエナメルのクリアーを流し込んでめくれ防止を行いました。

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 この処理のお陰で、処理後2年を経過してもクラックやめくれが新たに発生した箇所は見受けられません。もちろん、ケースから急に熱かったり寒かったりの部屋に出す事は避けて、表面のウレタン皮膜が急激な膨張・収縮を起こさない様に配慮もしています。

 今回のe-BayBlue Flowerの画像を見て、扱いが悪いとここまでのダメージとなる事を肝に銘じて、今後も私の68Telebassを愛でていこうと考えています。



 それと、私はこのPaisley Redの赤の色付き部分が退色してピンクへ、そしてゴールドになっているのが気になっていて、更なる退色が進むのを避ける為にあまり直射日光はおろか蛍光灯の下にも出すのを控えていたのですが、最近この退色の事を“Gold Burst”と呼ぶのを知りました。

 なるほど、物は考えようで、退色したのではなくてゴールドへと色が変色しているのだと思えば、その変化を楽しむ事が出来ますね(笑)。こちらマスタービルダー物よりも私のPaisley Redの方が味わいの部分では絶対に上回っていますし・・・。
 今回もチマチマな調整です。PUのポールピースを出し入れして各弦の出音量のバランスを図っていたのですが、自宅でアンプからの小音量で調整した結果とスタジオでの爆音での結果が異なっていました。

IMGP7876.jpg 自宅での調整では2と3弦用のポールピースの出を調整していましたが、これでは4弦が小さく感じてしまったのです。4弦のポールピースにはコイル線がぐるっと半周巻いてあるので、これを動かすには断線というリスクが発生するので避けたいところです。


IMGP7916.jpg そこで、4弦の既存ポールピース上に、別のポールピースを薄くスライスしたものを貼付けしました。0.5mm以下の厚さです。2と3弦用のポールピースの出も再調整しています。




IMGP8330.jpg ここで、私がPUのポールピースを出し入れする際に使用している工具を紹介します。こちらの小型クランプです。行きつけのホームセンターで百数十円で購入しました。


IMGP8332.jpg ポールピースを押付ける側には3mm径の木の丸棒をカットして接着材で貼り付けています。


IMGP8334.jpg もう一方のポールピースが飛出る受け側にはスリットを入れています。JBのダブルポールピース用の“逃げ”と、隙間からポールピースの出具合を目視する為です。


IMGP8339.jpg このクランプをPUの調整したいポールピースにセットして、ジワーっとクランプを締付けていきます。最初はかなりの抵抗があるのですが、プチッという音が発生した瞬間にポールピースが沈み始めます。どれだけ沈めたり、出したりしたら良いかは、全くもっての感覚次第ですので、少し動かしては→PUをセットして→弦を張って→アンプからの出音を聞いて調整を進めて行きます。上記の様にPUの外側のポールピースには手を加えないほうがよいです。


 この様にポールピースの高さ調整はとても繊細ですので、皆様にはお勧めは出来ません。やりたい方は自己責任にてお願いします。ポールピースに+ドライバーを直に押し付けたら、ズボッと入ってしまって高価なAEROのPU(30,000円超え)を駄目にした人がいるみたいです。そうです、私の事です(泣)。



 これまでの色んな調整を行ってきた結果、この68Telebassは私の満足する出音となっています。シングルコイルPUの暴れ具合をコントロールする醍醐味は、JBでは味わえない面白さです。派手なルックスと、イナタイ出音の組合せは最高です!

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プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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