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Category : YAMAHA BB
 仕上がったYAMAHA BB2000をライブに実戦投入しました。ただし、弾いたのは私ではなくてプロのベーシストです。

IMG_4306_2020010815334609a.jpg 先月、お世話したライブで、プロベーシストの前田順三さんに私が持ち込んだ機材でプレイしていただきました。ベースはYAMAHA BB2000 フレットレス改とTokai VSB-60の2本、アンプはAmpeg PF-350 + PF-112HLFの組み合わせで、シールド・スタンド・チューナー等々の機材全てが私のもので、順三さんは譜面台のみの持ち込みです。


IMG_4311.jpg 順三さんは、リハでYAMAHA BB2000 フレットレス改を試奏した途端に「これは良いですね~」と気に入られたようで、本番では殆どの曲でプレイされていました。リアピックアップのみの使用ですが、客席には太くかつ歯切れ良いベーストーンが聞こえていました。私がリアのみで弾くと、カチカチの硬い出音となってしまうのですが、やはりプレイヤーが違うと音も変わります。順三さんはスルーネックによる長いサスティーンも好みだったようです。


IMG_4314.jpg もう一本のTokai VSB-60の方は、フレット有りという事でBBよりもメリハリ感が強い出音でした。ローもしっかりとあるので歌モノにもRockにも合いそうです。


 順三さんと私とのベースのセッティングはほぼ同様なので、私の地元でのライブではいつも手渡したままの状態でプレイしていただいています。今回は私好みにしていたベースアンプのEQツマミにも一切手を触れずに、ボリューム調整のみでした。全てが私好みのセッティング状態のベースとアンプをそのままプロに使っていただいて、他のミュージシャンの音と混ざったベース音を客席で聴くという、至高の時間を過ごさせていただきました。
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 入手後にフレットレス指板修正やボディーの小傷補修、そしてパーツのメンテを行ったYAMAHA BB2000が仕上がりました。なかなかの仕上がりとなったので画像とコメントを多めで紹介します。

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 こちらの入手時の画像と比べると同じ個体とは思えない程に綺麗になっています。100箇所程度あった小傷毎にタッチアップを繰り返した結果、傷跡は目に見えるけど触っても凹凸は感じないという状態です。

IMG_2530a.jpg 私が気に入っているアングルはこちらです。曲面のカットラインとスルーネックのマホガニーの直線が絶妙に混ざり合っています。


IMG_2540a.jpg ヘッドのロゴはBroad Bass 2000 YAMAHA、ペグは4点ビス止めなので、82年に行われるマイナーチェンジ前の前期型です。82年以降の後期型はロゴがYAMAHA BB2000、ペグは3点ビス止め、そしてボディー形状も変わります。


 ただし、この個体はピックアップ裏のスタンプとネックヘッド裏のシリアルナンバーからは83年製と推測しているので、ここは?の部分なのですが、ともあれ前期型の最終仕様には間違いなくて、この仕様が私の好みです。

IMG_2541a.jpg ペグのメッキのクスミは消し切れなかったのですが、回転トルク調整を行っているので、操作はスムースです。このペグはとても重量がありヘッド落ちするのですが、製造本数が多くて見慣れたBBシリーズのフォームを崩したくなかったので、軽量ペグへの取替えは我慢しています。


IMG_2516.jpg そのヘッド落ちへの少しの対策として、ロックタイプのストラップピンを装着しました。4弦側ホーン部ではストラップで吊る位置が15mmほどネックヘッド側に寄るので、気休め程度に重量バランスが良くなっています。


IMG_2580a.jpg S字に反り曲がって弦がビビる箇所があった指板は、擦り合わせの結果、どのポジションでもビビり知らずの心地良い弾き心地となっています。そしてフレットレス特有の倍音を多く含んだ出音がアンプから聞こえてきます。


 指板を正面から見るとフレットラインは目立たないのですが、プレイヤー目線からだと4弦指板サイドに入れた白の塩ビ板で、フレットポジションが良くわかり、視認性と演奏性はフレット付きと大きく変わりません。

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IMG_2581a.jpg ストライプドエボニー(縞黒檀)の指板は、縞柄が浮かび上がり、高級感が増しています。これはローズウッドよりも硬い材なので、沈み込み過ぎない音色です。


IMG_2582a.jpg 指板調整後から更にオイルを塗り重ねた結果、導管が埋まり、見るアングルによってはコーティング指板のような艶が出ています。


 加工前はエポキシかウレタンでのコーティングも検討しましたが、以前所有していたBB Ltd.の5弦が固いコーティング指板で、自分のイメージするフレットレスの出音ではなかったので、今回は無コーティングでオイル仕上げとしました。その結果として出音も見栄えも良好となっています。



 実はこれまでPJのピックアップ配置にはあまり良いイメージを持っていない私です。JJの配置では両ピックアップをフルアップでミックスした際は、低域が減じた音色となるのですが、それがジャズベースの音と認識されています。

 これがPJ配置のミックスでも同様となり、イメージするPの図太い低域とJの歯切れがミックスされた出音とはならずに、普通のJJのミックス音になるように聞こえます。

IMG_2527a.jpg ただ今回のBB2000はPJ配置ではあるものの、フロントのPがリバースとなっているのに大きな意味があると思っています。1・2弦の音が細くなるのを想定して、ネック側でより太目の音色をキャッチする設計となっているものと推測します。当初はPの1ピックアップのBB1200が発売されて、PJのBB2000は後発ではあるのですが、2ピックアップのBB2000の製造を見越してのBB1200のリバースP配置だったのではなかったのでしょうか?




 他の所有ベースとの音色の差別化を図る為に、入手時からフラット弦の使用を考えていました。FenderやD'Addarioのフラット弦、La Bellaの黒ナイロンテープ巻き等を張ってチェックした際は、元々が歯切れ良くて明るい音色のBB2000なので、思う程の深みのある出音にならなかったのですが、最後に試したGHSのPrecision Flatwoundが上手い具合にハマりました。

ghs_3025_20200120171407be2.jpg 「張りたて時から死んだ弦」とのイメージがあるこの弦ですが、BB2000フレットレスとのマッチングは良好で、アップライトベースっぽい深みが得られています。そしてこの弦の出音は単にモコっているだけではなくて、ピッキングハーモニクスをしてみると意外と大き目の音量で倍音が聞こえてきます。死んだそぶりをしているだけで、潜在能力は高い弦だと感じました。


 ゲージは入手時に波打っていたネックの状態を考慮して、045~095のライトゲージを選んでいるので、045~105のラウンド弦と変わらないテンション感(指の弦への当たり具合)でプレイできます。



IMG_2525a.jpg ブリッジ部では低反発素材のウレタンスポンジで軽くミュートしています。このBB2000はスルーネック構造と重たいペグ・ブリッジの組み合わせで、木の鳴り成分よりも弦の特性を感じて、かつ長いサスティーンとなっているのですが、このミュートのお陰で音の立ち上がり時のコンプ感が増しているのと、固い指板での強めのハイの立ち上がりも抑えてくれるので、フロント・ピックアップのみで弾くと所属するラテンバンドで使うBabybassの代役として十分対応してくれます。


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 仕上がったBB2000は一般的なイメージとは異なっているのかもしれませんが、自分としては使用するシーンに合わせたものとなっています。今後この一本をメインで使用する予定は無いのですが、ピンポイントの持ち替え等でその深いフレットレスサウンドを活用していければと考えています。
 入手時には煙草のヤニで黄ばみ、メッキもくすんでいたブリッジをコンパウンドで磨きました。内部からのメッキ浮きは処理しようがないのですがこの程度の浮きならば、ヤスリ等で擦らない限り剥離とはならないと思われます。今後の使い方次第です。

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IMG_2360.jpg こちらは入手時で弦が貼ってある状態の画像ですが、サドル間に隙間があるので2~3弦のサドルが弦の張力でセンターに引き寄せられていて、全体では弦間がマチマチになっています。


IMG_2361.jpg これを防ぐ為に、メッキの反射で分かり辛いのですが、下部がカットされたサドルの形状に合わせて1mm厚の鉄ワッシャーをカットして、各サドルの片方に瞬間接着剤で貼り付けました。


IMG_2362.jpg このワッシャーの効果で、弦を張る前からサドル同士がピッタリとくっ付き、サドルがぐらつく事はありません。これならば弦を張っても弦間が均等に確保できる筈です。


IMG_2363.jpg ブリッジ取り付け前に下部のブラスのウェイト(重り)の重量を測定すると190gもありました。ウェイトの有無での出音の違いは比較しなかったのですが、重たいペグによるヘッド落ちの抑制にはなっているはずです。(そうだとしてもヘッド落ちはするのですが・・・)


IMG_2364.jpg パーツを全て取り付けました。2個のストラップピンとヘッドのストリングリテイナーの取り付けビス穴は一旦埋め木して再取り付けしたので、将来のビスの緩み防止となっています。この後は弦を張り、細かなセッティングを行います。
IMG_2177.jpg ボディー磨きの為にパーツを取り外す前のピックアップ(以下PU)廻りの画像です。かなりの使用感と汚れが見て取れます。


IMG_2179.jpg PJ配置のPUを裏返しました。PUの裏面にはブラスのシールドプレートが付いています。


IMG_2180_2019111409575519d.jpg フロントPU裏には製造年のスタンプがあります。


IMG_2181c.jpg 最初の数字がかすれているのですが、58. 1.25と読み取れるので、昭和58年(1983年)1月25日(ジャスト本日の37年前!)にこのPUが製造された事になります。

 ネックのヘッド裏のシリアルナンバーからも1983年製を確認しています。


 PUを取り外した後に直流抵抗値をテスターで測定したところ、フロントPUは11kΩ、リアPUは14kΩでした。リアPUの直流抵抗値が大きいという事はコイルの巻き数が多いという事で、リアPU単体での使用を見越しているものと思われます。

 PUやコントロールの各キャビティー内には一通り導電塗料が塗布してあるのですが、各キャビティー間はリード線で接続されていません。かろうじてコントロールキャビティーはポットを固定した箇所からプラグ→シールド線を経由してアンプのアースに落ちているのですが、PUは樹脂のエスカッションで吊られているので、PUキャビティー内の導電塗料は電気的に独立したものになっており、電磁シールド効果とはなっていません。

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 そして導電塗料の塗布具合もアバウトなものだったので、ここはきっちりとノイズ対策を施しました。PUキャビティーはボディートップまで導電塗料を再塗布して、ネジ止めしたラグにリード線をハンダ付けして、各キャビティー間を電気的に繋ぎました。

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IMG_2326.jpg コントロールキャビティーはジャックプレート取り付け穴の内部まで導電塗料を塗布し、こちらにもアース用のリード線を接続しました。リード線の端は内部サーキットの取り付け時にジャックのアース端子(最もアンプに近い位置)にハンダ付けします。




IMG_2332_20191114095807438.jpg 画像では分かり辛いのですが、フロントPUのポールピースがほんの少しPUカバーから飛び出していたので・・・、


IMG_2344.jpg 0.3mm厚の塩ビ板をカットして、スペーサーとしてPUコイルとカバーの間に挟みました。


IMG_2347.jpg ポールピースの飛び出しが無くなったので、プレイ時のストレスが減じる筈です。この加工は弦を強く押し込んだ際にポールピースに弦が直に当たりノイズとなるのを防ぐ事にもなるので、一石二鳥です。




IMG_2184.jpg PUを再取付けしました。PUカバー&エスカッションやビス類は磨き上げています。ポールピースの黒錆を完全除去するにはポールピースを削る必要があったのですが、そこまでは行っていません。


IMG_2350_20191114095811ba9.jpg コントロールキャビティー内を配線しました。キャビティー蓋にはこれまで無かったアルミの薄板を貼っています。


 以上、外来ノイズ対策を含めての電気パーツの再取り付けが終了しました。
IMG_2240_20191114093211f75.jpg フレットレスネックを仕上げた後はボディー&ネックの小傷の補修を行うので、全てのパーツを取り外しました。


 補修方法はStewMac社のSuper Glueを傷に盛るように塗布して、その乾燥後に出っ張りを削るというものです。このBB2000は、塗装チップは1箇所だけだったのですが、その他の小傷が多かったので、小傷毎に塗っては翌日の乾燥後に削るという工程を二週間程繰り返しました。Super Glueは粘度の異なる2種類を用意して、補修個所ごとに使い分けています。

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IMG_2269.jpg 傷の補修後は全体を耐水ペーパーで磨き、スポンジポリッシャーにコンパウンドを付けて艶を出しました。


IMG_2275_2019111409321581c.jpg ボディー側面は作業ベンチにボディーを挟んで艶出し作業を行っています。


 耐水ペーパーによる研磨で白く曇っていたボディー塗装に蛍光灯が映りこむ程に艶が戻っています。オーバーラッカーを吹いたのではないので、消し切れない傷はあるのですが、中古品としては良い状態になったと思います。

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IMG_2276_20191114093217705.jpg フレットレスに加工するというのが今回の一連の作業の主目的だったのですが、実際はこのボディーの小傷補修が一番手間暇をかけたものとなりました。しかしこのボディーの艶を見ると、その苦労も報われた感がします。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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