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 新たなブラウン(ウォルナット色)のVestax BV-Ⅴの入手後のセッティングが決まったので、これまでのレッドのBV-Ⅴとの2ショット撮影を行いました。モデル的には同一なのですが、木材と仕上げ色で見た目のイメージがかなり異なっています。

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 セットネックなのでボディ・ネック鳴りは少な目で弦振動がストレートにピックアップされる感じは共通なのですが、ボディー材の違いに影響されてか、レッドは硬質な出音、1kg軽いブラウンは低域に振れた出音となっています。

IMG_4177.jpg ブラウンの入手時にはローB弦が沈み過ぎる感があったのですが、弦の選択・弦の張り方・プリアンプ交換等をこなし、そして先のエントリーのポールピースにネオジウム磁石を貼り付けた後はローBからG弦までがバランス良く鳴るようになっています。


 You-Tube等で弾かれている5弦ベースの音を聞くと、「あっ、今5弦に降りた」と直ぐ分る程のベロベロとしたものが多いのですが、このブラウンのBV-ⅤはローB弦とE弦の音色の差が少なくて、繋がりがスムーズです。これがこのベースの特徴で、今まで所有してきた5弦ベースの中では一番の好印象となっています。

IMG_4180.jpg 今後はブラウンをメインに使おうと考えているので、レッドは「これまでお疲れさま」の意を込めて、全パーツをバラして各部を磨き上げました。小傷をタッチアップし、ボディーやネックの各材の貼り合わせ部に経年の伸縮で段差ができていたのを耐水ペーパーとコンパウンドで削って磨いてフラットにしていて、数年前に中古で入手した時以上に綺麗な状態に戻っています。


 「知る人ぞ知る」というよりも「極少数の知っている人しか知らない」という、一般的にはあまり価値が認められていないベースなのですが、私にとっては1990年代に各メーカーが模索しながら多弦ベースを製造していた時期に、これだけのオリジナリティーと演奏性・出音の良さを合わせ持つ国産ベースがあった事を教えてくれる点で重要かつ大切なベースなので、今後も丁寧に弾き続けていこうと考えています。
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 PB用のスプリットコイルのPUならば、コイル毎に高さ調整を行う事により、各弦の音量バランスを取る事が可能です。4弦のJBではPU高さ調整で何とか妥協点を得られるのですが、これが5弦のJBでは完璧には無理と言ってもよいと思います。

 入手後に様々な調整を行ってきた5弦のVestax BV-Ⅴもご多分に漏れず、1と5弦で音量を揃えると2~4弦のどこかでは音量が下がっていました。

 これまではこのようなケースでは、別のPUをバラして取り出したポールピースを電動サンダーで削ってスライス状にした磁石を音量の小さな弦のポールピースに貼り付けて、弦に近付いた疑似ポールピースで音を拾うという方法で対応していました。

 ただし、この加工がなかなかに大変で何か他に使えるものはないかとアンテナを広げて探していたところ、「これはどうかな?」と思うアイテムを入手したので試してみました。



IMG_4700.jpg それは磁力の強いネオジウム磁石です。様々な規格があるのですが、ポールピースとほぼ同径の5mmφで、規格上の厚みは0.5mmと1.0mmの2種類を入手しました。画像の両サイドはそれぞれを10枚重ねたものです。


 ノギスで厚さを実測しました。1枚では誤差があるので10枚重ねての測定です。

IMG_4711.jpg 規格厚0.5mmは10枚で4.9mmだったので、1枚は0.49mm。


IMG_4708_20210423093801e24.jpg 規格厚1.0mmは10枚で8.2mmだったので、1枚は0.82mmとなっています。




 各PUの出音が1弦と5弦で音量が揃うようにPU高さを調整した後に、このネオジウム磁石を出力の弱い弦のポールピースに貼り付けて、音量バランス取りを行いました。先ずは1.0mm厚を試したのですが、これは磁力が強過ぎて貼ったところが飛び抜けた出音となり使えなかったです。

 次には0.5mm厚で色々なパターンを試したのですが、結果的には両PU共に2~4弦のどちらも高音弦側のポールピースに1枚ずつの貼り付けで、各PU単体でも両PUのブレンドでも各弦を弾いた時の音量が揃っています。

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 実はこの「各ポールピースの高音弦側への貼り付け」というのが“ミソ”です。微妙な違いなのですが、同一弦のポールピースでも高音弦側の貼り付けでは高域成分が、低音弦側では低域成分が増していました。ネオジウム磁石の強い磁力の影響を受けた為と思われます。

 これに関連して隣接した弦の音色にも変化があり、例えば4弦の5弦側ポールピースへの磁石貼り付けでは、5弦の出音が幾分かパワーアップして太くなっていました。私は現状以上に5弦の太さを求めていなかったので、4弦からみた高音弦の3弦側のポールピースへの貼り付けとしています。

IMG_4904.jpg 音量バランスが取れたのを確認後には、ポールピースに極少量の瞬間接着剤を付けてネオジウム磁石を貼り付けています。接着剤無しでは指先が触れるとズレたり、近付いた弦に磁石がピョコンと飛び付いたりしてしまうので・・・。


 更に細かな点ですが、磁石を接着する前後の出音を比べると、接着後は該当する弦の出音が若干タイトになっています。接着前は振動する弦に引き寄せられてポールピース上で磁石が微妙に暴れる為と思われます。

 接着後はプレイ中に磁石が取れる事は無いのですが、磁石を取り外す時にはラジオペンチの先端に磁石を咥えて、引っ張るのではなくて捩じると簡単に接着が剝がれます。

IMG_4912.jpg 各弦の出力バランスが整い、これまで小さかった2~4弦の音量が上がったので、ベース全体としての音量もアップし、全弦の発音の立ち上がりもスピーディーになっています。


 なかなかに良い結果が得られたので、別のベースでも音量バランスが気になれば試してみようかと思います。



 前述の如く10年前からスライス磁石を作ってきたのですが、その加工に苦労していたので「どこかのメーカーが薄い磁石を作ってくれないかな?」とずっと思っていました。1mm厚のネオジウム磁石は少し前から見掛けていたのですが、0.5mm厚は最近入手できるようになっています。願わくは0.3mm厚があればベストなのですが、高望みですかね?

 勿論、磁石メーカーはベースのPUのポールピースに貼り付ける事など想定はしていないのですが、私としては「やっと時代が追い付いてくれた!」と受け止めていて、嬉しく感じています。



 追記 : 更なる好結果を求めて、この後に0.8mm厚の磁石を入手して、3弦のポールピースに貼り付けしました。ポールピースの飛び出し具合が指板アールに近づいて、出音のバランスが最良になっています。各弦を同じタッチで弾くと同じ音量となるので、(各弦の音量が揃いやすい)アクティブ回路をオフにしてパッシブで使ってもノンストレスで弾けるようになっています。

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 Vestax BV-Ⅴのオリジナルの内蔵プリアンプは1990年代製ということで、当時のアクティブ回路臭さが漂うとてもストレートでガチッとした印象の出音です。私の好みの出音はもっとナチュラルなものなので、以前のレッドのBV-ⅤにインストールしていたHUMPBACK engineeringのプリアンプ1×1をこちらに移植しました。

IMG_3975a.jpg 取り外したオリジナルプリアンプ(左)とこれから取り付ける1×1(右)です。オリジナルではポット別に計4枚あった基板は、1×1ではコンパクトな1枚となっていて、20年間の電子回路の進化を表しています。

 導電塗料が塗布されていないバッテリーキャビティーの底には、ボディートップ面のメイプル材のトラ杢の裏側が見えています。


IMG_3976a.jpg インストールした1×1を通過した出音をチェックしました。発音の立ち上がりが早く、雑味の無いナチュラルな出音です。Trebleを絞るとパッシブトーン的に高音が減衰するのが良い感じです。




IMG_3977.jpg 上の状態でしばらく使っていたのですが、そのナチュラルさに飽きたと言うか、Middleのコントロール(少しのブースト)が欲しいなと感じてきました。そんな折、ネットでこちらの中古パーツを見掛けたので入手しました。


IMG_3978a.jpg JBのコントロールプレートに3バンドEQコントロールのAguilarのOBP-3が組み込まれたものです。狭いスペースに、アクティブ・パッシブ切替えスイッチ付のマスターボリューム、PUバランサー、BassとTrebleの同軸2連トーンポット、Middle用トーンポット、そして400Hzと800HzのMiddleのコントロール周波数切替えスイッチがびっしりと組み込まれています。


IMG_3986.jpg これをバラしてBV-Ⅴのコントロールキャビティーに取り付けました。アクティブ回路ではキャビティー内が蜘蛛の巣状の配線になるケースが多いのですが、入手時の配線材が既に短かったので配線の引き回しを熟考し、OBP-3のブラックボックスの下に配線が隠れるように纏めています。


 又、Middleのポットを周波数切替えスイッチ付の50kΩに替えていて、4個のポット全てが複合機能タイプになっているのですが、上記の配線の工夫により、多機能のアクティブ回路とは思えない程にスッキリとした収まりになっています。

IMG_4341.jpg ボディートップでは、BassとTrebleを同軸でコントロールする為にスタックノブ(2段ツマミ)となっているのがこれまでとの変更点です。スタックノブをあまり目立たせたくなかったので、下段の黒の金属製ツマミは背が低くて直径が小さいWarwick用を流用し、上段の木製ツマミは下側をカットして全高を低くしています。その2つのツマミの長さと内径に合わせてスタックポットの軸も加工しています。


IMG_4342b.jpg ヴォリュームとMiddleツマミを引き上げると、それぞれがアクティブとパッシブ切替え、Middleのコントロール周波数が400Hzと800Hzの切替えとなります。ツマミの引き上げ時に頭が揃うようにスタックノブの高さ調整をしているので、引き上げたままでの使用でもルックスに違和感はありません。


 これまで所有してきたVestax BV-Ⅴでは常時アクティブ回路を経由した出音だったので、この度初めてパッシブでピックアップの素の出音を聞いたのですが、とてもストレートで癖の無いものと感じました。

 Aguilar OBP-3は回路内部でのゲイン調整機能はないのですが、アクティブ時でもパッシブ時と音量と音質はほぼ変わらずで、細かく言うとアクティブ時に低域~高域のレンジが少し広がるように感じました。アクティブ回路にバッテリー切れ等のトラブルが発生した際に、バックアップ用として十分に使えるパッシブ音です。

 私としてはアクティブ時にMiddleをほんの少しブーストした状態が好みの出音となるのですが、ここでMiddleのコントロール周波数を400Hzと800Hzとで選択できるのはとても有効です。BassとTrebleはフラットのままで、中低域をふくよかにしたければ400Hz、中高域で歯切れを出したければ800Hzに切り替えています。

 実はパッシブでのトーン調整も行ってみたくて、コントロールキャビティー内にパッシブトーン回路を簡易的に組み込みしたのですが、それだけで高域が減衰したのと、同様の調整はEQのTrebleツマミで行えるのが確認できたので、直ぐに取り外しています。



IMG_4193.jpg 最近のアクティブ回路付きベースには、ボディートップにこれでもかというくらいにノブやスイッチが数多く配置されているものがあるのですが、私は演奏中にノブを頻繁に弄るタイプではないので、このモディファイ後のVestax BV-Ⅴは多機能ではあるものの、ノブは一見4個で納まっているのがなかなかの好印象となっています。
IMG_4211_202104141348507ba.jpg Vestax BV-Ⅴのピックアップはカバーレスでボビンが剥き出しとなっていて親指の安定した置き場が無いので、サムレストは必需です。そこでフロントとリアピックアップ間の5弦側に、ウォルナット材をカットして成形しオイルで仕上げたサムレストを両面テープで貼り付けしました。


IMG_4190_202104141348482b3.jpg アクリルクリアーの自作ピックガード(t3mm)をレッドのBV-Ⅴから移植しました。実は新規にt2mm も作製したのですが、スラップ時の指の差し込み具合から元のt3mm を選んでいます。ピックガードはサムレストと同様にあまり目立たせたくなかったので、取り付けはピックアップ用ビス2本と最小面積の両面テープで行っています。


 以上の2カ所のモディファイで指弾きでもスラップでも右手の演奏性が格段に向上しています。



 サムレストとピックガードの取り付けの際に気付いたのですが、ボディートップは完全な平面ではなくて、ボディーセンター部がボディー周囲に対してクレーター状に凹んでいます。

IMG_4593.jpg 画像はボディートップの前後方向にストレート定規をあてたもので、向こうの光が見えています。特にネックエンドからフロントPUにかけて大きく凹んでいるのが分かります。更に詳しく見ると、定規の中ほどではサムレストにより影になって分り辛いのですが、この部分は少し盛り上がっています。


 えっ?と思いボディーバックを調べました。下左はボディーの前後方向、下右はボディー横方向の状態のチェック画像ですが、こちらはボディートップとは逆でセンター部が凸になっているので定規の両サイドに光が見えます。

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 何故?と考えたのですが、元々の加工でこの様になっているとは思えず、ネックポケットやピックアップキャビティーの彫り込みで木部の体積が減少している箇所に長年に亘り弦のテンションが加わった事や、ボディートップとバックの材の経年の伸縮の違い等が影響して変形したのでは?と推測します。実は別個体のレッドのBV-Ⅴも程度の差はあるものの同様の状態でした。



IMG_4597_20210419145600db1.jpg その“ボディー反り”もしくは“ブリッジ起き”の影響で、ブリッジの5個のサドル全てをかなり低めにセッティングする必要があり、更に1弦サドルは溝切りを深くして弦高を下げています。




 一見、程度が良さげなこのBV-Ⅴですが、経年によりメンテが必要な箇所が浮上しています。しかしそれも楽しみの一つとして今後も付き合っていこうと思います。
IMG_3661.jpg 重量が3.9kgと軽量なVestax BV-Ⅴですが、手持ちにGOTOHの計量ペグがあるので、更なる軽量化を図りました。


IMG_3718_202104141126474db.jpg デフォルトのペグもGOTOH製なのですが、ペグブッシュも含めての重量は315gです。


IMG_3722.jpg これまでレッドのBV-Ⅴに取り付けていたのを外したこちらのGOTOH GB350は196gで、交換すると119gの軽量化となります。


IMG_4212_2021041411265302f.jpg ペグを交換しました。ベースをストラップで下げると明らかにヘッドが軽くなっています。本体重量は3.8kgとなりプレイは更に楽になりました。一番目の画像で、デフォルトのペグがあちこち傾いて取り付けられていたのは、交換時に修正しています。


 Fender系のベースでは、計量ペグに交換すると出音の立ち上がりのコンプ感が減少するのが通例なのですが、このBV-Ⅴは元より軽量なので「若干オープンな鳴りになったかな?」程度で、出音に特筆するような変化は無く、演奏性の向上という良い部分だけが感じられたペグ交換となっています。

IMG_3724.jpg フレットは擦り合わせされておりフレット頂上にストレートは出ているのですが、前オーナーがビブラートを掛けた擦り傷が一部にあったので、軽く傷落しを行いました。


IMG_3723.jpg ネック裏には傷も無く、演奏性は良好です。ネック材はこれまでのアルダーバックのレッドのBV-Ⅴでは判別できなかったのですが、この度のBV-Ⅴではウォルナットバックの木目と見比べて同材だという事が分かりました。判り辛いのですが5ピースの貼り合わせとなっています。レッドのBV-Ⅴではこのネックの貼り合わせ部にピース毎の伸縮の違いで段差が発生していたのですが、こちらには無いのでストレスフリーでプレイできます。
プロフィール

F-nie

Author:F-nie
回りまわって最後に辿り着いた、Vintage Fender Bass
とことん、追求しています。

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